目次
市場連動型プランの概要
電気料金の市場連動型プランとは
市場連動型プランは、従来の固定料金プランと異なり、電力の卸売価格の変動に合わせて電気料金が変動する新しいプランです。株価のように、電力市場の価格は日々変動していますが、それに応じて電気料金も上下するため、支払額は市場の動向に左右されます。従来型の電気料金プランとの違い
従来型のプランは、基本料金と使用量に応じて電気料金が決まる固定料金制です。料金は変更されることが少なく、毎月の支払い金額は安定しています。一方、「市場連動型プラン」は、電力取引市場(JEPX)の価格に基づいて料金が変動するため、安い時に使用すればお得に、逆に高騰する可能性もあります。変動リスクを受け入れる代わりに、料金を柔軟に調整できるメリットがあります。電力市場の価格が高騰したら影響は受けるの?
市場連動型プランは、日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格に連動しているため、電力市場の価格が高騰した場合、影響を直接受けます。旧一般電気事業者(北海道電力、東北電力、東京電力など)や新電力が提供するプランの中でも、市場連動型プランだけがこの影響を受けて電気料金が変動します。契約中のプランが市場連動型かどうかは、検針票や会員向けページで確認できます。電力自由化の仕組みと選び方|太陽光パネルがある家庭必見2025
電力自由化の目的と仕組みをやさしく図解で解説。料金の見方と乗り換え手順、リスク回避、2025年の制度動向まで一気に理解できます。太陽光や蓄電池の活用ポイントも併せて紹介します。安心...
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市場連動型プラン以外の電力プラン
従量電灯Bプラン
従量電灯Bプランは、最も一般的な家庭向けの電気料金プランです。使用した電力量に応じて料金が計算されるため、シンプルで分かりやすいのが特徴です。しかし、時間帯によって料金が変わらないため、深夜電力などを活用できる時間帯別プランのように、料金を安く抑える工夫がしにくいというデメリットもあります。固定価格プラン
固定価格プランは、契約期間中、電気料金が一定に設定されているプランです。価格の変動がないため、家計の計画が立てやすく、安定した料金体系を好む方におすすめです。ただし、市場価格が下がっても、電気料金が安くなることはありません。また、長期契約を結んでいる場合、途中で解約すると違約金が発生するケースがあります。時間帯別プラン
時間帯別プランは、時間帯によって電気料金が異なるプランです。一般的に、深夜や早朝など、電力需要が低い時間帯の料金が安くなります。これにより、電気の使用量を時間帯によって調整できる方には向いています。しかし、時間帯を意識した生活が必要になるため、手間がかかることもあります。日本卸電力取引所(JEPX)の仕組みについて
JEPXの仕組みと取引の方法
JEPXは、電力を売買する市場、いわば「電力の卸売市場」です。1日を30分単位の取引時間帯に分け、各時間帯ごとの電力を、発電事業者や電力会社などの事業者間で取引しています。株式市場で株が取引されるように、JEPXでは電力の価格が、需要と供給のバランスによって常に変動します。JEPXでの取引は、主にオークション方式で行われます。参加者は、自分が売りたい電力の量と価格、または買いたい電力の量と価格をシステムに入力します。システムは、これらの入札情報を集計し、売りたい人と買いたい人の価格が一致した部分で取引を成立させます。 この取引を通じて、日本の電力の需給バランスが調整され、電力システム全体の効率化に貢献しています。
JEPXの取引価格に影響を与える要因はなにがある?
