目次
停電中に太陽光発電の電気を使うには、まず太陽光発電用のブレーカーの場所を確認し、自立運転モードへの切り替え操作を行う必要があります。多くの設備では自動で切り替わらないため、ブレーカーの操作とパワコンの運転スイッチの切り替えという2つの作業が欠かせません。また、停電が復旧した際には、自立運転モードから元の連系運転モードへ正しい順序で戻す作業も必要です。
自立運転モードについての基礎的な説明については、以下の記事をご覧ください。
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太陽光発電のブレーカーの場所を確認しよう
太陽光発電用ブレーカーは分電盤の中にある
太陽光発電用のブレーカーは、多くの場合、家庭の分電盤(ブレーカーボックスのこと。主電源ブレーカーや各部屋のブレーカーが並んでいる箱)の中に設置されています。多くの場合、「太陽光発電」「太陽光」「PV」といったラベルが付いたブレーカーとして、主電源ブレーカーの近くにまとめて配置されています。分電盤自体の設置場所は住宅によって異なりますが、代表的な設置場所としては玄関や脱衣所、洗面所、クローゼットの中などがよく見られます。パワーコンディショナ(パワコン)が分電盤の近くに設置されている住宅も多いため、パワコンの設置場所を覚えておくと、分電盤を探す際の参考になります。
平常時に分電盤の位置を確認しておこう
賃貸住宅や引っ越し直後など、ご自宅の分電盤の位置がまだわからない場合は、停電時に慌てて探すのではなく、平常時のうちに一度確認しておくことをおすすめします。分電盤のカバーを開けると、複数のブレーカーが並んでおり、それぞれに「主電源」「太陽光発電」「エアコン」といった名称が記載されたラベルが貼られているケースが一般的です。ラベルが見当たらない場合や、どのブレーカーが太陽光発電用か判断できない場合は、お手持ちの取扱説明書を確認するか、施工業者に問い合わせて確認しておきましょう。太陽光発電用のブレーカーの位置を事前に把握しておくことで、次章以降で解説する自立運転モードへの切り替え操作を、停電時にも比較的スムーズに行うことができます。
自立運転モードに切り替える前に確認すべきこと
手動切り替え型か自動切り替え型かを確認
停電が発生した際、太陽光発電システムが自動的に自立運転モードへ切り替わるのか、それとも手動での操作が必要なのかは、設備の種類によって異なります。蓄電池と連携したシステムや一部の新しいパワーコンディショナでは、停電時に自動的に切り替わるタイプもありますが、多くの既存設備では人の手による切り替え操作が必要です。ご自宅の設備がどちらのタイプかわからない場合は、まずパワーコンディショナの型番や設定画面を確認しましょう。本記事では、手動で切り替える場合の具体的な操作手順を中心に解説します。
取扱説明書・パワコンの機種を確認しておく
操作手順はメーカーや機種によって細部が異なる場合があります。停電時に慌てないよう、平常時のうちにお手持ちのパワーコンディショナの取扱説明書を確認し、操作パネルの位置やスイッチの名称を把握しておくことが大切です。取扱説明書が見つからない場合は、メーカーの公式サイトから機種名で検索するか、施工業者に問い合わせて確認しておきましょう。自立運転モードへの切り替え手順(手動の場合)
停電が発生した際の基本的な手動切り替えの手順は、以下のとおりです。主電源ブレーカーと太陽光発電ブレーカーを切る
停電が発生したら、まず家庭の主電源ブレーカーをオフにします。これにより、太陽光発電システムと電力会社の系統との接続を遮断します。続けて、太陽光発電システム専用のブレーカーもオフにします。これは、停電中に発電した電力を誤って外部(電力会社の系統)に流出させないための重要な操作です。パワコンの運転モードを自立運転に切り替える
次に、パワーコンディショナの運転モードを自立運転へ切り替えます。一般的な操作の流れは以下のとおりです(※機種によって手順が異なります)。- 運転スイッチを切る
- 外部のサービスブレーカーを切る
- 再度運転スイッチを入れる
この操作によって、パワーコンディショナが自立運転モードで稼働を始めます。機種によっては専用の切り替えスイッチや操作パネルのボタンで直接切り替えられるものもありますので、取扱説明書の表記に従って操作してください。
※出典:資源エネルギー庁「太陽光発電設備の自立運転機能の周知について(PDF)」
自立運転用コンセントの位置を確認して使用開始する
