2025年07月10日

【2025エリア別】卒FIT買取価格ランキング|おすすめ電力会社の一覧
【この記事はどんな人の役に立つか】
太陽光発電を設置して10年間が経過すると「卒FIT」を迎え、売電価格が大幅に下落します。この記事は、卒FITを迎えた方や間もなく迎える方のために向けて、エリア別におすすめ電力会社の買取価格ランキングを一覧できます。売電継続か蓄電池導入かの最適な選択方法をわかりやすく解説します。
すぐに買取価格ランキングが確認したい方はこちら
目次
【重要】2025年7月最新の買取価格動向
卒FIT買取価格は電力市場の変動や電気小売事業各社の事業戦略により定期的に見直されています。2025年に入ってからの主な変化をまとめたものが以下になります。
2025年7月時点の太陽光発電の買取価格は、住宅用太陽光発電(10kW未満)は15円/kWhと、前年度から1円下落しています。買取価格はFIT(固定価格買取制度)によって定められており、年度ごとに見直しが行われますが、ここ数年は年々下落傾向にあり、2025年度もその傾向が続いています。
卒FITを簡単におさらい
FIT制度から卒FITまでの流れ
FIT制度(固定価格買取制度)とは、太陽光発電などの再生可能エネルギーで作られた電気を、電力会社が10年間(住宅用の場合)にわたって固定価格で買い取ることを国が保証する制度です。 例えば、2015年に太陽光発電を自宅に設置したご家庭では、1キロワット(kW)あたり、33円という高い価格で10年間もの間、買い取ってもらえていました。
年間約4,000kWhの余剰電力があれば年間13万円程度の売電収入を得られる計算です。 「卒FIT」とはこの10年間の買取期間が終了することを指し、2019年11月から順次、卒FITを迎える太陽光発電が増加しています。
卒FIT後は、各電力会社が独自に設定する買取価格での契約に切り替わるため、買取価格が大幅に下落することが多いのです。
なぜ買取価格が下がるのか?
FIT期間中の買取価格は、私たちの電気代に含まれる「再生可能エネルギー発電促進賦課金」という費用で支えられています。この国民全体での負担により、実際の電気の市場価値よりも比較的高い価格での買取が可能でした。
FIT制度は再生可能エネルギーの普及を目的としているため、期間が終了すると市場価格での買取となり、FIT制度による安定した買取価格は適用されなくなるのです。
価格下落の例:
- FIT期間中:33円/kWh(2015年設置の場合)
- 卒FIT後:8.5円/kWh(大手電力会社の標準プラン)
- 下落率:約74%減
卒FIT後も売電を続けたい場合はどうすればいい?
卒FIT後も売電を続けたい場合は契約している電力会社に継続の意思を伝え、新しい買取プランを検討する必要があります。自動継続になっている場合もありますが、契約内容や買取価格を確認し、必要であればプラン変更や電力会社を乗り替えることをお勧めします。
買取プランの種類とリスクとは?
卒FIT後に電力各社が提供する買取プランには大きく分けて「固定買取型」と「市場連動型」の2つのタイプがあります。それぞれの特徴とリスクを理解して選択することが重要です。ここでは「固定買取型」と「市場連動型」の特徴とメリット・デメリットについて紹介します。どちらのタイプにするか決めるための参考としてください。
固定買取型プラン
固定買取型プランとは、契約期間中、電気料金が一定に設定されている料金プランのことです。市場価格の変動に影響されず、毎月の電気代を予測しやすいのが特徴です。多くの電力会社が提供している一般的なプランで、安定志向の方におすすめです。
特徴:
- 契約期間中は同じ価格で買取を保証
- 収支計画が立てやすい
- 価格変動リスクが低い
リスク:
- 料金改定により将来的に価格が下がる可能性
- 電力市場の価格上昇時の恩恵を受けられない
市場連動型プラン
市場連動型プランとは電気料金の買取単価が、電力市場(JEPX)の価格と連動して変動する料金プランのことです。固定買取型のプランとは異なり、市場の需給状況や燃料価格の変動に応じて電気料金がリアルタイムで変わるため、上手に活用すれば電気代を節約できる可能性があります。しかし、価格変動のリスクも伴うため、注意が必要です。
特徴:
- 電力卸売市場「JEPX」の価格に連動
- 市場価格上昇時は高い買取価格が期待できる
- 2022年〜2024年の実績では固定買取型より高値
リスク:
- 市場価格の下落時は収入が大幅減少
- 価格変動が激しく収支予測が困難
市場連動型プランと固定買取型プランの比較

電力会社によって違うのはなぜ?
