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2024年09月03日

ZEBとは?導入事例やメリット・デメリットをわかりやすく解説します!

ZEBとは?導入事例やメリット・デメリットをわかりやすく解説します!

近年、地球温暖化が深刻化するなかで、私たちの住まい環境に対する意識が高まっています。そんな今、注目を集めているのがZEB(ネト・ゼロ・エネルギー・ビル)です。環境への負荷を大幅に低減することができるとされ、国も普及を促進しているZEBについて詳しくご紹介します。

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ZEB(ゼブ)とは、オフィス・学校・工場・病院などの非住宅建築物で、快適な室内環境を保ちながら、省エネ(外皮・設備)を徹底し目指す考え方。


太陽光発電などの創エネも組み合わせて年間の一次エネルギー消費量を実質ゼロに近づけていくことを目標とします。ポイントは「基準一次エネルギー消費量に対する削減率」で区分(ZEB Ready / Nearly ZEB / 『ZEB』など)される点にあります。

新たな概念のビル、ZEBの特徴とは

高層ビル

ZEBはどんな建物なの?

ZEBとは、「Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)」の略で「ゼブ」と呼ばれます。 太陽光発電などの再生可能エネルギーで、建物で消費するエネルギーをまかなうことで、年間のエネルギー収支をゼロにすることを目指した建物のことです。従来の建物とは異なり、ZEBは高断熱・高気密な構造や、太陽光発電などの設備を導入することで、エネルギーの消費を大幅に削減します。また、これまでのように我慢して省エネするのではなく、室内環境の快適性も重視されています。


ZEBの導入は、地球温暖化対策やエネルギーコストの削減に貢献するだけでなく、快適な居住空間を提供することも期待されています。

ZEBとZEHとの違いは?

ZEHは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略で、住宅に特化した用語です。


用語 主な対象 ポイント 詳しく
ZEB 非住宅(ビル・学校・工場等) 一次エネルギー削減率(再エネ除く/含む)で区分(Ready / Nearly / 『ZEB』 / Oriented) (本記事)
ZEH 住宅(戸建て等) 住宅向けのネット・ゼロ・エネルギー概念(ZEBとは対象が違う) ZEH住宅(太陽光なし)
ネットゼロ 企業・社会全体/製品など幅広い “ゼロ”の対象(CO₂/エネルギー等)が文脈で変わるため、定義の切り分けが重要 ネットゼロとは
省エネ住宅 住宅 住宅の省エネ性能を高める考え方(非住宅のZEBとは評価軸が別) 省エネ住宅
ゼロエミ住宅 住宅(自治体制度の文脈が多い) 制度・地域要件が絡みやすい“ゼロ系”の概念(ZEBとは別軸) ゼロエミ住宅

ZEHは、高断熱化や高効率設備でエネルギー消費量の削減を図り、再生可能エネルギーの導入により、年間のエネルギー収支をゼロにすることを目指した住宅のことです。
つまりZEBが商業ビルや学校、官公庁舎や工場といった、住宅以外の建築物を指すのに対し、ZEHは戸建てやマンションなどの一般住宅のことを言います。
なお、ZEBとZEHが同一の建物、つまり商業テナントなど非居住区域と住宅区域が一緒に入っている建物の場合は、住宅区域を除いた建物部分のみをZEBとみなします。

<参考>2030年には新築建築物のZEB水準を確保へ
政府は2050年のカーボンニュートラル実現に向け、脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方に関するロードマップを定めています。その中期目標として、2030年に新築建築物においてZEB水準の確保が挙げられています。 参考:環境省

ZEBを実現する技術とは

ZEBを実現するためには、主に三つの技術が使われます。

ZEB

引用:環境省

①パッシブ技術

建物の設計や構造でエネルギー消費を抑える方法です。具体的には、高断熱や高気密の壁や窓、日射遮蔽、自然光の利用、自然換気などがあり、暖房や冷房に必要なエネルギーを大幅に減らすことができます。

②アクティブ技術

高効率の設備を使ってエネルギーの消費を抑える方法です。例えば、高効率な空調システムや照明、給湯器などを使用することで、少ないエネルギーで同じ効果を得ることができます。

