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2023年12月01日

太陽光発電で電気代はどのくらい安くなる?家庭別にリアルを解説

太陽光発電で電気代はどのくらい安くなる?家庭別にリアルを解説

太陽光発電で電気代がどのくらい安くなるのかを、家庭の条件別にわかりやすく解説します。仕組みや注意点、安くならない理由も整理し、初期費用とのバランスも判断しやすい内容。さらに日中の使い方やオール電化の影響など、効果が変わる要因も説明します。

目次

夜間にたくさん電気を使うご家庭や、オール電化のご家庭にオススメ!

電気代さげるなら

「太陽光発電を導入したら、電気代は本当に安くなるの?」そんな疑問をお持ちのあなたへ。電気代の高騰が続く今、太陽光発電で日々の電気料金を削減できるなら、家計にとって大きな助けになります。
この記事では、太陽光発電を導入すると電気代がどのくらい安くなるのかを、標準的な家庭のモデルケースをもとに、わかりやすく解説します。

記事を読み終える頃には、「うちの場合、どのくらい電気代が安くなりそうか」がわかるはずです。

結論|電気代はいくら安くなる?

太陽光発電を導入した家庭では、電気代が3割〜5割程度削減されるケースが一般的です。蓄電池を組み合わせれば、5割〜7割の削減も期待できます。

月々の電気代は3〜5割減が目安

標準的な4人家族(月の電気代が1万円〜1万5千円程度)の場合、太陽光発電の導入後は月3千円〜7千円程度に抑えられることが多いです。年間で6万円〜10万円以上の削減効果が期待できます。

削減率は以下の条件によって変わります。

  • 日中の電気使用量(在宅時間が長いほど自家消費が増える)
  • 屋根の条件(日照時間・方角・傾斜)
  • 太陽光パネルの容量
  • 電気料金プランと時間帯

資源エネルギー庁によれば、家庭用太陽光発電は年間を通じて安定した発電が期待できます。電力会社から買う電気を減らすことで、電気料金の負担を軽減できるとされています。

出典

電気代を安くできそうな家庭の特徴

太陽光発電で電気代削減の効果が大きくなりやすいのは、以下の生活パターンの家庭です。

  • 日中に在宅時間が長い
  • オール電化を導入している
  • 昼間の電気料金が高いプランを利用している
  • 屋根の日当たりが良い家

逆に、共働きで日中ほとんど家にいない場合でも、余った電気を売電することで収入を得られるため、トータルで見れば電気代の負担は軽減されます。

「電気代ゼロ」ではなくトータルで見る

「太陽光発電を入れたら電気代がゼロになる」と思われがちですが、実際には電気代ゼロは難しいケースが多いです。夜間や雨天時は発電しないため、電力会社から電気を買う必要があり、再エネ賦課金や基本料金も支払いが続きます。

ただし、蓄電池を組み合わせれば、昼間に余った電気を夜に使えるようになり、電力会社から買う電気をさらに減らすことが可能です。条件が揃った家庭では、光熱費全体で8割近くも削減できた事例もあります。

大切なのは、「電気代+売電収入」のトータルで家計にどれだけプラスになるかを見ることです。

電気代が安くなる3つの仕組み

太陽光発電で電気代が安くなる仕組みを、3つのポイントで整理します。

買う電気を減らす(自家消費)

太陽光発電の最大のメリットは、自宅で発電した電気をそのまま使える(自家消費)ことです。昼間、太陽が出ている時間帯に家電を動かしても、その電気は太陽光パネルが創り出した電気でまかなえます。電力会社から買う電気の量が減り、電気料金の請求額が下がります

余った電気を売る(売電収入)

日中に発電した電気を使い切れず余った場合は、電力会社に売る(売電する)ことができます

2025年度(4〜9月)の家庭用太陽光(10kW未満)の売電単価は1kWhあたり15円です。

さらに、2025年10月以降「初期投資支援スキーム」の新制度に変わっており、最初の4年間は24円/kWh、その後は8.3円/kWhという段階的な買取価格に変わります。

期間売電単価
2025年4〜9月15円/kWh
2025年10月〜(最初の4年間)24円/kWh
5年目以降8.3円/kWh

この売電収入は、実質的に電気代の負担を軽くする効果があります。

電気料金の構造と賦課金の影響

電気料金は、基本料金・従量料金・再エネ賦課金・燃料費調整額で構成されています。
太陽光発電を導入すると、従量料金の部分が大きく削減されますが、基本料金や再エネ賦課金は支払う必要があるため、「電気代がゼロ」にはなりにくいのです。