電力会社は自社の電源構成、顧客層、リスク管理方針などを考慮して、どちらのプランを提供するかを決定します。現状は固定買取型プランが多く市場連動型プランは少ないといえます。再生可能エネルギーの割合が高い電力会社は、市場連動型プランを提供しやすい傾向があります。
市場連動型が少ない理由:
- 電力会社にとって価格変動リスクが大きい
- 一般消費者には理解が困難
- 固定買取型の方が事業運営が安定する
価格を決めるのはJEPX市場
市場連動価格は一般社団法人日本卸電力取引所のスポット市場で決まります。2025年度は2月をピークに3月以降、一時大幅に市場価格が下落したものの、現在では盛り返し、2025年7月は、2024年7月に迫るところまでに回復しています。
また各エリアの7月の取引市場データも高値で推移しています。市場連動型プランは下落のリスクはあるものの、このように一気に盛り返すこともあり、固定買取型よりも売電価格がお得になることがあります。

出典:一般社団法人日本卸電力取引所

市場連動型のおすすめ|Q.ENEST(キューエネス)でんき
「エネまかせ」市場連動型プランとは キューエネスでんきが提供する市場連動型電力買取サービス「エネまかせ 」は、今後1年間の買取金額を簡単にシミュレーションでき、固定買取型プランとの価格比較も可能です。価格変動リスクを理解した上で、より高い収益を狙いたい方に適しています。
対応エリア:沖縄・離島を除く全国9エリア (北海道・東北・東京・中部・北陸・関西・中国・四国・九州電力エリア)
買取価格:JEPX(日本卸電力取引所)価格連動
- 2022年~2024年実績:市場連動型が固定買取型より高値
- 30分ごとに価格変動
契約条件・手数料
- 解約金・違約金:0円
- 契約手数料:0円
- 工事費:0円
- 契約期間:縛りなし(いつでも解約可能)
- 最低契約期間:なし
サービス特徴
- 買取価格シミュレーション機能
- 固定買取型との比較機能
- 友達紹介キャンペーン
エリア別おすすめ電力会社と買取価格ランキング一覧

卒FIT余剰電力買取において完全な市場連動型プラン(JEPX価格に完全連動)を提供している電力会社は極めて限定的であることがわかりました。市場価格だけで見ても、2025年7月時点では高値で取り引きされていることがわかります。
(※前項のJEPXスポット市場2025年7月エリア別取引市場データを参照)そこでこの項では過去の買取価格を参考に、エリア別に市場連動型プランと固定買取型プランを併記したランキングを一覧にしています。
北海道電力エリア|おすすめランキング
1位)Q.ENEST(キューエネス)「エネまかせ」市場連動型プラン
- 買取価格: 14.59円/kWh ※2025年2月の平均額市場価格連動(2022年~2024年実績では固定買取型より高値)
- 実績・安定性: Qセルズ傘下の再生可能エネルギー専門企業による運営
- 契約条件: 買取のみの契約可能、解約金なし
- 注意点: 市場価格変動により買取価格が変動するリスクあり
2位)丸紅新電力「SHARPプラン」
- 買取価格: 11円/kWh(北海道エリアは他エリアより高水準)
- 実績・安定性: 大手総合商社丸紅グループの信頼性
- 契約条件: 売電契約のみ可能、解約金・違約金・初期費用なし
- サービス特徴 ・SHARP製蓄電池購入で買取価格15円/kWhにアップ(蓄電池プレミアム) ・全国エリア対応 ・地域応援プランも選択可能(10ポイント/kWh付与)
- 地域密着価値: 全国対応ながら北海道エリアでの高単価設定
3位)ENEOS「太陽光電力買取サービス」
- 買取価格: 11円/kWh
- 実績・安定性: 国内エネルギー大手企業の安定経営
- 契約条件: 契約年数制約なし、契約手数料・工事費・違約金0円
- サービス特徴: ・引っ越し予定者でも安心の契約年数制約なし ・シンプルで分かりやすい買取システム ・全国対応
東北電力エリアランキング
1位)Q.ENEST(キューエネス)「エネまかせ」市場連動型プラン
- 買取価格: 14.59円/kWh ※2025年2月の平均額市場価格連動(2022年~2024年実績では固定買取型より高値)
- 実績・安定性: Qセルズ傘下の再生可能エネルギー専門企業による運営
- 契約条件: 買取のみの契約可能、解約金なし