③創エネ技術

再生可能エネルギーを利用して建物で使うエネルギーを自ら生み出す技術です。太陽光発電や地熱利用、バイオマス発電などがあります。

これら3つの技術を組み合わせることで、建物のエネルギー消費を大幅に削減し、不足するエネルギーは再生可能エネルギーで賄うことができます。

ZEBはいくつか種類がある

ZEBには、段階的にいくつか種類があります。その違いを見てみましょう。


引用:環境省

区分 要件(一次エネルギー削減) ポイント
『ZEB』 再エネ除く:50%以上
再エネ含む:100%以上
省エネで土台を作り、創エネで“実質ゼロ超”まで到達
Nearly ZEB 再エネ除く:50%以上
再エネ含む:75%以上100%未満
創エネ量が確保しにくい建物の現実解になりやすい
ZEB Ready 再エネ除く:50%以上 まず省エネ(外皮・設備)を徹底する段階
ZEB Oriented (延床面積1万㎡以上等)
事務所・学校・工場等:40%以上
ホテル・病院・百貨店等:30%以上
大規模建物向けの段階(用途で基準が異なる)

※再生可能エネルギー(創エネ)は、原則「敷地内(オンサイト)」の設備が対象です。


ZEBがもつメリットについて

ランニングコストの削減

ZEBは、高断熱・高気密な建物構造や高効率な設備を採用することで、結果として、電気代やガス代といった光熱費を大幅に削減することができます。特に、原油価格の高騰が続く中、エネルギーコストの削減は、経営や生活の安定に大きく貢献します。 また、ZEBは、再生可能エネルギーを積極的に活用するため、エネルギー価格の変動リスクを低減させる効果も期待できます。

快適な室内環境の実現

ZEBは、単にエネルギー効率が良いだけでなく、住む人にとって快適な空間を提供します。 高性能な断熱材や遮熱ガラスを採用することで、外気温の影響を受けにくく、一年を通して快適な室温を維持できます。そして、適切な換気システムによって室内の空気も常に清浄に保たれます。このような快適な室内環境は、居住者の健康増進や生産性向上にもつながると考えられています。

環境への貢献

ZEBは、CO2排出量を大幅に削減できるため、地球温暖化対策に大きく貢献します。化石燃料の使用を減らし、再生可能エネルギーの利用を促進することで、温室効果ガスの排出量を抑制します。また、ZEBは、SDGs(持続可能な開発目標)の達成にも貢献すると言えるでしょう。

資産価値の向上

ZEBは、ランニングコストが低く、環境性能が高いことから不動産としての価値も高まります。ZEBの認定を取得した建物は、一般の建物と比較して、売却価格や賃貸料が高くなる傾向があります。 企業においては、ZEBの導入は企業イメージ向上にもつながり、優秀な人材の確保にも貢献する可能性があります。

ZEBが抱えるデメリットについて

初期投資額が高い

ZEBを実現するためには、高断熱・高気密な建物構造や、太陽光発電システムなどの高効率な設備を導入する必要があります。これらの設備は、従来の建物に比べて高価であるため、初期投資額が大幅に増えることがデメリットとして挙げられます。 特に、既存の建物をZEB化する場合は、大規模な改修工事が必要となる場合があり、費用がさらに高額になる可能性があります。

技術的な課題

ZEBの設計には、高度な技術と専門知識が求められます。高断熱・高気密な建物を設計するには、熱の移動経路を正確に把握し、適切な断熱材や気密材を選択する必要があります。 太陽光発電システムや蓄電池などの設備を効率的に配置し、建物の性能を最大限に引き出すためには、専門的な知識が不可欠です。これらの技術的な課題をクリアするためには、経験豊富な設計者や施工業者との連携が不可欠です。

制度の複雑さ

ZEBの導入を促進するため、国や地方自治体から様々な補助金や制度が提供されています。しかし、これらの制度は、対象となる事業や補助率などが複雑に設定されており、一般の建築主にとっては理解が難しい場合があります。 制度の内容は、最新の情報を把握し、適切な手続きを進める必要があります。

