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2026年04月22日

J-クレジットとは?仕組み・取得方法から太陽光発電での活用事例まで紹介

J-クレジットとは?仕組み・取得方法から太陽光発電での活用事例まで紹介

太陽光発電によって削減されたCO₂の量を、 国が認証した「クレジット」として売買できるJ-クレジット制度。省エネや森林管理など幅広い分野で活用されていますが、なかでも太陽光発電との相性は抜群です。
本記事では、J-クレジットの基本的な仕組みから取得方法、売買・活用方法、そして太陽光発電事業者にとっての収益化のポイントまでをわかりやすく解説します。脱炭素の流れが加速するいま、ぜひ制度の全体像を把握しておきましょう。

目次

電気代さげるなら

J-クレジットとは?制度の概要をわかりやすく解説

CO2削減

カーボンニュートラルの実現に向けた動きが加速するなか、企業・個人を問わず「自分たちの活動がどれだけCO₂削減に貢献しているのかを見える化し、それを価値として活用したい」というニーズが急速に高まっています。そのニーズに応える制度のひとつが、J-クレジット制度です。

クレジット(credit)は英語で「信用」や「証明」という意味。J-クレジット制度とは、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用、適切な森林管理といった取り組みによって生じたCO₂などの温室効果ガスの削減量・吸収量を、国(経済産業省・環境省・農林水産省)が認証してクレジット(デジタルデータ)として発行する制度です。発行されたクレジットは、企業や団体に売って収益にできます。ポイントカードのポイントに近いイメージで、「CO₂を減らす=ポイント獲得→そのポイントを売れる」という仕組みです。2013年度にスタートし、現在は日本における代表的な国内クレジット制度として広く活用されています。

発行されたクレジットは市場で売買することができ、購入した企業はそのクレジットを自社のCO₂排出量と「相殺(オフセット)」するために使うことができます。つまり、削減した側も、削減できていない排出量を補いたい側も、どちらもメリットを受けられる仕組みになっているのが大きな特徴です。

J-クレジット制度が生まれた背景

J-クレジット制度が誕生した背景には、日本の気候変動対策の歴史的な流れがあります。

日本では2008年度から「国内クレジット制度」「オフセット・クレジット(J-VER)制度」という2つの異なる仕組みが別々に運営されていました。前者は中小企業の省エネ取り組みを支援するもの、後者は森林吸収や再生可能エネルギーによるクレジットを対象とするものでした。ただ、制度が分かれていることで申請の手間が増え、利便性の面で課題がありました。

そこで2013年、この2制度を統合・発展させる形で創設されたのが、J-クレジット制度です。統合によって対象範囲が広がり、手続きが一本化されたことで、より多くの企業・団体が参加しやすくなりました。

その後、2015年のパリ協定採択、2020年の政府による「2050年カーボンニュートラル宣言」、そして2021年の「2030年度に温室効果ガス46%削減(2013年度比)」という目標設定などを受け、J-クレジット制度への関心と参加者数は年々急増しています。制度開始から10年以上が経過した現在、登録プロジェクト数・発行クレジット量ともに右肩上がりで伸び続けており、日本の脱炭素社会実現を支える重要なインフラとして定着しています。

カーボンクレジットとの違い・位置づけ

「J-クレジット」と似た言葉に「カーボンクレジット」があります。混同されることも多いので整理しておきましょう。

カーボンクレジットとは、温室効果ガスの削減量・吸収量を数値化して取引できるようにした証書の総称です。いわば「クレジット全体の大きなカテゴリ」であり、国際的なものから民間が発行するものまで、世界中に多種多様な種類が存在します。つまり、J-クレジットはカーボンクレジットの一種ということになります。

代表的なものを整理すると、以下のような種類があります。


カーボンクレジット・関連証書の種類 概要
J-クレジット 日本政府が認証する制度で、省エネ、再生可能エネルギー、森林管理などによる温室効果ガスの削減量・吸収量をクレジット化する。
非化石証書 再生可能エネルギーなどの非化石電源による電力の環境価値を証明する証書。J-クレジットとは別制度。
グリーン電力証書 再エネ電力の環境価値を証書化したもの。J-クレジットとは別制度。
ボランタリークレジット 民間機関が認証する国際的なクレジット。
排出量取引制度 排出枠を売買する制度で、J-クレジットのような削減量認証クレジットとは性質が異なる 。