- 注意点: 市場価格変動により買取価格が変動するリスクあり
2位)全農エネルギー「JAでんき買取サービス」
- 買取価格: 9.5円/kWh(東北エリア最高水準)、JAでんき契約で10円/kWh
- 実績・安定性: 農業協同組合全国連合会の安定基盤
- 契約条件: 買取のみ契約可能
- サービス特徴: ・農業地域の多い東北エリアに適したサービス ・JAでんきとのセット契約で買取価格アップ ・地域密着型の丁寧なサポート
- 地域密着価値: 東北の農業地域に根ざしたサービス
3位)丸紅新電力「SHARPプラン」
- 買取価格:11円/kWh
- 推奨理由: 全国対応の安定性と蓄電池プレミアム特典
- 特徴: SHARP製蓄電池購入で15円/kWhへアップ
東京電力エリアランキング
1位)Q.ENEST(キューエネス)「エネまかせ」市場連動型プラン
- 買取価格: 14.59円/kWh ※2025年2月の平均額市場価格連動(2022年~2024年実績では固定買取型より高値)
- 実績・安定性: Qセルズ傘下の再生可能エネルギー専門企業による運営
- 契約条件: 買取のみの契約可能、解約金なし
- 注意点: 市場価格変動により買取価格が変動するリスクあり
2位)スマートテック「スマートFIT」
- 買取価格: 14.6円/kWh(キャンペーン価格・定員制)
- 参考:通常8.5円/kWh
- 実績・安定性: 東京電力エリア対応の専門買取サービス
- 約条件: 蓄電池設置や電気プランセット契約の条件なし
- サービス特徴: ・高水準の買取価格 ・シンプルな買取プラン ・東京電力エリア専門の地域特化型
- 注意点: キャンペーン価格のため定員に達し次第終了
3位)エネクスライフサービス「卒FITでんきプラス」
- 買取価格: 13.5円/kWh(TERASELでんきセット契約時)
- 実績・安定性: 伊藤忠エネクスグループの安定経営
- 契約条件: TERASELでんき電気料金プランとのセット契約
- サービス特徴: ・電気使用とのセット割引 ・大手商社グループの信頼性 ・関東エリアでの豊富な供給実績
- 注意点: 電気プランとのセット契約が必要
中部電力エリアランキング
1位)Q.ENEST(キューエネス)「エネまかせ」市場連動型プラン
- 買取価格: 14.59円/kWh ※2025年2月の平均額市場価格連動(2022年~2024年実績では固定買取型より高値)
- 実績・安定性: Qセルズ傘下の再生可能エネルギー専門企業による運営
- 契約条件: 買取のみの契約可能、解約金なし
- 注意点: 市場価格変動により買取価格が変動するリスクあり
2位)中部電力「ぐっとずっと。グリーンフィット」
- 買取価格: 基本買取価格+ポイント還元
- 実績・安定性: 地域大手電力会社の安定性
- 契約条件: 中部電力エリア限定
- サービス特徴 「ゆめかプラン」:買取価格+1円相当/kWhのゆめか付与 「WAONプラン」:買取価格+1円相当/kWhのWAONポイント付与 地域密着型の安心感
- 地域密着価値: 中部地方での圧倒的な地域密着度
3位)丸紅新電力「SHARPプラン」
- 買取価格:10円/kWh
- 推奨理由: 全国対応の安定性と中部エリアでの実績
- 特徴: SHARP製蓄電池購入で14円/kWhへアップ
北陸電力エリアランキング
1位)北陸電力「売電サービス」
- 買取価格:2024年は16円/kWh(10kW未満)
- 実績・安定性: 北陸地域の電力会社として長年の信頼実績
- 契約条件: 北陸電力エリア限定
- サービス特徴 北陸地方(富山・石川・福井)に根ざした地域大手 地域インフラとしての安定供給責任 手続きの簡便性
- 地域密着価値: 北陸地方での圧倒的な地域密着度と安心感
2位)Q.ENEST(キューエネス)「エネまかせ」市場連動型プラン
- 買取価格: 買取価格: 14.59円/kWh ※2025年2月の平均額市場価格連動
- 実績・安定性: Qセルズ傘下の再生可能エネルギー専門企業による運営
- 契約条件: 買取のみの契約可能、解約金なし
- 注意点: 市場価格変動により買取価格が変動するリスクあり
3位)丸紅新電力「SHARPプラン」
- 買取価格:10円/kWh
- 推奨理由: 小規模エリアでの全国対応事業者の安定性
- 特徴: SHARP製蓄電池購入で14円/kWhへアップ
