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太陽光の共同購入とは、地域の家庭が太陽光発電をまとめて申し込み、まとめて購入・設置することで費用を抑えやすくする仕組みです。自治体は共同購入事業の周知や参加者の募集などを支援し、実際の購入や工事は連携する事業者が進めます。参加する家庭が増えるほど、まとめて発注できることによる「スケールメリット」を生かしやすくなります。ただし、個別購入のように好きなメーカーや施工業者を自由に選べるとは限らず、募集期間も決められていることがあります。
太陽光の導入方法は4つ——共同購入・個別購入・0円ソーラー・リース
太陽光発電の導入方法には、「共同購入」「個別購入」「0円ソーラー」「リース」などがあります。本記事では、比較しやすいように、この4つの方法を取り上げます。このうち、共同購入は、複数の家庭がそれぞれ太陽光発電の導入を申し込み、その申し込みをまとめて扱うことで、設備や工事の価格を抑えやすくする仕組みです。
共同購入とは:地域の家庭が一括で太陽光を導入する方法
複数の家庭の注文をまとめることで、1軒ずつ購入するよりも大きな購買力を生み出し、太陽光パネルや工事の価格を抑えやすくするのが共同購入の大きな特徴です。
このように「共同購入」といっても、複数の家庭が1つの太陽光発電設備を共同で使うわけではなく、あくまで各家庭が自宅に太陽光発電を設置します。しかし、複数の家庭の注文をまとめることで、価格面などのメリットを得やすくできるのです。
なお、自治体によって取り組みの名称や具体的な流れは異なります。「みんなのおうちに太陽光」「みんなでソーラー」などの名称で実施されている事例があります。
共同購入以外にはどんな方法がある?
太陽光発電の導入方法には、共同購入以外にも「個別購入」「0円ソーラー」「リース」があります。- 個別購入
自分で複数の施工会社から見積もりを取り、価格やメーカー、施工内容などを比較して導入する方法です。 - 0円ソーラー
事業者が太陽光発電設備を設置し、利用者は初期費用を負担せずに発電した電気を利用する方法です。代表的な仕組みにPPA(第三者所有モデル)があります。 - リース
リース会社が用意した太陽光発電設備を利用し、毎月決められたリース料を支払う方法です。
それぞれの仕組みや費用、メリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
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太陽光の共同購入を利用する前に知っておきたいこと
ここで押さえておきたいのは、自治体自身が太陽光パネルの販売元になるわけではないという点です。自治体は事業者と協定を結び、地域の家庭に共同購入事業を周知するなど、取り組みの枠組みを提供しています。東京都の場合、事業実施者(アイチューザー等)は都を代理する権限を有するものではなく、都は事業実施者の資力・信用を保証するものではないと明記されています(※1)。
また、共同購入の対象は主に10kW未満の住宅用太陽光パネルや蓄電池です。参加登録は無料で、登録したからといって購入する義務はありません。見積もりを確認してから、契約するかどうかを判断できます(※2)。
共同購入のメリット・デメリットについては、第6章で詳しく解説します。
※出典1:東京都「みんなのおうちに太陽光」
※出典2:東京都小平市「住宅向け太陽光パネル・蓄電池等の共同購入事業」
4つの導入方法を比較する「5つの軸」
ここでは、比較の基準となる5つの軸を1つずつ定義しておきます。- 価格の決まり方:最終的な導入価格が、どのようなプロセスで決まるか
- 申込期間の制約:いつでも申し込めるのか、期間限定の募集なのか
- 選べる機器の範囲:メーカーや施工業者を自分で選べるかどうか
- アフター対応の主体:設置後の故障・不具合対応や保証を、誰が担うか
- 途中解約の可否:契約後に事情が変わった場合、解約できるか・違約金が発生するか
この5軸について、次章で詳しくみていきましょう。
共同購入 vs 個別購入・0円ソーラー・リース——5つの軸で比較
価格の決まり方
- 共同購入:事前審査を通過した施工事業者による入札などで共同購入価格を決定し、その後、各家庭の設置条件を踏まえて個別に見積もりが提示される(※1)
- 個別購入:複数業者の相見積もりで、自分の希望に応じて交渉可能
- 0円ソーラー(PPA):事業者ごとに設定した電気料金単価で、契約期間中の支払いから設備費用を回収
- リース:リース会社ごとに設定した月額料金
申込期間の制約
- 共同購入:自治体・事業ごとに募集期間が設定されていることが多い(例:東京都は2026年度に3月26日〜7月29日)(※1)