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標準家庭の電気代モデル

「平均的な家庭だと、実際にどのくらい電気代が安くなるの?」
ここでは、4人家族のモデルケースで、太陽光導入前後の電気代を見ていきます。

4人家族の電気代と使用量イメージ

総務省統計局の家計調査によれば、二人以上の世帯の平均的な月間電気代は1万円〜1万5千円程度です。 4人家族の場合、月の電気使用量は350kWh〜450kWh前後が標準的です。

太陽光導入後の電気代と削減率レンジ

標準的な4人家族が「4〜5kW程度の太陽光発電システム」を導入した場合、年間の発電量は4,500kWh〜5,500kWh程度が見込まれます。

導入後の電気代イメージ(月額)

項目導入前導入後
電力会社から買う電気約1万円〜1万5千円約4千円〜7千円
売電収入なし約1千円〜2千円
実質の電気代負担1万円〜1万5千円実質3千円〜6千円程度

削減率で見ると、30%〜50%程度が一般的です。

出典

1年・10年で見た電気代の変化

月々の削減額を年間で見ると、年間6万円〜12万円程度の電気代削減が期待できます。10年間では、60万円〜120万円の削減効果になります。

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ライフスタイル別の電気代変化

ライフスタイルによって、電気代の削減効果は大きく変わります。代表的な2つのパターンを見ていきましょう。

共働き・昼間ほぼ不在の家庭

共働きで日中に家を空けることが多い家庭では、自家消費率が20%〜30%程度にとどまるケースが一般的です。昼間に発電した電気を使う機会が少ないため、余剰電力の大部分は売電に回ります。

共働き家庭の電気代イメージ(月額)※金額は目安

  • 導入前の電気代:約1万円〜1万2千円
  • 導入後の電気代:約6千円〜8千円
  • 売電収入:約2千円〜3千円
  • 実質負担:約4千円〜6千円程度

削減率は30%〜40%程度ですが、売電収入を含めたトータルで見れば、しっかりメリットが得られます。タイマー付き家電の活用(洗濯機・食洗機を昼間に稼働)や蓄電池の導入で、自家消費を増やすことも可能です。

日中在宅・子育て家庭

日中に在宅時間が長い家庭、小さなお子さんがいる方や在宅ワークをされている方は、自家消費率が40%〜60%まで高まるケースが多く見られます。

昼間にエアコンや空調、調理家電、洗濯機などを使う機会が多いため、発電した電気をその場で消費でき、電力会社から買う電気を大幅に減らせます。

日中在宅家庭の電気代イメージ(月額)

  • 導入前の電気代:約1万2千円〜1万5千円
  • 導入後の電気代:約4千円〜7千円
  • 売電収入:約1千円〜2千円
  • 実質負担:約3千円〜6千円程度

削減率は40%〜60%に達することもあり、電気代削減の実感を得やすいタイプの家庭です。

オール電化+蓄電池の電気代インパクト

「オール電化にして、太陽光と蓄電池をセットにしたら、どこまで電気代が安くなるの?」ここでは、光熱費削減の最大値に近いケースを見ていきます。

オール電化の電気料金の内訳

オール電化住宅とは、給湯・暖房・調理など、家庭のすべてのエネルギーを電気でまかなう住宅のことです。ガス代がかからない代わりに、電気代が月々1万5千円〜2万円程度かかるのが一般的です。

オール電化の家庭は、時間帯別料金プランを契約していることが多く、昼間の電気単価が高めに設定されています。この昼間の高い電気を太陽光発電で自家消費できれば、削減効果は非常に大きくなります。

太陽光+蓄電池で自給自足に近づける

太陽光発電だけでも電気代は削減できますが、蓄電池を組み合わせることで、さらに自給自足率を高めることができます。

蓄電池の役割は、昼間に太陽光で発電した余剰電力を蓄えておき、夜間や雨天時に使うことです。

たとえば、オール電化で月々の電気代が2万円だった家庭が、太陽光+蓄電池を導入した場合、月々5千円〜8千円程度まで削減できるケースもあります。

これは削減率で見ると50%〜70%に相当し、光熱費全体で年間12万円以上の削減につながります。ただし、蓄電池には初期費用がかかるため、導入コストと削減効果のバランスを見ることが重要です。