関西電力エリアランキング
1位)Q.ENEST(キューエネス)「エネまかせ」市場連動型プラン
- 買取価格: 14.59円/kWh ※2025年2月の平均額市場価格連動(2022年~2024年実績では固定買取型より高値)
- 実績・安定性: Qセルズ傘下の再生可能エネルギー専門企業による運
- 契約条件: 買取のみの契約可能、解約金なし
- 注意点: 市場価格変動により買取価格が変動するリスクあり
2位)はりま電力「太陽光発電(卒FIT)買取サービス」
- 買取価格: 9円/kWh(最大15円/kWhのプランも有)
- 実績・安定性: 関西地域密着型の新電力会社
- 契約条件: 関西エリア中心の地域限定
- サービス特徴 ・播磨地域を中心とした地域密着運営 ・地域特性を理解したきめ細かいサービス ・関西圏での豊富な買取実績
- 地域密着価値: 関西地方での地域密着度と地元企業の安心感
3位)エネクスライフサービス「太陽光電力買取サービス」
- 買取価格: 10円/kWh、TERASELでんきセットで11円/kWh
- 推奨理由: 大手商社グループの安定性と関西エリア対応
- 特典: 電気プランセットでの価格アップ
中国電力エリアランキング
1位)Q.ENEST(キューエネス)「エネまかせ」市場連動型プラン
- 買取価格: 買取価格: 14.59円/kWh ※2025年2月の平均額市場価格連動(2022年~2024年実績では固定買取型より高値)
- 実績・安定性: Qセルズ傘下の再生可能エネルギー専門企業による運営
- 契約条件: 買取のみの契約可能、解約金なし
- 注意点: 市場価格変動により買取価格が変動するリスクあり
2位)中海テレビ放送「Chukai余剰電力買取サービス」
- 買取価格: 10円/kWh(標準)インターネット契約で14円/kWh
- 実績・安定性: 山陰地域のケーブルテレビ会社による地域密着運営
- 契約条件: 中海テレビ放送との契約不要(標準プラン)
- サービス特徴: 地域密着型のケーブルテレビ会社による運営 インターネット・固定電話契約で大幅単価アップ 山陰地域特有のサービス
- 地域密着価値: 中国地方(特に山陰地域)での地域密着度
3位)藤田商店「すまいるFIT太陽光買取サービス」
- 買取価格: 11円/kWh(標準)
- 実績・安定性: 中国地方の地域密着型エネルギー商社
- サービス特徴 ・新電力やガス契約、蓄電池購入でさらなる特典有 ・地域密着型の個人商店的サービス
- 地域密着価値: 中国地方での地元企業ならではの細やかな対応
四国電力エリアランキング
1位)Q.ENEST(キューエネス)「エネまかせ」市場連動型プラン
- 買取価格: 14.59円/kWh ※2025年2月の平均額市場価格連動(2022年~2024年実績では固定買取型より高値)
- 実績・安定性: Qセルズ傘下の再生可能エネルギー専門企業による運営
- 契約条件: 買取のみの契約可能、解約金なし
- 注意点: 市場価格変動により買取価格が変動するリスクあり
2位)坊っちゃん電力「四国スタンダードプラン」
- 買取価格: 10円/kWh
- 実績・安定性: 四国地域密着型の新電力会社
- 契約条件: 四国電力エリア対応
- サービス特徴 ・四国4県(香川・愛媛・徳島・高知)に特化 ・「坊っちゃん」ブランドによる親しみやすさ ・四国地方での地域密着運営
- 地域密着価値: 四国地方での地域密着度と愛媛県発の地元企業感
3位)エネクスライフサービス「太陽光電力買取サービス」
- 買取価格: 9.5円/kWh(TERASELでんきセット契約時)
- 推奨理由: 全国対応の安定性と四国エリア実績
- 特徴: 大手商社グループの信頼性
九州電力エリアランキング
1位)Q.ENEST(キューエネス)「エネまかせ」市場連動型プラン
- 買取価格: 14.59円/kWh ※2025年2月の平均額市場価格連動(2022年~2024年実績では固定買取型より高値)
- 実績・安定性: Qセルズ傘下の再生可能エネルギー専門企業による運営
- 契約条件: 買取のみの契約可能、解約金なし
- 注意点: 市場価格変動により買取価格が変動するリスクあり
2位)宮崎電力「電気契約セットプラン」
- 買取価格: 10円/kWh(電気契約セット)、8円/kWh(買取のみ)