自立運転モードに切り替わったら、パワーコンディショナに備え付けられている自立運転用コンセントから電気を取り出すことができます。普段家庭で使っているコンセントとは別の、専用コンセントである点に注意してください。使いたい家電がある場所とパワーコンディショナの設置場所が離れている場合は、延長コードや電源タップをあらかじめ用意しておくと、停電時にもスムーズに家電を使用できます。
自立運転モードの終わり方(停電復旧後の手順)
停電が復旧したら、自立運転モードから元の連系運転モードへ戻す作業が必要です。切り替え忘れたままにしておくと、余剰電力の売電ができない状態が続くことがあります。復旧後は、取扱説明書の順序に合わせて早めに元のモードに戻しましょう。手順は機種によって異なりますが、一般的な流れは以下のとおりです。
- 停電が復旧したら運転スイッチを切る
- 連系ブレーカーをオンにする
- 再度運転スイッチを入れる
- 太陽光発電用ブレーカーの電源を入れる
- メインブレーカーの電源を入れる
この順序を守ることで、太陽光発電システムが安全に通常の連系運転モードへ復帰し、発電と売電が正常に行われる状態に戻ります。手順を誤ると正常に系統と連系できない場合があるため、取扱説明書の順序を必ず確認しながら作業を行ってください。
※出典:資源エネルギー庁「太陽光発電設備の自立運転機能の周知について(PDF)」
操作時の注意点・留意点
自立運転モードを利用する際は、以下の点に注意しましょう。太陽光発電システムの容量に注意する
自立運転モードで同時に使用できる電力は、最大1,500W程度が利用可能な目安です。容量を超える家電を同時に使用すると、自動的に運転が停止することがあります。複数の家電を同時に使いたい場合は、消費電力の合計を事前に計算しておくことが大切です。節電を心がける
太陽光発電の発電量は日射量によって変動します。曇りや雨の日は晴天時と比べて発電量が少なくなるため、自立運転モードを利用する際は、普段以上に節電を心がける必要があります。延長コード・電源タップを準備しておく
自立運転用コンセントはパワーコンディショナに直接付いているため、使いたい家電の設置場所まで届かないケースも多くあります。長めの延長コードと電源タップを事前に準備しておくと、停電時に家電を移動させる手間を省くことができます。必要な場合は電力会社・施工業者に連絡する
長期にわたる停電や、自立運転モードへの切り替え操作がうまくいかない、設備に異常が見られるといった場合は、無理に操作を続けず、電力会社や施工業者に相談しましょう。※出典:資源エネルギー庁「太陽光発電設備の自立運転機能の周知について(PDF)」
よくある質問(Q&A)
Q1.自立運転モードへの切り替え操作中に感電のリスクはありますか?
A1.自立運転用コンセントには発電中の電気が供給されています。操作自体は取扱説明書に従って正しい手順で行えば安全ですが、ブレーカーやスイッチを操作する際は、濡れた手で触れないなど基本的な感電対策を心がけてください。不安な場合は施工業者に確認しましょう。Q2.自立運転モードへの切り替えに失敗した場合はどうすればいいですか?
A2.手順通りに操作しても切り替わらない場合は、パワーコンディショナ自体の故障や設定の問題が考えられます。無理に操作を繰り返さず、取扱説明書のトラブルシューティング項目を確認するか、施工業者やメーカーのサポート窓口に相談してください。Q3.復旧後にすぐ元のモードに戻さないとどうなりますか?
A3.すぐに戻さなくても安全上の大きな問題はありませんが、連系運転モードに戻すまでは余剰電力の売電ができない状態が続きます。気づいたタイミングで早めに手順に沿って戻すことをおすすめします。Q4.切り替え作業は誰でもできますか?
A4.基本的にはご家庭でも操作可能な設計ですが、機種によって操作方法が異なるため、事前に取扱説明書を確認しておくことが前提です。操作に不安がある場合や、ブレーカー操作に慣れていない場合は、施工業者に立ち会いを依頼することも検討してください。自立運転モードについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
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まとめ
停電中に太陽光発電の電気を使うには、自立運転モードへの切り替え操作が欠かせません。多くの設備では自動的に切り替わらないため、ブレーカーの操作とパワーコンディショナの運転スイッチの切り替えという手順を、平常時から確認しておくことが重要です。また、停電が復旧した後は、自立運転モードから連系運転モードへ正しい順序で戻す作業も忘れずに行いましょう。容量や天候による発電量の変動にも注意しながら、いざという時に慌てず操作できるよう、日頃から手順を把握しておくことをおすすめします。