JEPXの価格は、さまざまな要因によって変動します。特に、気温や経済活動の変化に伴う電力需要の増減が大きな影響を与えます。例えば、夏の冷房需要が高まると、供給不足が懸念され、価格が上昇しやすくなります。また、発電燃料(石炭や天然ガス)の価格が上がると、発電コストが増加し、それが電力価格の上昇につながります。さらに、発電設備の故障やメンテナンスなども価格に影響を与える要因です。一方で、再生可能エネルギーの発電量が増えると、燃料費がかからず、結果的に電力価格を抑制する効果があります。
市場連動型プランが特に向いている人
電力使用量をコントロールできる人
市場連動型プランは、電気料金が変動するため、自分のライフスタイルに合わせて電力使用量を調整できる人に特に向いています。深夜や早朝など、料金が安い時間帯に家事を集中させたり、ピーク時間帯を避けて電力を利用することで、大幅な電気料金の節約が期待できます。スマートホームシステムと連携して、電力使用量を自動で調整できる方にも効果的です。環境問題に関心があり、積極的に省エネに取り組みたい人
市場連動型プランは、電気料金の変動を通じて節電・省エネを意識させる効果があります。電力使用量を減らすことで、CO2排出量を削減し、環境負荷を低減できます。環境問題に関心がある方だけでなく、SDGsの達成に貢献したい人にも魅力的なプランです。再生可能エネルギー(太陽光発電や蓄電池)との組み合わせで、より一層環境に貢献できます。市場連動型プランを提供している主な電力会社(2026年版)
2026年3月時点でJEPX市場連動型プランを提供している主な電力会社は以下の通りです。| 電力会社 | プラン名 | 特徴 |
|---|---|---|
| Looopでんき | スマートタイムONE | 基本料金0円。電気代が時間帯で変わる。 |
| TERASELでんき | マーケットプラン/マーケットあんしんプラン | 市場価格に連動。あんしんプランは値上がりを抑えやすい。 |
| リミックスでんき | Styleプラス | 基本料金0円。料金の見通しを立てやすい。 |
| テラエナジーでんき | 市場連動プラン | 市場価格に連動。 |
| アストでんき | フリープラン | 市場価格に連動。 |
※2026年3月時点の情報です。プラン内容・料金は変更される場合があるため、最新情報は各電力会社の公式サイトでご確認ください。
各社の違いは、電気代が高騰したときの抑え方、毎月の固定費の有無、市場価格がどの程度料金に反映されるかの3点です。節約を重視するなら、基本料金がかからず、市場価格の影響を受けにくいプランが有力です。逆に、値上がりリスクをできるだけ抑えたいなら、単価に上限や割引があるプランを比較候補にするとよいでしょう。最終的には、各社のシミュレーションで自宅の使用状況に合うか確認するのがおすすめです。
市場連動型プランのメリット
電気料金の節約の可能性
市場連動型プランの最大のメリットは、電気料金を安く抑えられる可能性があることです。電力の卸売価格が下がっている時間帯に電力を多く使用することで、従来の固定価格プランよりも大幅に電気料金を抑えられる場合があります。特に、電力需要が低い深夜や早朝など、価格が下がりやすい時間帯に電力を集中的に使用することで、より大きな節約効果が期待できます。電力市場の変動に合わせた柔軟な料金設定
市場連動型プランは、電力市場の状況に合わせて料金設定が変動します。従来の固定価格プランでは、燃料費の高騰などにより電気料金が一方的に値上げされることがありましたが、市場連動型プランでは、そのようなリスクを軽減することができます。また、電力会社によっては、時間帯別の料金設定を行っている場合もあり、より細かい料金管理が可能です。節電・省エネ意識の向上
市場連動型プランを利用することで、自然と節電・省エネ意識が高まります。電気料金が変動するため、いつ安くなるのか、いつ高くなるのかを意識しながら効率的に電力を利用しようとする行動が促されます。特に、時間帯別料金がある場合は、料金が安い時間帯に家事を行うなど、具体的な節電対策を立てやすくなります。市場連動型プランの注意点・デメリット
電気料金の変動による家計への影響
市場連動型プランは、電力の卸売価格に連動して電気料金が変動するため、電気料金が上昇する時期には家計への負担が増える可能性があります。特に、冬の暖房や夏の冷房など、電力消費が増える時期に価格が高騰すると、家計を圧迫する原因になります。料金変動による計画性の難しさ
市場連動型プランでは、毎月の電気料金が一定ではなく変動するため、家計の見通しが立てにくくなります。従来の固定価格プランのように、毎月の電気料金をある程度予測することが難しい点がデメリットと言えるでしょう。例えば、長期的な計画、子供の教育費やマイホーム購入など、大きな支出を控えている場合、電気料金の変動が家計全体のバランスを崩してしまうかもしれません。そのため、将来の電気料金を予測し、計画的な家計管理を行いたい方には不向きなプランかもしれません。複雑な仕組みへの理解が必要
市場連動型プランは、電力の卸売価格や取引所の仕組みを理解する必要があるため、一般の消費者にとっては複雑に感じることがあります。電気料金の変動要因を把握し、最適な電力利用を行うためには、ある程度の知識が必要となります。また、電力会社が提供する情報をしっかり理解し、自分に合ったプランを選ぶことが重要です。太陽光発電の売電における市場連動型プラン
売電時の市場連動型プランの仕組み
太陽光発電で発電した電力を売電する際に、固定価格買取制度(FIT)の代わりに注目されているのが、市場連動型プランです。このプランでは、発電した電力を電力会社が、日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格に基づいて買い取ります。市場価格は電力需要や供給状況によって変動するため、売電価格も日々変動します。卒FIT向けの市場連動型プランとは
固定価格買取制度(FIT)の期間が終了し、売電価格が大幅に下がった「卒FIT」の太陽光発電設備をお持ちの方にとって、市場連動型プランは新たな選択肢となります。市場連動型プランは、電力会社が電力取引所で購入した電力の価格に基づいて売電価格が変動するプランです。従来の固定価格買取制度のように、売電価格が長期にわたって保証されるわけではありませんが、電力市場の価格が上昇すれば、売電収入も増える可能性があります。
卒FITとは?卒FIT以降のおすすめ選択肢|蓄電池・自家消費・売電
【この記事はどんな人の役に立つか】 この記事は、太陽光発電のFIT制度(固定価格買取制度)の10年間が終了間近か、または既に終了した住宅用太陽光発電システム所有者に向けた実用的なガ...