- 実績・安定性: 宮崎県の地域密着型電力会社
- 契約条件: 九州エリア対応(離島除く)
- サービス特徴 ・宮崎県発の地域密着型新電力 ・電気契約セットでの価格優遇 ・九州地方での地域特性理解
- 地域密着価値: 九州地方(特に宮崎県)での地域密着度
3位)旭化成ホームズ「ヘーベル電気」
- 買取価格: 10円/kWh(太陽光のみ)、12円/kWh(蓄電池セット)
- 実績・安定性: 旭化成グループの大手企業による運営
- 契約条件: 旭化成ホームズユーザー以外も申込可能
- サービス特徴 ・蓄電池設置で買取価格アップ ・パワーコンディショナ保証5年無償延長 ・売電電力は旭化成ホームズ展示場・事業所で活用
- 企業信頼性: 大手化学メーカーグループの安定性
沖縄電力エリアランキング
沖縄電力エリアでは、本土と異なる独立系統のため、住宅用の卒FIT買取プランを提供している電力会社は非常に限定的です
1位)沖縄電力「再生可能エネルギー買取制度」
- 実績・安定性: 沖縄唯一の地域密着型電力会社
- 地域密着価値: 沖縄の独特な電力事情と島嶼環境への完全対応
補足:
- Q.ENEST「エネまかせ」市場連動型プランはJEPX連動のため価格変動リスクがある点には注意が必要です。
- 各社とも解約金・初期費用なしが主流ですが、セット契約やキャンペーン価格には条件があるため、申込前に公式サイト情報で確認してください。
実は売電よりお得?自家消費という選択肢
ここまで卒FIT買取価格を中心に各エリアごとのおすすめの電力会社をランキング形式で紹介してきましたが、実は最近のトレンドとして「売電を続ける」よりも「蓄電池を導入して自家消費に切り替える」方が経済的にお得になるケースが急増しています。
要因1:電気代と売電価格の価格差
同じ1kWhの電気でも、売るより使う方が27〜33円分もお得になるという結果が出ています。これが売電するよりも自家消費がオトクという最大のメリットです。
現在の電気料金(東京電力エリア):約41円/kWh
卒FIT後の売電価格:8~14円/kWh 具体的な経済効果の比較
年間4,000kWhの余剰電力がある家庭を例にシミュレーション。
売電を継続(13円/kWh)した場合
- 年間売電収入:52,000円
- 10年間合計:520,000円
自家消費(蓄電池導入)した場合
- 年間電気代削減:164,000円(4,000kWh × 41円)
- 10年間合計:1,640,000円
- 蓄電池費用:約150万円(補助金活用後)
- 実質メリット:約140,000円(10年間)
このように、蓄電池の初期費用を考慮しても、自家消費の方が長期的にはお得になるという可能性があります。
今後の電気料金上昇も問題に
電気料金は今後も上昇することが予想されており、2030年には今より20〜30%値上がりとなる、という試算もあります。一方で、卒FIT買取価格は電力会社の競争が激化することにより下落傾向に。自家消費の経済的優位性はさらに拡大していくと予想されています。
売電継続vs自家消費の詳細を比較
卒FIT後は「売電継続」と「自家消費」という2つの選択肢があります。ここではより具体的なシミュレーションを通して、結局どちらがお得なのかを詳しく解説します。
ライフスタイル別経済効果シミュレーション
ケース1:共働き世帯(日中不在が多い)
- 太陽光発電容量:5kW
- 年間発電量:5,500kWh
- 日中自家消費率:20%(1,100kWh)
- 余剰電力:4,400kWh
売電継続の場合(価格下落考慮)
- 1~5年目:13円/kWh → 年間57,200円
- 6~10年目:10円/kWh → 年間44,000円(競争激化で下落)
- 10年間合計:506,000円
蓄電池導入による自家消費の場合
- 追加自家消費:4,000kWh/年(蓄電池活用により増加)
- 年間電気代削減:164,000円(4,000kWh × 41円)
- 10年間削減額:1,640,000円
- 蓄電池導入費用:150万円(補助金活用後)
- 実質メリット:+140,000円
結果:共働き世帯でも蓄電池導入による自家消費がお得 ケース2:在宅勤務世帯(日中在宅率高)
- 太陽光発電容量:5kW
- 年間発電量:5,500kWh
- 日中自家消費率:40%(2,200kWh)
- 余剰電力:3,300kWh