- 個別購入:共同購入のような一斉募集期間は基本的にない
- 0円ソーラー(PPA):事業者が提供するプランごとに申込条件・受付期間などが異なる
- リース:事業者が提供するプランごとに申込条件・受付期間などが異なる
選べる機器の範囲
- 共同購入:事業ごとに選定された施工事業者・製品を利用するため、個別購入のようにメーカーや施工業者を自由に選ぶことはできない(※1)
- 個別購入:メーカー・施工業者を自由に選べる
- 0円ソーラー(PPA):事業者が提携するメーカーの中から(限定的)
- リース:リース会社が提携するメーカーの中から(限定的)
アフター対応の主体
- 共同購入:施工業者・メーカー(契約自体は利用者と施工業者の個別契約であり、自治体や事務局は直接の保証主体ではない)(※2)
- 個別購入:契約した施工業者・メーカー
- 0円ソーラー(PPA):0円ソーラー事業者(契約期間中)
- リース:リース会社
途中解約の可否
- 共同購入:参加登録・見積もり確認の段階では契約義務も費用も発生しない。正式契約後は、施工事業者との契約条件に従う。キャンセルや引っ越しなどの場合の扱い、費用の発生についても、契約書で確認する必要がある
- 個別購入:契約後のキャンセルは個別契約の条件次第
- 0円ソーラー(PPA):契約期間中の解約条件や違約金の有無は、事業者・プランによって異なる
- リース:契約期間中の解約条件や違約金の有無は、リース会社・契約内容によって異なる
※事業者や自治体、契約内容によって異なります。導入を検討する際は必ず最新の一次情報をご確認ください。
ここまで見てわかるように、共同購入の大きな特徴は、複数の家庭の注文をまとめて価格を抑えやすくする一方、購入した設備は最初から自分の所有物になる点です。個別購入と同じ「購入」という形を取りながら、施工業者や機器の選択は共同購入の仕組みに委ねることになります。
共同購入は「購入という契約形態そのままに、価格交渉と業者選定の手間を事務局に委ねる方法」と捉えるとよいでしょう。
※出典1:東京都「みんなのおうちに太陽光」
※出典2:東京都小平市「住宅向け太陽光パネル・蓄電池等の共同購入事業」
実施中の自治体一覧と募集時期
| 自治体 | 事業名 | 2026年度 参加登録期間 | 対象 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 太陽光発電及び蓄電池グループ購入促進事業(みんなのおうちに太陽光) | 第1期:3月26日〜7月29日(受付終了、次回未定)(※1) | 太陽光パネル(10kW未満)・蓄電池 |
| 神奈川県 | みんなのおうちに太陽光 | 4月9日〜9月17日(※2) | 太陽光パネル(10kW未満)・蓄電池 |
| 千葉県 | みんなのおうちに太陽光 | 4月1日〜12月15日(※3) | 太陽光パネル(10kW未満)・蓄電池 |
| 大阪府 | 太陽光発電及び蓄電池システムの共同購入支援事業 | 3月18日〜9月30日(※4) | 太陽光パネル(10kW未満)・蓄電池 |
| 兵庫県(神戸市・尼崎市など) | 太陽光パネル・蓄電池の共同購入(グループパワーチョイス) | 2月25日〜9月30日(※5) | 太陽光パネル・蓄電池 |
| 福岡県 | 太陽光発電設備・蓄電池の共同購入 | 3月18日〜12月16日(※6) | 太陽光パネル(10kW未満)・蓄電池 |
| 静岡県 | みんなのおうちに太陽光 | 4月30日〜12月9日(※7) | 太陽光パネル(10kW未満)・蓄電池 |
※本表は2026年9月17日時点で確認できた事業を掲載しています。上記以外の自治体でも実施されている可能性があるため、募集期間は年度ごとに変わることも踏まえ、お住まいの自治体名と「共同購入」または「みんなのおうちに太陽光」で検索し、最新の受付状況を必ず公式サイトでご確認ください。
※出典1:東京都「みんなのおうちに太陽光」
※出典2:神奈川県「みんなのおうちに太陽光」
※出典3:千葉県柏市「『太陽光パネル・蓄電池』の共同購入 参加者募集中!」
※出典4:大阪府「太陽光発電及び蓄電池システムの共同購入支援事業」
※出典5:神戸市「太陽光パネル・蓄電池の共同購入(グループパワーチョイス)」
※出典6:福岡県「みんなのおうちに太陽光」
※出典7:静岡市「住宅向け太陽光パネル・蓄電池等の共同購入」
共同購入のメリット・デメリット
共同購入のメリット・デメリット