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固定価格買取制度(FIT)との違い
従来の固定価格買取制度(FIT)では、売電価格は国が定めた固定価格で、長期間変動しませんでした。一方、市場連動型プランでは、売電価格が市場価格に連動するため、価格が上昇すれば売電収入も増加しますが、逆に価格が下落すれば収入が減少するリスクもあります。市場連動型プランで売電するメリット
高い売電収入の可能性
市場連動型プランでは、発電した電力を電力会社が、日本卸電力取引所(JEPX)という市場で取引された価格に基づいて買い取ります。そのため、電力需要が高まり、市場価格が上昇すれば、売電収入も増える可能性があります。特に、夏場の電力需要がピークとなる時間帯に発電した電力は、高値で売却できるチャンスがあります。電力市場の変動に対応できる柔軟性
市場連動型プランは、電力の市場価格に合わせて売電価格が変動するため、電力市場の状況の変化に柔軟に対応できます。従来の固定価格買取制度では、売電価格が長期にわたって固定されていたため、市場価格が上昇しても、その恩恵を受けることができませんでした。市場連動型プランであれば、電力市場の動向を捉え、より高い売電収入を目指すことができます。今後の電力料金はどうなる?過去の事例と予測
過去の電力価格高騰事例
市場連動型プランを検討する上で、過去の価格高騰を知っておくことは重要です。2020年12月から2021年1月にかけて、電力市場の価格は大きく高騰しました。この急激な価格上昇の主な原因は、世界的な異常寒波による電力需要の急増です。暖房需要の急増に加え、液化天然ガス(LNG)の供給不足や発電設備のトラブルが重なったことで需給バランスが大きく崩れ、市場価格が約6倍まで大幅に上昇しました。
その後も電力市場が安定したとは言い切れません。2022〜2023年にはウクライナ情勢を背景とした燃料費の急騰があり、一般家庭の電気代が大幅に上昇した時期もありました(詳しくは9.4で解説します)。 電力市場は異常気象・燃料価格の変動・発電設備のトラブルといった多様な外部要因に影響されやすく、需給バランスの変動が価格に直結しやすいことを示しています。
今後の電力市場価格の予測
今後の電力市場価格は、さまざまな要因が複雑に絡み合い、一概に予測することは困難です。しかし、再生可能エネルギーの導入拡大や蓄電池の活用、容量市場の導入などにより、価格の安定化が期待されています。再生可能エネルギーの導入が進むことで、発電コストが低減し、結果的に電力価格の安定に寄与することが見込まれます。また、蓄電池を活用することで余剰電力を貯めておき、需要が急増した際に供給することが可能になるため、価格の変動を抑える効果も期待されます。一方で、化石燃料の価格変動は今後も電力価格に大きな影響を与える要因となるでしょう。特に、地政学的リスクや化石燃料の枯渇問題などは、引き続き価格変動の要因として注視する必要があります。
電気代が安くなりやすい時間帯は?