売電継続の場合(価格下落考慮)
- 1~5年目:13円/kWh → 年間42,900円
- 6~10年目:10円/kWh → 年間33,000円
- 10年間合計:379,500円
蓄電池導入による自家消費の場合
- 追加自家消費:3,500kWh/年
- 年間電気代削減:143,500円
- 10年間削減額:1,435,000円
- 蓄電池導入費用:150万円(補助金活用後)
- 実質メリット:-65,000円
結果:在宅勤務世帯では僅差で売電継続が有利だが、電気料金上昇により逆転の可能性
ケース3:オール電化世帯(高電力消費)
- 太陽光発電容量:7kW
- 年間発電量:7,700kWh
- 日中自家消費率:50%(3,850kWh)
- 余剰電力:3,850kWh
売電継続の場合(価格下落考慮)
- 1~5年目:13円/kWh → 年間50,050円
- 6~10年目:10円/kWh → 年間38,500円
- 10年間合計:442,750円
蓄電池導入による自家消費の場合
- 追加自家消費:4,500kWh/年(大容量蓄電池活用)
- 年間電気代削減:184,500円
- 10年間削減額:1,845,000円
- 蓄電池導入費用:150万円(補助金活用後)
- 実質メリット:+345,000円
結果:オール電化世帯では蓄電池導入による自家消費が大幅にお得
将来の電気料金上昇を考慮した長期予測
上記のシミュレーションは現在の電気料金(41円/kWh)と、卒FIT買取価格の段階的下落(13円→10円)をベースにしています。しかし、電気料金は今後も上昇が予想されます。
2030年時点の予想電気料金:50~55円/kWh
この電気料金上昇を考慮すると、蓄電池による自家消費の経済性は大幅に向上し、多くのケースで売電継続を上回る可能性があります。
蓄電池導入のメリット・デメリット
前述のシミュレーション結果からも分かるように、多くのケースで蓄電池導入による自家消費が売電よりも有利という結果となりました。しかし、蓄電池導入には初期費用やメンテナンスなどの課題もあります。導入前に必ずメリット・デメリットを十分に検討しましょう。
メリット
- 電気代削減効果(現在27~33円/kWhの価値)
- 停電時の非常用電源として活用可能
- 電気料金上昇への対策
- 環境意識の向上(自家消費率アップ)
デメリット
- 初期費用が高額(100~200万円)
- バッテリー寿命(10~15年)によるメンテナンス費用
- 設置スペースの確保が必要
- 投資回収に時間がかかる
今すぐできる!卒FIT対策の具体的なステップ

実際に行動に移せるよう、卒FIT後の具体的なステップをご案内します。
STEP1:現在の状況を確認
- 卒FIT時期の確認(買取期間満了通知をチェック)
- 年間余剰電力量の把握(直近の売電実績から算出)
- 現在の電気使用パターンの確認
STEP2:電力会社の選定
- 電力会社を乗り換える場合は候補から選定
- 各社の契約条件(最低契約期間、解約金等)を確認
- 市場連動型か固定価格型かも検討
- キャンペーン適用条件の詳細チェック
STEP3:経済効果の簡易的な計算
売電継続の場合:年間余剰電力量 × 買取価格 = 年間売電収入
自家消費の場合:(蓄電池導入で増加する自家消費量 × 41円) – (蓄電池費用 ÷ 10年)
STEP4:問い合わせ・相談
- 最適と判断した電力会社のプランの詳細を確認
- これという会社に問い合わせ・相談
- 実際の申し込み手続き開始
このステップに沿って進めることで、迷うことなく最適な卒FIT対策を実行できるでしょう。
補助金制度の活用で経済性アップ
蓄電池導入では、国や自治体の補助金制度を活用することで初期費用を大幅に削減できます。ただし補助金制度は年度ごとに変更・終了する可能性があるため、導入検討時は最新情報の確認が重要です。
主要な補助金制度(2025年7月時点)
国の補助金:
- DER補助金:蓄電池1kWhあたり5万円(上限60万円)
- V2H充放電設備:設備費の1/2(上限75万円)
東京都の補助金:
- 蓄電池:1kWhあたり15万円(上限120万円
- V2H:設備費の1/2(上限50万円)
神奈川県の補助金:
- 蓄電池:1kWhあたり7万円(上限35万円)
- V2H:設備費の1/3(上限25万円)
あなたの家庭に最適な選択は?