この中でJ-クレジットは「国が認証する信頼性の高い国内クレジット」という点が最大の強みです。政府三省が管轄しているため、クレジットの品質・透明性が担保されており、国内の温対法(温暖化対策推進法)や省エネ法への対応、あるいはSBT(科学的根拠に基づく削減目標)の達成に向けた取り組みとしても活用しやすい設計になっています。

また、後述するカーボンニュートラル宣言や自主的な排出削減目標への対応として、企業がクレジットを「購入・活用」する場面でも、信頼性の観点からJ-クレジットが選ばれるケースは少なくありません。

CO₂を削減した側はクレジットを売って収益にでき、削減が難しい企業はクレジットを買って排出量をオフセットできる——それがJ-クレジットなのです。

J-クレジットの仕組み|どうやってクレジットが生まれるのか

両手で小さな新芽を大切に包み込む環境保護のイメージ

J-クレジットは「CO₂を削減したら自動的に発行される」というものではありません。決められた手順に沿って申請・審査・登録というプロセスを経て、はじめてクレジットとして認められます。ここでは、クレジットが生まれるまでの流れと、対象となるプロジェクトの種類、そして誰がどのように審査・承認を行うのかを順番に見ていきましょう。

クレジット創出の流れ(登録〜発行まで)

J-クレジットが発行されるまでには、大きく分けて以下のステップがあります。

① プロジェクト登録
まず、CO₂削減・吸収に取り組むプロジェクトをJ-クレジット制度事務局に登録申請します。このとき、「どのような方法で削減するか」を定めた方法論(国が承認した計算ルール)に基づいて計画を作成する必要があります。方法論は再生可能エネルギー・省エネ・森林吸収など分野ごとに定められており、そのプロジェクトに合ったものを選びます。

② モニタリング
プロジェクト登録後、実際の削減活動を開始します。活動期間中は定められたルールに従い、削減量を継続的に計測・記録する「モニタリング」を行います。太陽光発電の場合は、電力量のデータがそのままモニタリングの基礎データになります。

③ 検証(第三者機関による審査)
モニタリングデータをもとに「モニタリング報告書」を作成し、国が認定した第三者検証機関に提出。その後、削減量の妥当性について独立した審査を受けます。ここで数値の正確性・信頼性が担保されます。

④ 認証・クレジット発行
第三者検証を経た報告書をJ-クレジット制度事務局に提出し、国による最終審査を通過すると、削減量に応じたクレジットが正式に発行されます。発行されたクレジットはJ-クレジット登録簿システム上で管理され、売買や償却(オフセットへの利用)が可能になります。 登録申請からクレジット発行までには数ヶ月程度かかることも。初めて申請する場合は、書類の不備や手続きミスを防ぐためにも、専門のコンサルタントや支援機関を活用するのがおすすめです。

プロジェクト種別:再生可能エネルギー・省エネ・森林吸収

J-クレジット制度の対象となるプロジェクトは、大きく3つのカテゴリに分かれています。

① 再生可能エネルギー
太陽光発電・風力発電・バイオマス発電・小水力発電など、化石燃料に代わるクリーンなエネルギーを生み出す取り組みが対象です。発電によって火力発電由来のCO₂排出を代替した分がクレジットになります。太陽光発電はこのカテゴリの中でも登録件数が多く、J-クレジットを代表する主要分野の一つです。

② 省エネルギー
工場・オフィス・家庭などでの省エネ設備の導入や、エネルギー効率の改善による削減量が対象です。LED照明への切り替え、高効率空調・ボイラーの導入、断熱改修なども含まれます。製造業や建設業など幅広い業種が活用しています。

③ 森林吸収
適切な間伐・植林など、森林の適正管理によるCO₂吸収量が対象です。林業事業者や自治体が主な申請主体となります。吸収系クレジットは再エネ・省エネとは性質が異なりますが、J-クレジット制度の中で一定の割合を占める重要な分野です。