人材不足

ZEBの設計や施工には、高度な専門知識と経験を持つ人材が求められます。しかし、現時点では、ZEBに精通した人材は十分に確保されていません。特に、地方地域では、専門家を探すことが難しい場合もあります。人材不足は、ZEBの普及を阻む大きな要因の一つとなっています。

全国のZEB導入事例をご紹介

久光製薬ミュージアム

久光製薬ミュージアムは、佐賀県で初めてZEB認証を取得した建築物として知られ、エネルギー削減率65%、そしてエネルギー生成率38%を達成したことで合計103%を実現しています。 熱負荷を大幅に軽減する全面Low-Eガラスの採用をはじめ、意匠性を担保するため地上から見えない角度で設置した太陽光パネルを備えており、屋根の断熱強化や空調設備等の省エネ化もしています。

参照:安井建設設計事務所

広丘テラス

全国初の2万㎡を超える高層テナントオフィスビルで、Nearly ZEB認証を取得した「Hirooka Terrace」は2025年の開業に向けて建設が進んでいます。地下⽔を利⽤した熱源システムをはじめとする⾼効率設備や、屋上を中心に設置された太陽光発電により、高い環境性能を実現しています。

参照:三菱地所設計

横浜市庁舎

横浜市庁舎は、建設当時、国内最大級のZEB READYとして注目を集めました。同庁舎は、高断熱・高気密な建物構造であるのみならず、燃料電池や太陽光発電システム、地熱利用システムなどを導入することで、大幅な省エネを実現しています。 また、市民向けの環境学習施設も設けられ、市民がZEBについて学ぶことができるようになっています。

参照:横浜市

東京都葛飾区立水元小学校

葛飾区は『ゼロエミッションかつしか』を2020年に表明。当時すでに建て替え計画が挙がっていた水元小を題材にZEBの検討が開始しました。2023年7月より新校舎建設工事を開始し、2025年4月に運営を開始する予定です。施設面だけではなく、校舎の使用実態に関する先生方との意見交換やワークショップを行い、運用面も含めて「これからの公立学校のあるべき姿」を追求し、「ZEB Oriented」相当を実現することが挙げられます。

参照:東京ガス

補助金・支援制度(最新情報は公式情報で確認)

ZEBで補助金や支援制度は受けられる?

ZEBの普及を後押しするため、環境省をはじめ、国(経産省など)や自治体で補助金・支援制度が用意されています。対象経費は、設計費・設備費・工事費などが中心で、制度ごとに要件や補助率、上限、申請期間が異なります。

注意:補助制度は「年度」や「公募回」によって条件が変わるため、本文に補助率や期間を断定せず、必ず一次情報で最新状況を確認してください。

2026年度の注目ポイント

  • 公募は短期+複数回になりやすい:一次・二次公募など、締切が短いケースがあります。
  • 環境省系は複数メニューで構成:ZEB支援の中に新築・既存改修・LCCO2等、事業が分かれています(要件が別)。
  • 自治体支援は地域要件+BELS連動が多い:都道府県・市区町村で対象建物や基準が異なるため、所在地の制度も必ず確認します。

まず確認すべき一次情報(リンク集)

補助金・助成金制度は変更されることがあります。最新の要件・補助率・申請期間は、上記の一次情報(国・自治体)で定期的に確認してください。

補助金・支援制度【最新情報】


ZEB補助金

補助金・助成金制度は、年々変更されることがあります。最新の情報を把握するためには、環境省や経済産業省のウェブサイト、地方自治体のウェブサイトなどを定期的に確認することが重要です。

まとめ

ZEBは、環境問題解決の鍵となるだけでなく、私たちの生活をより快適にするためのソリューションでもあります。初期費用はかかるものの、長期的な視点で見ると、経済的なメリットも大きいと言えるでしょう。政府や自治体の補助金制度も充実しており、導入のハードルは以前よりも低くなっています。この機会に、ぜひZEBについて詳しく調べて、あなたの住まいや職場に導入することを検討してみてはいかがでしょうか。


本記事の出典元

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ソーラーメイト編集部

太陽光発電と再生可能エネルギーに関する深い専門知識を持つレネックス株式会社のスタッフが、最新の情報や役立つ知識を発信しています。

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