これまでの情報を踏まえて、各ご家庭に最適な卒FIT後の選択肢を判断するためのチェックリストをご用意しました。
売電継続をおすすめする場合
□日中の在宅時間が短い(共働き世帯など)
□年間余剰電力量が3,000kWh以上
□初期投資を抑えて確実な収入を得たい
□設備メンテナンスを最小限にしたい
□短期間(5年以内)での収支改善を重視
おすすめの選択: エリア別ランキング上位の新電力会社との契約
蓄電池導入をおすすめする場合
□日中の在宅時間が長い(在宅勤務など)
□停電時の備えとしても活用したい
□補助金を活用できる自治体に居住
□長期的な電気代削減を重視
□環境意識が高く、自家消費率向上を目指したい
おすすめの選択:
国・自治体の補助金を活用した蓄電池導入
注目のサービス:Q.READY蓄電池システム
蓄電池導入をお考えの方には、「Q.READY 」蓄電池システムがおすすめです。太陽光発電との連携に特化した設計で、効率的な自家消費を実現できます。補助金申請サポートも含めた総合的なサービスで、安心して蓄電池導入を進められます。
手続きの流れと注意点
売電先切り替えの手続き
1. 卒FIT時期の確認:現在の電力会社から送付される「買取期間満了通知」で確認
2. 新しい電力会社の選定:エリア別ランキングや条件を比較して決定
3. 申し込み手続き:
- Webフォームでの申し込みが一般的
- 必要情報:発電設備の情報、振込先口座等
- 手続き期間:通常2週間程度
4. 契約開始:卒FIT日から新しい電力会社での買取開始
契約時の注意点
確認すべきポイント
- 契約期間と解約条件
- 価格改定の可能性
- 付帯条件(電気契約セット等)の有無
- 支払いサイクルと方法
よくある落とし穴
- キャンペーン価格の適用期間
- 最低契約期間の縛り
- 解約時の違約金
- 価格改定の頻度と条件
卒FIT後の最適解を見つけるために
卒FIT後の選択肢は「売電継続」「蓄電池導入」などがあり、どれが最適かは各家庭の電力使用パターンやライフスタイルによって異なります。
現時点での判断基準
- 短期的な経済メリットを重視 → 売電継続(エリア別上位電力会社)
- 長期的な電気代削減を重視 → 蓄電池導入(補助金活用)
- 迷ったら → まずは売電継続で様子見、将来的に蓄電池検討
将来を見据えた考え方
- 電気料金の継続的な上昇
- 卒FIT買取価格の下落傾向
- 蓄電池価格の低下と性能向上
- 電気自動車の普及加速(V2Hの導入)
これらの要素を総合的に判断すると、現在は売電継続がやや有利ですが、5年後には自家消費の優位性が高まる可能性があります。
まとめ
ここまで、2025年最新の卒FIT買取価格についてや、各エリアごとのおすすめの電力会社をランキング形式でご紹介しました。突発的なキャンペーンを除くと、北陸エリアと沖縄エリア以外は、Q.ENEST(キューエネス)「エネまかせ」市場連動型プランがランキング上位となりました。
買取価格(売電価格)は基本的に固定買取型よりも上回っています。市場連動型のプランということで価格変動リスクもありますが、解約金は0円なのでいざとなれば契約を終了するだけということで、リスクの低さもおすすめの要因です。
卒FIT後の選択は永続的なものではありません。まずは現時点で最適と思われる選択肢からスタートし、技術進歩や市場環境の変化に応じて見直していくことも重要です。 最終的には、各家庭の事情に合わせた詳細なシミュレーションを行い、専門家のアドバイスも参考にしながら、長期的な視点で最適な選択をしていただくことをおすすめします。
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