この3カテゴリに加え、近年は農業分野(水田の水管理改善など)や廃棄物分野(メタンガス回収)なども対象に加わり、制度の適用範囲は年々広がっています。

認証・承認はどこが行うのか

J-クレジット制度は、経済産業省・環境省・農林水産省の3省が共同で運営しています。またこれとは別に、実務の窓口となるのが「J-クレジット制度事務局」です。3省の管轄のもと、プロジェクトの登録審査からクレジットの発行・管理まで一元的に担っています。

審査プロセスでは、事務局による審査の前段階として第三者検証機関による独立した検証が必須となっています。第三者検証機関は国が認定した専門機関で、モニタリングデータの正確性や方法論への適合性を客観的にチェックします。この二重のチェック体制があることで、J-クレジットの信頼性と透明性が確保されています。

また、発行されたクレジットはすべてJ-クレジット登録簿システム上で公開・管理されており、誰がどれだけのクレジットを保有・売買・償却したかをトレースできる仕組みになっています。このトレーサビリティの高さも、J-クレジットが企業の脱炭素戦略に採用されやすい大きな理由のひとつです。

J-クレジットの売買・活用方法

クレジットが発行されたら、次はそれをどう売買・活用するかです。J-クレジットは市場で取引できる「環境価値の証書」ですが、売り方・買い方にはいくつかのルートがあります。また、企業がクレジットを購入する目的も多様化しています。ここでは売買の仕組みと、企業側の活用目的、そして気になる価格動向について解説します。

クレジットの「売り方」

発行されたJ-クレジットを売却する方法は、主に2つあります。

① マーケットプレイス(入札・オークション)
J-クレジット制度事務局が定期的に開催する入札会に参加する方法です。買い手となる企業が価格を提示し、売り手はその中から条件の合う相手と取引します。市場の相場を把握しやすく、初めて売却する場合でも参加しやすいのが特徴です。

② 相対取引
売り手と買い手が直接交渉して売買する方法です。価格や取引量を柔軟に設定できるため、継続的な取引関係を築きやすいメリットがあります。ブローカーや仲介業者を通じて相手を探すケースも多くあります。

どちらの方法も、取引が成立したらJ-クレジット登録簿システム上でクレジットの移転手続きを行います。

企業がクレジットを「買う」理由

企業がJ-クレジットを購入する目的は、大きく以下の3つに整理できます。

① カーボンオフセット
自社では削減しきれないCO₂排出量を、クレジットの購入によって相殺(オフセット)する取り組みです。製品・サービスの「カーボンニュートラル」を対外的に宣言する際の根拠としても活用されます。

② カーボンニュートラル・排出削減目標への対応
自社のカーボンニュートラル目標や排出削減目標の達成に向けて、J-クレジットを活用するケースがあります。自社での再エネ導入が難しい部分をクレジットで補う形です。

③ CDP・SBT等の開示・目標対応
気候変動に関する情報開示を求める「CDP」(※1)への回答や、科学的根拠に基づく削減目標「SBT」(※2)の達成状況を示す際に、クレジットの活用実績が評価される場合があります。ESG投資家や取引先からの要請に応える手段としても注目されています。

※1 CDP:企業の気候変動への取り組みや温室効果ガスの排出量を、投資家や取引先に向けて開示する国際的な仕組み。回答内容はスコアとして評価され、取引先の選定や融資の判断材料にも使われる。

※2 SBT(Science Based Targets):パリ協定が定める「気温上昇を1.5〜2℃以内に抑える」という目標に沿って、企業が科学的な根拠をもとに設定するCO₂削減目標のこと。

価格の目安と市場動向

J-クレジットの価格は需給バランスによって変動しますが、1t-CO₂あたり数百円〜数千円程度が現在の国内市場における一般的な価格帯です。再生可能エネルギー由来のクレジットは比較的需要が高く、森林吸収系と比べてやや高値がつく傾向があります。

近年は企業の脱炭素ニーズの高まりを背景に、クレジットの需要が急増しており、価格は上昇傾向にあります。また、東京証券取引所が運営するカーボン・クレジット市場が2023年に本格始動したことで、取引の透明性・流動性がさらに高まっています。

太陽光発電事業者にとっては、発電量が多いほどクレジット発行量も増えるため、システムの稼働率を高めることが収益最大化に直結するという点も覚えておきたいポイントです。