市場連動型プランで電気代を節約するためには、料金が安くなる時間帯を把握してその時間帯に電力使用を集中させる「ピークシフト」が重要です。料金が安くなりやすい時間帯
- 深夜〜早朝(0時〜6時頃)
電力需要が低く、市場価格が下がりやすい時間帯。洗濯・乾燥・食洗機などをこの時間帯にまとめることで節約額を増やせます。 - 昼間(10時〜14時頃)
太陽光発電の発電量が多い昼間は、市場価格が大幅に下がることがあります。在宅勤務や専業主婦・主夫の家庭はこの時間帯の活用が特に有効です。
料金が高くなりやすい時間帯
- 夏の夕方(17時〜20時頃)
冷房需要がピークとなり、kWh単価が上昇しやすい時間帯。エアコンの使用を最小限に抑えるか、設定温度を少し上げるだけでも節約につながります。 - 冬の朝(7時〜9時頃)
暖房需要が一斉に集中するため、市場価格が高くなりやすい時間帯。タイマー機能を活用して暖房の立ち上げをこの時間帯より前にずらす工夫が効果的です。
電化製品によってはピークシフト機能が搭載されているものもあります。たとえば三菱電機のエコキュートは、機種によっては電気代の高い時間帯を避けて湯沸かしを行う設定ができます。そのため、湯沸かしを深夜の安い時間帯に集中させることで電気代の削減が可能です。Looopでんきやリミックスでんきは、アプリで翌日の30分ごとの電力量料金単価を事前確認できるため、節電計画を立てやすいのが特徴です。
2022〜2023年の電気代高騰と市場連動型プランへの影響
2022〜2023年も電気代が大きく上昇した時期がありました。ウクライナ情勢の影響で液化天然ガス(LNG)や石炭などの化石燃料の輸入価格が急騰し、火力発電に依存する日本の電力市場でも発電コストが増加したのです。それに連動して燃料費調整額が大幅に引き上げられ、一般家庭の電気代も2021年比で上昇しました。市場連動型プランを利用している家庭はこの高騰の影響を直接受けたケースもあり、固定プランと比べたリスクとして改めて注目されるきっかけになりました。こうした経験を踏まえ、Looopでんきでは、市場価格の高騰時に家計の負担を抑える仕組みを案内しています。市場価格が一定水準を超えた際に自動で単価を引き下げる仕組みで、市場連動型プランの高騰リスクを抑える対策として注目されています。市場連動型プランを検討する際は、こうした高騰時の対策があるかどうかも確認すると安心です。
現在は価格がある程度落ち着いていますが、地政学的リスクや異常気象・再エネ賦課金の動向によって再び変動する可能性はゼロではありません。市場連動型プランへの乗り換えを検討する際は、高騰時の対策があるかどうかを電力会社選びの重要な判断基準のひとつにしてください。
よくある質問(Q&A)
Q1.市場連動型プランに乗り換えると電気代は安くなりますか?
A1.必ず安くなるとは言い切れません。料金が安い時間帯(深夜〜早朝・昼間)に電気の使用を集中できる家庭は節約額が大きくなりやすいですが、電力消費が夕方〜夜間に集中している場合は節約効果が限定的なこともあります。まず各社の公式サイトのシミュレーターにご自宅の使用量を入力して比較してみてください。Q2.市場価格が急騰したらどうなりますか?
A2.市場連動型プランは高騰の影響を直接受けます。ただしLooopでんきでは、市場価格が高騰したときの負担を抑えるための「おまもりチケット」などの高騰対策を用意しています。TERASELでんきの「マーケットあんしんプラン」のように電力量料金単価に上限が設けられたプランを選ぶ方法もあります。Q3.太陽光発電を設置している家庭と市場連動型プランは相性がいいですか?
A3.相性は良いです。昼間の太陽光発電が多い時間帯は市場価格が下がりやすいため、自家消費しながら電気代を抑えやすくなります。蓄電池を組み合わせれば安い時間帯に蓄電して夜間に使うといった運用もでき、電気代削減効果をさらに高められます。電気の使い方を工夫しやすいという点でも、太陽光発電と市場連動型プランの組み合わせは注目されています。Q4.どの電力会社の市場連動型プランがおすすめですか?
A4.電気代の節約を重視するならLooopでんき「スマートタイムONE」(基本料金0円・燃料費調整額0円)、高騰リスクを抑えながら乗り換えたいならTERASELでんき「マーケットあんしんプラン」(電力量料金単価に上限あり)が比較の出発点になります。契約条件はプランごとに異なるため、事前に確認しておくと安心です。Q5.市場連動型プランに向いていない家庭はどんな家庭ですか?
A5.毎月の電気代を安定させたい家庭や、電気を使う時間帯を調整するのが難しい家庭には不向きです。毎月の電気代の変動が家計に響きやすい家庭や、電気を使う時間帯を調整しにくい家庭には、固定料金型や上限付きの市場連動型プランを選ぶほうが安心です。まとめ
市場連動型プランは、JEPXの市場価格に連動して電力量料金単価が変動する仕組みです。高騰時には家計負担が増えるリスクもありますが、料金が安い時間帯に使用を集中させる「ピークシフト」ができる家庭には節約効果が期待できます。2026年現在、Looopでんき・TERASELでんき・リミックスでんきなどが主な提供事業者で、高騰対策の上限設定や専用アプリでの単価確認機能など各社独自の工夫があり、乗り換えのハードルも下がっています。
太陽光発電がある家庭は、昼間の発電量が多い時間帯に市場価格が下がりやすいため、市場連動型プランとの相性が特によいといえます。蓄電池やV2Hと組み合わせれば、安い時間帯の電力を蓄えて夜間に使うことでさらに節約効果を高められるでしょう。