目次
再生可能エネルギーとは?
再生可能エネルギーとは、資源に限りのある化石燃料とは異なり、一度利用しても再生が可能であり、資源が枯渇せず繰り返し利用できるエネルギーのことです。再生可能エネルギーが必要とされている理由としては大きく分けて2つあります。① 環境にやさしい
再生可能エネルギーは、発電時に地球温暖化の原因となるCO2を排出しないため、環境にやさしいエネルギー源です。地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定のもと、日本はCO2削減目標を掲げており、その実現に向けて再生可能エネルギーの導入拡大が強く求められています。特に「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入拡大は国家的な最優先課題のひとつとなっています。
CO2の削減目標
| 2030年目標 | 2050年ネットゼロ |
|---|---|
| 温室効果ガスを-46%(2013年度比)(さらに、50%の高みに向け、挑戦を続けていく) | 表明済み |
環境のためにも、再生可能エネルギーは非常に重要視されているエネルギーです。
② エネルギー自給率の向上
日本のエネルギー自給率をご存じでしょうか?日本のエネルギー供給は石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料が約81%を占めています。そのほとんどを海外からの輸入に頼っているため、日本のエネルギー自給率は2023年度で15.3%と、海外と比べてとても低い数値です(※)。これは東日本大震災以降で最高水準ではあるものの、G7諸国の中では依然として最低水準にあります。電気代の高騰で実感している方もいらっしゃると思いますが、化石燃料を海外からの輸入に頼っている日本にとって、安定したエネルギー供給は大きな課題です。エネルギー安全保障の強化とエネルギーミックスの多様化という観点からも、純国産エネルギーである再生可能エネルギーの活用が必要とされています。
※出典:経済産業省「2023年度エネルギー需給実績(確報)」
再生可能エネルギーの種類
前述の通り、再生可能エネルギーはこれからの日本のエネルギー供給として非常に重要視されています。日本では一体どのような再生可能エネルギーが活用されているか、代表的な物を5つご紹介いたします。1.太陽光発電
太陽光発電は、日本を代表する再生可能エネルギーです。シリコン半導体などに光が当たると電気が発生する現象を利用し、太陽の光エネルギーを太陽電池により直接電気に変換する発電方法です。エネルギー源が太陽光であり、屋根などの未利用スペースに設置できるため導入しやすいシステムといえます。また、災害時には貴重な非常用電源として使うことができます。近年は、FIT制度・FIP制度による普及促進に加えて、軽量・フレキシブルで様々な場所に設置できる「ペロブスカイト太陽電池」の実用化も進んでおり、今後さらなる普及が期待されています。
2.風力発電
風力発電は、風のエネルギーを電気エネルギーに変換します。陸上と洋上で発電が可能ですが、日本では現状陸上風力の設置が進んでいます。太陽光発電と異なり、風さえあれば夜間でも発電ができるのが特徴です。一方、四方を海に囲まれた日本では「洋上風力発電」への期待が高く、政府は2030年までに1,000万kW、2040年までに3,000万〜4,500万kWの導入目標を掲げており、今後の主力電源のひとつとして開発が加速しています(※)。
しかし日本の風力発電コストは高止まりになっているため、開発段階での高い調整コストが課題となっているのが現状です。
※出典:資源エネルギー庁「エネルギー基本計画③ 再生可能エネルギー(3)高い経済性が期待される風力発電」
3.水力発電
水力発電というと、大きなダムを想像する方も多いのではないでしょうか?近年では中小水力発電の建設が活発化しています。中小水力はさまざまな規模があり、河川の流水を利用したり、農業用水や上下水道を利用する場合もあります。特徴としては、- 自然条件によらず一定の電力を安定に供給できる
- 長期稼働ができる
といった点があげられます。
4.地熱発電
日本は火山帯に位置するため、東北や九州を中心に地熱発電所を展開しています。発電量はまだ少ないものの、昼夜問わず安定した発電ができる発電設備です。天候に左右されず24時間安定して発電できる「ベースロード電源」として位置づけられており、日本は世界第3位の地熱資源量を持つことから、今後のさらなる活用が期待されています。
5.バイオマス
バイオマスとは、動植物などから生まれた生物資源の総称です。バイオマス発電では、この生物資源を「直接燃焼」したり「ガス化」するなどして発電します。未活用の廃棄物を燃料とするバイオマス発電は、再生可能エネルギーであるだけでなく、廃棄物の再利用や現象にも繋がります。
その他の再生可能エネルギー
上記5つの再生可能エネルギー以外にも、- 太陽熱利用
- 雪氷熱利用
- 温度差熱利用
- 地中熱利用
- 空気熱
などの再生可能エネルギーが存在します。
また、海の波の上下動(波力)、潮の満ち引き(潮汐)、海流エネルギー(潮流)を利用した発電の研究も進められています。
再エネの「今」が体験できる「次世代エネルギーパーク」ってなに?