「光熱費8割カット」ケースの注意点

「太陽光+蓄電池で光熱費が8割カットできた!」という事例を見かけることがありますが、これはかなり好条件が揃ったケースであることを理解しておいてください。

光熱費8割削減が実現しやすい条件は以下の通りです。

  • オール電化で光熱費がすべて電気代
  • 日照条件が良く、発電量が多い(南向き・傾斜30度前後)
  • 日中の在宅時間が長く、自家消費率が高い
  • 大容量の蓄電池(10kWh以上)を導入
  • 省エネ意識が高く、家電の使い方を工夫

これらの条件がすべて揃えば、電気代の大幅削減は十分に可能です。ただし、「光熱費8割削減」は目標ではなく、上限の目安として捉えるのが現実的です。

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出典

電気代があまり安くならないケース

「太陽光発電を導入したのに、電気代があまり安くならなかった…」そんな声を耳にすることもあります。ここでは、電気代削減の効果が思ったほど出ないケースを整理します。

日照・屋根条件・パネル容量の問題

太陽光発電の発電量は、日照条件に大きく左右されます。

  • 屋根の向きが北向き
  • 周囲に高い建物や樹木があり日陰になる時間が長い
  • 屋根の傾斜が極端に急または平坦
  • 積雪や曇天が多い地域

これらの条件下では発電量が期待値を下回る可能性があります。また、設置するパネルの容量が小さすぎる場合も、発電量が不足し、電気代削減の実感が得にくくなります。

電気料金プラン・賦課金・燃料費調整

電気代の削減効果は、契約している電気料金プランの構造にも影響されます。従量電灯プランで昼夜の単価差が少ない場合、自家消費のメリットが薄れます。

また、再エネ賦課金や燃料費調整額が高騰している時期は、基本料金以外の負担が増えます。

電気料金プランの見直しや、時間帯別プランへの変更を検討することで、削減効果を高められる場合もあります。

生活スタイル・家電の使い方の影響

太陽光発電の効果を最大化するには、昼間に電気を使うことが重要です。共働きで日中は完全に不在、家電のタイマー機能を使っていない、夜型の生活で昼間はほとんど電気を使わない場合などは、自家消費率が低くなりがちです。

晴れた日の昼間にできるだけ家事をまとめる、洗濯機や食洗機はタイマーで日中に稼働させるといった工夫が、削減効果を引き上げるポイントになります。

電気代以外のメリット

「太陽光発電は、電気代だけで判断していいの?」実は、太陽光発電には電気代削減以外にも、さまざまなメリットがあります。

売電収入と実質光熱費の考え方

太陽光発電を導入すると、余った電気を電力会社に売ることができます。この売電収入は、実質的に光熱費の負担を軽くする効果があります。

売電単価は年々下がっていますが、それでも10年間の固定価格買取制度(FIT)により、安定した収入が見込めます。11年目以降も、買取は継続されるため、長期的な視点で見ればメリットがあるとも言えます。

停電時の安心(太陽光+蓄電池・EV)