共同購入は自治体と事業者が連携した事業であり、事前審査を通過した販売施工事業者や製品が選定されるため、個人で一から施工事業者を探して比較する手間を減らせる点がメリットです。参加登録自体は無料で契約義務もないため、太陽光導入を検討し始める最初の一歩として利用しやすいのも特徴です。一方でデメリットもあります。施工業者やメーカーをエリアごとに選べないため、「特定のメーカーのパネルを使いたい」というこだわりがある場合には不向きです。また募集期間が限定されているため、思い立ったときにすぐ申し込めるとは限りません。実際、大阪府の令和7年度実績を見ると、参加登録数1,878世帯に対して契約に至ったのは72世帯にとどまっており(※)、見積もりを確認したうえで必ずしも全員が購入に進むわけではないことがうかがえます。共同購入の見積もりを受け取った後は、個別購入の相見積もりとも比較して検討するとよいでしょう。
民間主導の共同購入サービスとの違い
「共同購入」という言葉は、自治体が主体となるもの以外に、民間企業が主催するグループ購入型のキャンペーンでも使われることがあります。両者の大きな違いは、自治体との協定に基づく審査・広報の枠組みがあるかどうかです。自治体主体の事業は、前述の通り自治体が事業者の信用を直接保証するものではないものの、協定に基づく事業者選定や周知が行われています。民間単独のグループ購入を検討する場合は、運営会社の実績や契約条件を自分でより注意深く確認することが大切です。※出典:大阪府「太陽光発電及び蓄電池システムの共同購入支援事業」令和7年度実績
結局どの方法がおすすめ?——タイプ別に見る4つの導入方法
ここまでの比較をふまえて、どんな人にどの導入方法が向いているのかを整理します。共同購入がおすすめな人
- 施工業者やメーカーに強いこだわりがない
- まずは相場感を手軽に知りたい
- 施工事業者選びなどの手間を減らしたい
- ちょうど募集期間中に太陽光導入を検討している
個別購入がおすすめな人
- メーカーや施工業者を自分の目で比較して選びたい
- 時間をかけてでも複数社を比較し、納得できる条件で契約したい
- 申込期間を気にせず、思い立ったときに動きたい
- 設備の所有者として、売電などの運用方法を自分で決めたい
0円ソーラーがおすすめな人
- 初期費用をまったくかけたくない
- メンテナンスや故障対応をすべて事業者に任せたい
- 契約期間中、同じ場所に住み続ける予定がある
リースがおすすめな人
- 初期費用を抑えつつ、月々の支払いを固定額にしたい
- 契約によっては売電収入を得る可能性も残しておきたい
- メンテナンスの手間を減らしたい
よくある質問(Q&A)
Q1.共同購入に参加登録すると、必ず契約しないといけませんか?
A1.いいえ。参加登録は無料で、見積もりを確認した後に購入するかどうかは自由に判断できます(※1)。Q2.共同購入なら、個別購入より必ず安くなりますか?
A2.一概には言えません。市場価格からの割引率で提示されますが、実際に見積もりを確認したうえで契約に進む人ばかりではなく、大阪府の令和7年度実績では参加登録数1,878世帯のうち契約数は72世帯にとどまっています(※2)。個別の相見積もりと比較したうえで判断することをおすすめします。Q3.共同購入で設置した場合、契約後に引っ越すことになったらどうなりますか?
A3.共同購入で購入した設備は、購入契約が成立すれば基本的に購入者が所有します。ただし、引っ越し時に設備をどう扱うか、保証を引き継げるか、売却・撤去などに費用がかかるかは、施工事業者との契約条件によって異なります。引っ越しの可能性がある場合は、契約前に確認しておきましょう。Q4.住んでいる自治体で共同購入事業をやっているか、どう調べればいいですか?
A4.お住まいの自治体名と「共同購入」または「みんなのおうちに太陽光」で検索するか、自治体の環境政策担当課のホームページで確認できます。募集期間は年度・自治体ごとに異なるため、最新情報を公式サイトでチェックしてください。Q5.太陽光パネルのメーカーにこだわりがある場合、共同購入は選ばない方がいいですか?
A5.メーカーに強いこだわりがある場合は、共同購入で選べる製品の範囲を事前に確認しましょう。共同購入では、事業ごとに選定された製品・施工事業者を利用するため、個別購入のようにメーカーや施工事業者を自由に選べない場合があります。特定のメーカーや施工事業者を選びたい場合は、個別購入も比較対象にするとよいでしょう。
※出典1:東京都小平市「住宅向け太陽光パネル・蓄電池等の共同購入事業」
※出典2:大阪府「太陽光発電及び蓄電池システムの共同購入支援事業」令和7年度実績
まとめ
太陽光の共同購入は、自治体と事業者が連携し、複数の家庭の購入希望をまとめて発注することで、スケールメリットを生かして価格を抑える仕組みです。事前審査や入札などを通じて施工事業者や製品が選定され、購入した設備は最初から自分の所有物になります。一方で、個別購入のように機器や施工業者を自由に選べるわけではなく、募集期間も限定されています。個別購入・0円ソーラー・リースとはそれぞれ性質が異なるため、本記事の比較を参考に、ご自身の優先順位に合った導入方法を選んでみてください。