太陽光発電とJ-クレジットの関係

太陽光パネルを屋根一面に設置した住宅

太陽光発電はこのカテゴリの中でも登録件数が多く、J-クレジットを代表する主要分野の一つです。しかし「太陽光発電を設置すれば自動的にクレジットがもらえる」というわけではありません。対象となる条件があり、設置形態によって活用パターンも異なります。この章では、太陽光発電とJ-クレジットの関係を実務的な視点から掘り下げて解説します。

太陽光発電がJ-クレジットの対象になる条件

太陽光発電によるJ-クレジットの取得には、いくつかの重要な条件があります。なかでも特に押さえておきたいのが、FIT制度(固定価格買取制度)(※)との関係です。

FIT認定を受けて電力会社に売電している場合、その電力にはすでに「再生可能エネルギーとしての環境価値」が国に買い取られた形で織り込まれています。そのため、FIT売電分の電力については、原則としてJ-クレジットの対象外となっています。環境価値を二重に主張することになってしまうためです。

J-クレジットの対象となるのは、「環境価値がまだ誰にも帰属していない発電分」。自家消費型の太陽光発電や、FIT期間が終了した設備が特に注目されているのはこのためです。

※FIT制度:太陽光発電などの再生可能エネルギーで発電した電気を、国が定めた価格で一定期間買い取ることを電力会社に義務付ける制度。


住宅用・産業用・FIT非対象案件での活用パターン

太陽光発電のJ-クレジット活用は、設置形態によってアプローチが異なります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

① 住宅用太陽光発電(卒FIT案件)

FIT制度の買取期間(原則10年)が終了した住宅用太陽光発電は、いわゆる「卒FIT」(※)と呼ばれます。卒FITを迎えた設備は、FIT売電による環境価値の帰属関係が解消されるため、改めてJ-クレジットの申請対象になり得ます。

ただし、住宅用は1件あたりの発電量が小さいため、複数の住宅をまとめてクレジット申請する「アグリゲーション(集約)」の仕組みを使うのが一般的です。地域の自治体やエネルギー会社が取りまとめ役(プロジェクト代表者)となって申請するモデルが各地で広がっています。

※卒FITの詳細は以下の記事をご覧ください。
関連記事:『卒FITとは?卒FIT以降のおすすめ選択肢|蓄電池・自家消費・売電

② 産業用・事業用太陽光発電(自家消費型)

工場・倉庫・オフィスビルの屋根や遊休地に設置した太陽光発電を、売電せずに自家消費する形態は、J-クレジットと非常に相性が良いモデルです。

自家消費分は系統電力(※1)を代替したとみなされるため、その削減量をクレジットとして申請できます。PPAモデル(※2)や初期費用ゼロの自家消費太陽光発電が普及していることもあり、中小企業を含む多くの事業者にとって現実的な選択肢となっています。

※1 系統電力:電力会社から家庭や工場に届く、送電線でつながった電気のこと。火力・原子力・水力など様々な発電方法が混ざっています。

※2 PPAモデル:Power Purchase Agreementの略。太陽光発電設備を事業者が無償で設置し、そこで発電した電気を使った分だけ料金を払う契約のこと。
関連記事:『太陽光のPPAモデルってなに?図解で解説

③ FIT非対象・オフグリッド案件

離島や山間部など、系統電力への接続が難しい環境でのオフグリッド太陽光発電(※)も、条件次第でJ-クレジットの対象になります。また、FITに申請しないまま自家消費のみで運用している設備も同様です。
このタイプは件数こそ少ないものの、地域の再エネ自給モデルやSDGs推進の観点から注目されており、地方自治体や農業法人による申請事例も出てきています。