近年、台風や地震などの自然災害が増え、停電のリスクが身近になっています。

太陽光発電があれば、日中は自立運転モードで電気が使えるため、スマートフォンの充電や冷蔵庫の稼働など、最低限の生活を維持できます。

さらに、蓄電池や電気自動車(EV)を組み合わせると、夜間や曇天時でも蓄えた電気を使えるため、停電時の安心感が格段に高まります。

出典

初期費用と電気代削減のバランス

「電気代は安くなりそうだけど、初期費用が高いのでは?」

太陽光発電を検討する際、多くの方が抱く不安です。ここでは、費用と電気代削減のバランスの考え方を整理します。

太陽光の初期費用とランニングコスト

家庭用太陽光発電システム(4〜5kW程度)の初期費用は、100万円〜150万円程度が一般的です。

内訳は、太陽光パネル(約50万円〜80万円)、パワーコンディショナ(約20万円〜30万円)、設置工事費(約20万円〜40万円)です。

ランニングコストとしては、定期点検費用(年間1〜2万円程度)やパワーコンディショナの交換費用(10〜15年後に20万円程度)がかかります。

出典

補助金・共同購入・リースで負担を抑える

初期費用の負担を抑える方法として、以下の選択肢があります。

国や自治体が実施する補助金制度を利用すれば、初期費用を10万円〜30万円程度削減できるケースがあります。

自治体が主導する共同購入事業を利用すれば、通常よりも安い価格で導入できる場合もあります。

また、初期費用ゼロで導入し、月々のリース料として支払うリース・PPA(第三者所有モデル)も選択肢の一つです。

これらの制度を上手に活用することで、トータルコストを抑えながら太陽光発電のメリットを享受できます。

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自宅の電気代削減をセルフチェック

「うちの場合、実際にどのくらい電気代が安くなるの?」ここでは、読者自身が自宅の削減効果をざっくり確認できる3つのステップをご紹介します。

STEP1|過去1年分の電気料金を整理

まずは、過去1年分の電気料金明細を手元に集めてください。電力会社のWebサイトやアプリから、月ごとの使用量と料金をダウンロードできます。

確認すべきポイントは、月々の電気使用量(kWh)、月々の電気代(円)、契約しているプラン名、再エネ賦課金や燃料費調整額の内訳です。

年間の平均電気代が12万円〜18万円であれば、太陽光発電による削減効果は年間6万円〜10万円程度が見込めます。

STEP2|屋根条件・日中在宅・オール電化を確認

次に、自宅の条件を以下の視点でチェックしましょう。


チェック項目確認ポイント
屋根の条件向き(南向き・南東・南西が理想)、日当たり、設置スペース
日中の在宅状況在宅時間が長い→自家消費率が高い/不在→売電メイン
オール電化の有無オール電化→光熱費全体の削減効果が大きい

これらの条件を整理することで、「自分の家は太陽光向きか」「どのくらいの削減が期待できそうか」の目安がつかめます。

STEP3|シミュレーションと専門家相談

最後に、具体的な数値を確認するために、無料のシミュレーションサービス専門業者への相談を活用してください。

多くの太陽光発電業者は、住所・屋根の向き・面積・過去の電気使用量をもとに無料でシミュレーションを作成してくれます。

シミュレーションでは、「年間発電量」「自家消費量」「売電収入」「電気代削減額」などが数値で示されるため、導入後のイメージがより具体的になります。

ただし、業者によって提案内容や見積もり金額が異なるため、複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。

まとめ

ここまで、太陽光発電で電気代がどのくらい安くなるのか、さまざまな角度から見てきました。最後に、ポイントを3つにまとめます。

削減額・条件・次の一歩を3つに整理

  1. 電気代は3〜5割削減が目安
    標準的な家庭では、太陽光発電単体で月々の電気代が3割〜5割程度安くなり、蓄電池を組み合わせれば5割〜7割の削減も可能です。年間6万円〜12万円の削減効果が期待できます。

  2. 条件次第で効果は大きく変わる
    日照条件、日中の在宅時間、オール電化の有無、電気料金プランなど、複数の要素が削減効果に影響します。事前に条件を整理し、不利な要素があれば対策を検討してください。

  3. まずはシミュレーションと相談から
    「うちの場合どうなの?」を知るには、専門家のシミュレーションが一番確実です。複数の業者に相談し、納得のいく提案を選ぶことが、後悔しない導入への第一歩です。

FAQ

最後に、太陽光発電と電気代に関してよく寄せられる疑問にお答えします。

Q1:本当に電気代が安くならないことはある?

A:はい、あります。日照条件が悪い(北向きの屋根、日陰が多い)、パネル容量が小さすぎる、日中にほとんど電気を使わない生活スタイルの場合、削減効果が薄くなることがあります。導入前に、業者による現地調査とシミュレーションをしっかり受けることが大切です。

Q2:電気代高騰の今、導入は遅くない?

A:むしろ今が好機です。電気代が高騰している今こそ、太陽光発電で自家消費する価値が高まっています。

売電単価は下がっていますが、電力会社から買う電気の単価も上がっているため、自家消費による削減効果は以前より大きくなっています。補助金や共同購入制度も活用すれば、初期費用の負担も抑えられます。

Q3:蓄電池をセットにしないと損?

A:必ずしもセットにする必要はありません。蓄電池があれば自給自足率は高まりますが、初期費用が100万円前後かかるため、費用対効果を慎重に見る必要があります。日中の自家消費だけでも十分なメリットが得られる家庭も多いため、まずは太陽光発電単体で導入し、後から蓄電池を追加する選択肢もあります。


費用感や電気代の見直し方法もあわせて知りたい方へ
太陽光発電の導入検討にあたって「5kWの価格相場」や「一軒家の電気代を総合的に下げる方法」も理解しておきたい方におすすめの記事です。


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ソーラーメイト編集部

太陽光発電と再生可能エネルギーに関する深い専門知識を持つレネックス株式会社のスタッフが、最新の情報や役立つ知識を発信しています。

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