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ソーラーシェアリングとは?農業と太陽光発電を両立するメリット・デメリットを解説

ソーラーシェアリングとは?農業と太陽光発電を両立するメリット・デメリットを解説

農地の上に太陽光パネルを設置し、農業と発電を同時に行う「ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)」が注目されています。2023年末時点で国内の導入事例は6,000件を超え、農業収入に加えて売電収入を得る手段として農業従事者の間での関心が高まっています。この記事では、ソーラーシェアリングの仕組み・メリット・デメリット・導入方法をわかりやすく解説します。

【この記事の結論】
ソーラーシェアリングとは、農地の上部に太陽光パネルを設置し、農業と発電を同時に行う仕組みです。収益の多角化・電力の安定供給・環境貢献などのメリットがある一方、導入コストの高さや農地転用許可の手続きが必要といったデメリットもあります。導入には農林水産省への一時転用許可申請が必要で、補助金やローンの活用も検討しましょう。

ソーラーシェアリングとは?

ソーラーパネル

仕組みと基本的な考え方

ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)とは、農地の上部空間に太陽光パネルを設置し、農業と太陽光発電を同時に行う仕組みです。農作物の生育に必要な日照量を確保しながら、余剰の太陽光エネルギーを電力に変換します。発電した電力は農業用機械や設備の電力として自家消費したり、電力会社に売電したりすることができます。

農地の上部と下部でそれぞれ「発電」と「農業」を行うことから、限られた土地資源を有効活用できるのが大きな特徴です。通常の太陽光発電と異なり、農地としての機能を維持したまま発電事業を行えるため、農業従事者が新たな収入源を確保する手段として注目されています。

日本における普及状況

2023年度末時点で、国内のソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)の一時転用許可件数は累計6,137件に及び、設備下部の農地面積は約1,361.6haまで拡大しています(※)。近年は導入件数・導入面積ともに増加が続いており、全国各地で導入が進んでいます。

※出典:農林水産省「営農型太陽光発電設備の許可件数等の推移」

ソーラーシェアリングのメリット

農業と太陽光発電を組み合わせることで、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。収益面・実用面・環境面から5つのポイントをご紹介します。

収益の多角化と安定

ソーラーシェアリングの最大のメリットのひとつが、農業収入に加えて売電収入を得られる点です。農業は天候や市場価格に収入が左右されやすい一方、太陽光発電はFIT制度(固定価格買取制度)または条件によってはFIP制度(Feed-in Premium制度)を活用することで、売電収入を得ることができます(※1)。2つの収入源を持つことで、農業経営リスクの分散につながります。

※1 出典:資源エネルギー庁「FIT・FIP制度|制度の概要」


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電力供給の安定性

農業においては、灌漑ポンプや農業機械、ビニルハウスの温度管理など、様々な場面で電力が必要です。ソーラーシェアリングで発電した電力を農業用途に自家消費することで、購入する電力量を削減でき、電気料金も抑えられます。

緊急時のバックアップ電源になる

蓄電池を組み合わせることで、停電時や自然災害時にも電力を確保できます。特に農業では、停電による冷蔵保管機器の停止や、ビニルハウスの温度管理システムの停止が農作物に致命的なダメージを与えることがあります。緊急時のバックアップ電源として太陽光発電を活用できる点は、農業経営の安定性向上につながります。

環境・土壌への好影響

太陽光パネルが日射を遮ることで、パネル下の地面や土壌の温度が上昇しにくくなります。その結果、土壌中の水分蒸発が抑えられるため、乾燥しやすい季節や地域では土壌水分の維持に役立つ場合があります(※2)。また、CO2を排出しないクリーンな発電方法であるため、持続可能な農業の実現にも貢献します。

※2 出典:農林水産省「営農型太陽光発電について」

農地の固定資産税を維持できる

通常の太陽光発電のために農地を転用すると宅地扱いとなり、固定資産税が大幅に上がります。ソーラーシェアリングは農地の「一時転用」扱いのため、土地は農地のまま維持でき、農地として課税されるケースが一般的です。これは農地オーナーにとって大きな経済的メリットといえます。

ソーラーシェアリングのデメリット・注意点

メリットが多いソーラーシェアリングですが、導入前に知っておくべきデメリットや注意点もあります。導入後に後悔しないよう、以下の3点をしっかり確認しておきましょう。

導入コストが高い

ソーラーシェアリングは通常の地上設置型太陽光発電よりも設置コストが高くなります。農作物の上部にパネルを設置するための高い支柱や特殊な架台が必要なため、通常の太陽光発電より導入費用がかさみます。目安として数百万円〜数千万円程度の初期投資が必要で、費用対効果を慎重に検討する必要があります。