日本のエネルギー問題への理解を深める目的で、再生可能エネルギーの発電施設や研究所の見学ができる「次世代エネルギーパーク」という施設があります。国が認定したこの施設は、2026年3月時点で全国64自治体に設置されています。北海道地方|稚内市次世代エネルギーパーク
例えば、北海道の稚内にある「稚内市次世代エネルギーパーク」では、全国有数の風況地である特性を活かした風力発電が進んでおり、広大な宗谷丘陵にそびえる57基の風車を見ることができます。また、雪氷冷熱エネルギーを利用した「雪氷冷熱自然利用貯蔵庫」や、約5,000kWの出力を誇る太陽光発電施設「稚内メガソーラー」も見学できます。
近畿地方|若狭湾次世代エネルギーパーク
福井県の「若狭湾次世代エネルギーパーク」では、自然エネルギーを利用した水素製造や、IoTを活用して電力の需給調整を行うVPP(仮想発電所)などを体験型施設で学ぶことができます。また、木質チップを燃料に発電する、日本トップクラスのバイオマス発電施設「敦賀グリーンパワー発電所」も見学できます。
関東甲信越地方|浜松市次世代ダイバーシティエネルギーパーク
日本トップクラスの日照時間と豊かな自然に恵まれる浜松市では、日本最大級の発電量を誇る「佐久間ダム」が目玉です。生活と環境をテーマにした「シーサイドゾーン」、太陽と風をテーマにした「レイクゾーン」、森と水をテーマにした「フォレスト・リバーゾーン」に区分され、さまざまな施設を1日で見学できるコースがあります。
再生可能エネルギーの課題とは
発電量が自然環境に左右されコントロールができない
再生可能エネルギーの課題の一つは、安定した発電量の確保が難しいことです。太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、自然状況に左右され、天候や季節によって発電量が変動します。特に風力発電は風の強さに依存しており、風のない日や弱い風の日には十分な発電ができません。同様に、太陽光発電は晴天時に効率的に発電できますが、曇りや夜間では発電量が減少します。安定した発電量を確保するためには、蓄電技術やエネルギーのバランスを考慮した運用が必要になります。
また、再生可能エネルギーを電力網に安定的につなぐ「系統連系」の整備や、電力の需給調整を行うスマートグリッドの活用も、普及に向けた重要な課題となっています。
発電コストが高額になりやすい
日本における再生可能エネルギーの導入コストは、世界と比較して高いとされています。以下が、その理由です。
物価の高さ
日本は物価が高いため、再生エネルギーを利用するための必要な設備(太陽光パネルや風力発電機)の価格も高くなっています。
人件費の高さ
日本の人件費は相対的に安くなってきましたが、それでも世界的に見て高いため、工事の施工費用が上昇します。物価の高さと合わせて、発電コストが増加する要因となっています。
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設置場所に制限がある
日本は地形が狭く、再生可能エネルギーの発電に適した土地が限られています。自然災害(台風や地震)が多発するため、設備の維持や修理に多額のコストがかかります。日照時間が短いことも太陽光発電に不利な要因です。再生可能エネルギーの普及には蓄電技術が必要?
再生可能エネルギーをさらに普及させるためには、蓄電技術の発展が必要になります。発電した電力をリチウムイオン電池などの蓄電システムに蓄えることで、天候に左右されない安定した電力供給が可能となり、余剰電力の有効利用やエネルギーの地産地消にもつながります。電力のピークカットと余剰電力の有効利用
再生可能エネルギーは時として、ピーク時に十分な電力を供給できないことがありますが、蓄電技術を使用することで、ピーク時の電力需要を補い、電力の浪費を減らすことができます。また、再生可能エネルギーが必要な電力量を超えて発生した場合、その余剰エネルギーを蓄電して必要な時に利用することができます。
家庭の太陽光発電でも蓄電池は有効?
家庭用の太陽光発電システムでも、蓄電池をあわせて導入することは非常に有効です。近年、電気代の高騰によって発電した電力を売電するよりも、自家消費にまわすご家庭が多くなってきました。太陽光発電システムだけでは電力を蓄えることができません。そこで蓄電池システムを取り入れることで、昼間に発電した電力を蓄電池に貯めておき、夜間に使うことで電力会社から購入する電力量を削減することができます。
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よくある質問(FAQ)
Q1.再生可能エネルギーと自然エネルギーは同じ意味ですか?
A1.ほぼ同じ意味で使われることが多いですが、厳密には少し異なります。「自然エネルギー」は太陽光・風力・水力など自然の力を利用するエネルギーを指す一般的な表現です。「再生可能エネルギー」は、太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱・その他の自然界に存在する熱・バイオマスなど、永続的に利用できる非化石エネルギー源を指します。日本の法律(再エネ特措法)では太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスの5種類が再生可能エネルギーとして定義されています。
Q2.日本で一番普及している再生可能エネルギーは何ですか?
A2.太陽光発電です。2012年のFIT制度(固定価格買取制度)導入以降、住宅用・事業用ともに普及が進み、日本の累積導入量は中国・米国に次いで世界第3位の水準に達しています。屋根などの未利用スペースに設置できる手軽さが、他の再エネと比べて導入しやすい最大の理由です。Q3.再生可能エネルギーのデメリットは何ですか?
A3.主に3つあります。① 天候や季節によって発電量が変動し、安定供給がむずかしい
② 日本では設備の導入コストが世界平均と比べて高い
③ 設置に適した土地が限られており、特に日本のような地形では場所の確保がむずかしい
これらの課題に対しては、蓄電池との組み合わせや系統連系の整備、技術革新によるコスト低下が解決策として進められています。