※オフグリッド太陽光発電:送電線に接続せず、発電した電気をその場だけで使う仕組み。
関連記事:『オングリッド・オフグリッドの太陽光発電

収益化のリアル:メリットと注意点

発電量の最大化がそのままクレジット収入の最大化につながるJ-クレジットは、太陽光発電の「環境価値」を経済価値に転換するうえで、非常に理にかなった制度といえます。

そんなJ-クレジットですが、「実際にどれくらいのメリットがあるのか?」というのは、多くの人が気になる点です。ここでは現実的な視点で整理します。

クレジット収入の目安

発行されるクレジット量は、発電量から算出された削減CO₂量(t-CO₂)に基づきます。一般的な目安として、太陽光発電1kWhあたりのCO₂削減量は約0.4〜0.5kg-CO₂程度(使用する排出係数によって異なります)。仮に年間10万kWhを発電する産業用システムであれば、年間約40〜50t-CO₂のクレジットが見込めます。
現在の市場価格(1t-CO₂あたり数百円〜数千円)を当てはめると、年間数万円〜数十万円規模の追加収入になり得ます。発電規模が大きいほどその恩恵も大きくなります。

売電収益との“合わせ技”

卒FIT以降の太陽光発電は、売電単価が大幅に下がるケースがほとんどです。そこで、J-クレジット収入と自家消費による電気代削減を組み合わせることで、設備の稼働を継続させながら収益性を維持するという戦略が有効です。J-クレジットは、設備の“第二の人生”を有効活用できる手段ともいえるのです。

申請・運用のコストも考慮を

一方で、J-クレジットの取得には申請準備・第三者検証・登録簿管理などのコストと手間もかかります。特に小規模な設備の場合、単独での申請は費用対効果が合わないこともあります。前述のアグリゲーションの活用や、申請支援サービスの利用を検討することが、現実的な第一歩となるでしょう。

太陽光メーカー各社のJ-クレジット・脱炭素への取り組み事例

太陽光発電パネルを製造・販売するメーカー各社も、J-クレジットや脱炭素への対応を積極的に進めています。ここでは国内外のメーカーの動向を簡単に紹介します。

パナソニック/シャープ/京セラなどの国内メーカーの動向

国内大手メーカーは、自社工場での再エネ導入や省エネ投資によるCO₂削減を推進するとともに、製品のライフサイクル全体での脱炭素化に取り組んでいます。

パナソニックは2050年のカーボンニュートラル達成を目標に掲げ、製造工程での再エネ比率向上を進めています。シャープや京セラも同様に、自社のSBT目標(※)の設定やCDP開示(※)への対応を強化しており、サプライチェーン全体での排出削減が業界共通の課題となっています。

※SBT(Science Based Targets):パリ協定が定める「気温上昇を1.5〜2℃以内に抑える」という目標に沿って、企業が科学的な根拠をもとに設定するCO₂削減目標のこと。

※CDP:企業の気候変動への取り組みや温室効果ガスの排出量を、投資家や取引先に向けて開示する国際的な仕組み。回答内容はスコアとして評価され、取引先の選定や融資の判断材料にも使われる。

海外系メーカーの取り組み傾向

中国系をはじめとする海外メーカーは、製品の低コスト化と並行して、ESG対応(※)や環境認証の取得を加速させています。グローバル市場での競争力維持のため、欧州や米国の厳しい環境規制への適合が求められており、カーボンフットプリント(製品製造時のCO₂排出量)の開示に取り組むメーカーも増えています。

※ESG:環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)の頭文字をとった言葉。この3つの観点で企業を評価する投資・融資の考え方が世界的に広まっており、企業の情報開示や目標設定にも影響を与えている。

ハンファジャパンに学ぶJ-クレジット活用の実践モデル

太陽光発電とJ-クレジットの組み合わせは、理論としては理解できても「実際にどう運用するのか」がイメージしにくいという声も多いです。ここでは、ハンファジャパンが展開する「QセルズCO₂削減プロジェクト」を例に、J-クレジット活用の具体的な実践モデルを紹介します。

QセルズCO₂削減プロジェクトとは

QセルズCO₂削減プロジェクト

出典:「QセルズCO₂削減プロジェクト」公式サイト

「QセルズCO₂削減プロジェクト」は、ハンファジャパンが推進するJ-クレジット活用の取り組みです。一般家庭の太陽光発電システムで発電した電気のうち、自家消費分のデータをハンファジャパンに提供することで、J-クレジット制度を活用した「環境価値の証書化」が可能になります。 各家庭から集約されたクレジットは、RE100を目指す企業など、温室効果ガスの排出削減に取り組む企業・団体に提供されます。