農作物への影響に注意が必要

パネルで太陽光が遮られることで、日照量が少なくなり農作物の生育に影響が出る場合があります。すべての作物がソーラーシェアリングに適しているわけではなく、比較的日陰に強い作物(茶・ネギ・ほうれん草など)が向いているとされています。導入前に栽培する作物の日照条件を十分に確認することが重要です。

農地転用許可の申請が必要

ソーラーシェアリングを行うには、農林水産省の定める農地法に基づく一時転用許可の申請が必要です(※)。許可を受けるための主な条件は以下の通りです。

  • 発電設備は簡易な構造で容易に撤去できる支柱であること
  • 一時転用許可を得る面積が必要最小限であること
  • 下部農地での営農が適切に継続されること

一時転用許可の期間は、原則として3年以内です。ただし、認定農業者等が営農を行う場合や、第2種農地・第3種農地を活用する場合など、一定の条件を満たす場合は10年以内とすることができます。また、一時転用許可の期間満了後も、営農が適切に継続されていることなどが確認されれば、再度許可を受けることが可能です。

※出典:農林水産省「再生可能エネルギー発電設備を設置するための農地転用許可」

ソーラーシェアリングの導入方法

実際にソーラーシェアリングを導入する際は、どのような手順で進めればよいのでしょうか。農地転用許可の申請から資金調達まで、導入の流れをわかりやすく解説します。

農地への太陽光パネルの設置

ソーラーシェアリングの設置は、大きく以下の手順で進みます。

  1. 農業委員会への相談・事前確認:設置予定の農地が一時転用許可の対象となるか確認します
  2. 農地転用許可申請:農業委員会を経由して、都道府県知事等へ農地転用許可申請を行います
  3. FIT認定申請:売電を行う場合は経済産業省へのFIT認定申請が必要です
  4. 設計・施工:専門業者による設計・施工を行います
  5. 営農の継続確認:設置後も適切な営農が行われているか定期的な報告が求められます

農地の種別によっては転用許可が下りないケースもあるため、まずは農業委員会や農政局への事前相談が重要です。

資金調達の方法

ソーラーシェアリングの導入費用の調達方法としては、以下が一般的です。

  • 自己資金
    最もシンプルな方法ですが、数百万円〜数千万円の初期費用が必要なため、自己資金のみでの調達は難しい場合があります。

  • 銀行ローン・農業系金融機関
    日本政策金融公庫などの農業系金融機関では、農業・再生可能エネルギー関連の融資制度を提供しています。

  • 補助金の活用
    国や自治体で、関連する補助制度が実施される場合があります。制度は年度によって変わるため、導入時に最新情報を確認しましょう。

  • クラウドファンディング・投資家からの出資
    近年は再生可能エネルギー関連のクラウドファンディングも活用されています。

よくある質問(FAQ)

Q1.ソーラーシェアリングはどんな農地でも設置できますか?

A1.すべての農地に設置できるわけではありません。農地法に基づく一時転用許可が必要で、農地の種別によっては許可が下りないケースもあります。まずは農業委員会や農政局に相談することをおすすめします。

Q2.ソーラーシェアリングに向いている作物はどれですか?

A2.比較的日陰に強い作物が向いています。茶・ネギ・ほうれん草・レタス・三つ葉などが代表例です。一方、十分な日照を必要とするコメや小麦などの栽培では、パネルの配置や密度を慎重に設計する必要があります。

Q3.ソーラーシェアリングの売電収入はどのくらいですか?

A3.設置規模や発電量・FIT買取価格によって異なります。FIT制度またはFIP制度の対象となる場合、認定時の買取価格で一定期間(原則20年)売電できます。導入前に専門業者によるシミュレーションを行い、収支計画を立てることが重要です。

Q4.ソーラーシェアリングの導入にはどのくらいの期間がかかりますか?

A4.農地転用許可申請やFIT認定申請、設計・施工の期間を含めると、一般的に1年前後かかるケースが多いです。農地の種別や行政の審査状況によっても変わるため、余裕を持ったスケジュールで進めることをおすすめします。

まとめ

ソーラーシェアリングは、農業収入と売電収入を組み合わせることで収益を多角化しながら、環境にも貢献できる取り組みです。導入事例は国内で4,000件を超え、大企業の参入も進むなど注目が高まっています。

一方で、導入コストの高さや農地転用許可の手続き、農作物への日照影響など、事前に確認すべき点も多くあります。導入を検討する際は、農業委員会への相談や専門業者によるシミュレーションを通じて、収支計画をしっかり立てた上で進めることが重要です。
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ソーラーメイト編集部

太陽光発電と再生可能エネルギーに関する深い専門知識を持つレネックス株式会社のスタッフが、最新の情報や役立つ知識を発信しています。

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