個々の家庭では発電量が小さくてもJ-クレジットを取得しにくいという課題を、ハンファジャパンが取りまとめ役となって解決している点が、このプロジェクトの大きな特徴です。第4章で紹介した「アグリゲーション(集約)」の仕組みを、メーカー自らが実践しているモデルといえます。

「QセルズCO₂削減プロジェクト」の公式サイトはこちら

一般家庭も参加できる仕組みづくり

このプロジェクトへの参加対象は、過去2年以内に太陽光発電システムや蓄電システムを購入した方で、メーカーはハンファジャパン製に限らず全メーカーが対象です。参加方法もシンプルで、オンライン保証システムでの同意や、専用ホームページからの申し込みで完結。一般の生活者が「気軽に脱炭素に貢献できる」設計になっています。

参加期間は太陽光発電システム購入者で15年間、蓄電システム追加・交換者で8年間と長期にわたるため、継続的なCO₂削減への貢献が期待できます。

クレジット収益を社会貢献へ——グリーンアライアンスとの連携

クレジットの売却で得た収益の一部はグリーンアライアンスを通じてマングローブ植林事業への寄付やバングラデシュでの開発途上国支援に活用されており、ここにもハンファジャパンらしい工夫があります。毎年11月末にはグリーンアライアンスのサイトでCO₂削減のための植林活動の内訳が公開されており、透明性の高い運用が図られているのも特長です。

こうした取り組みの積み重ねにより、QセルズCO₂削減プロジェクトで認定されたJ-クレジットの累計削減量は2,450t-CO₂(2023年12月時点)に達しています。太陽光発電の環境価値をクレジットとして可視化し、その収益をさらなる脱炭素活動へと循環させるこのモデルは、J-クレジット活用の新しいあり方を示しているといえるでしょう。

J-クレジットに取り組む際の注意点と今後の展望

J-クレジットは太陽光発電の環境価値を収益に変える魅力的な制度ですが、実際に取り組む際にはいくつか押さえておきたいポイントがあります。最後に、申請・運用上の注意点と今後の見通しを整理します。

申請・運用でつまずきやすいポイント

手続きに時間がかかる
プロジェクト登録から実際にクレジットが発行されるまで、数ヶ月程度かかるケースも珍しくありません。余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。

小規模設備は費用対効果に注意
申請準備・第三者検証・登録簿管理などにはコストがかかるため、発電規模が小さい場合は単独での申請が割に合わないことも。アグリゲーションの活用や、申請支援サービスの利用を検討しましょう。

方法論の選択ミスに注意
プロジェクトの内容に合った方法論を正しく選ばないと、申請が通らないケースもあります。初めての場合は専門のコンサルタントに相談するのが安心です。

制度改正・価格動向など今後の見通し

J-クレジット制度は年々対象範囲が拡大しており、今後も農業・廃棄物・建築分野などへの広がりが見込まれます。また、2023年に本格始動した東京証券取引所のカーボン・クレジット市場により、取引の透明性と流動性はさらに高まっていく見通しです。

価格面では、企業の脱炭素ニーズの高まりを背景に上昇傾向が続いており、早めにプロジェクトを立ち上げて実績を積むことが、長期的な収益確保につながるといえるでしょう。

まとめ

J-クレジットは、CO₂削減という環境への貢献を「見える化」し、経済的な価値に変える仕組みです。太陽光発電との相性は特に高く、自家消費型の設備や卒FITを迎えた設備にとっては、発電収益に加えた新たな収入源として活用できる可能性があります。

制度の申請には手間やコストもかかりますが、アグリゲーションや支援サービスを活用することで、中小規模の事業者や一般家庭でも参加の間口は広がっています。ハンファジャパンのQセルズCO₂削減プロジェクトのように、メーカーや事業者が取りまとめ役となる新しいモデルも登場しており、J-クレジットはより身近な制度へと進化してるといえるでしょう。

脱炭素社会の実現に向けた流れは今後もさらに加速していくことが予想されます。J-クレジットへの早めの理解と参加が、環境への貢献だけでなく、自社・自宅の太陽光発電をより賢く活用することにもつながるのです。



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ソーラーメイト編集部

太陽光発電と再生可能エネルギーに関する深い専門知識を持つレネックス株式会社のスタッフが、最新の情報や役立つ知識を発信しています。

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