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2025年10月17日

太陽光パネルと蓄電池|新築同時と後付けを徹底比較【2025年版】

太陽光パネルと蓄電池|新築同時と後付けを徹底比較【2025年版】

新築で太陽光パネルと蓄電池を同時導入すれば配線・分電盤・全負荷設計を最適化しやすく、住宅ローン活用も可。後付けも現地調査と計画で対応可能。条件により選択は変わるため自宅の使用量と日照、電気料金プランを確認し、最新制度も網羅しています。

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この記事でわかること

本記事は、太陽光パネルと蓄電池を「新築で同時導入するか」「今の家に後付けするか」で迷っている方向けのガイドです。


2025年時点の価格相場や補助金の前提をふまえながら、ライフプランに合った導入タイミングを整理することを目的としています。


一方で、太陽光発電と蓄電池セットの基礎知識やメリット・デメリットの全体像トータルコストの詳しいシミュレーションについては、下記の関連記事でくわしく解説しています。



本記事ではこれらの内容を前提に、「新築同時」「既存住宅への後付け」「PPA・リース」など導入パターンの違いに焦点を絞って解説していきます。

要点

「太陽光に蓄電池って、本当に意味あるの?」結論から言えば、太陽光発電と蓄電池の組み合わせは電気代の大幅削減・停電時の安心・卒FIT後の有効活用という3つの恩恵をもたらします。

ただし、誰にでも向くわけではありません。初期費用の負担や設計ミスによる後悔を避けるには、冷静な判断が必要です。

あなたの家庭は導入に向いている?

導入をおすすめしたい家庭

  • 共働きで昼間は家にいない
  • オール電化で電気代が月2万円以上
  • 停電時の備えを本気で考えている
  • 新築やZEH住宅を建てる予定

慎重に検討すべき家庭

  • 屋根が北向きで日当たりが悪い
  • 月の電気代が1万円未満
  • 設置スペースが限られている
参照

向き・不向き

導入で満足している家庭と後悔している家庭、その分かれ道はどこにあるのでしょうか。

導入して良かった!と実感する家庭の特徴

共働きで昼間は留守が多い世帯

昼間の余剰電力を夜間に使うことで、月の電気代が3,000~5,000円も安くなるケースが珍しくありません。

オール電化住宅で電気代に悩む家庭

IHクッキングヒーターやエコキュートを使っていると、電気料金が月2万円を超えることも。蓄電池があれば安い深夜電力を有効活用でき、電気代の負担が大きく軽減されます。

災害への備えを真剣に考える家庭

台風や地震による停電時、冷蔵庫や照明、スマホの充電など最低限の電力を確保できる安心感は何物にも代えがたいものです。

こんな家庭は慎重に検討を

屋根条件に恵まれない住宅

北向きの屋根や周囲の建物で日照が遮られる環境では、太陽光発電の効率が大幅に低下します。

電気使用量が少ない世帯

月の電気代が1万円未満の家庭では、初期投資に対する削減効果が限定的です。

判断基準 向いている 慎重に検討
月の電気代 15,000円以上 10,000円未満
昼間の在宅状況 留守が多い 在宅が多い
屋根の向き 南・東・西向き 北向き
停電への意識 対策重視 特に気にしない
参照

しくみ

太陽光と蓄電池の連携システムは、基本的な流れを理解すれば意外とシンプルです。

昼と夜で変わる電気の流れ

昼間の動き

太陽光パネルが発電を開始し、まず家庭内で使う電気をまかないます。余った分は蓄電池に充電され、それでも余る場合は電力会社に売電します。この自動切り替えにより、外出中もシステムが最適な判断をしてくれます。

夜間の電力供給

日が沈むと、昼間に貯めた電気の出番です。蓄電池から静かに電力が供給され、電気代を気にせず快適に過ごせます。

停電時の頼もしいサポート

瞬時に切り替わる安心感

突然の停電時、システムが素早く自立運転モードに切り替わります。重要な家電への電力供給が継続されます。

全負荷と特定負荷の選択

全負荷タイプなら家全体の電気が普段通り使えますが、費用は高めです。特定負荷タイプは冷蔵庫や照明など必要最小限に限定される代わりに費用を抑えられます。

EVとの賢い連携

V2H(Vehicle to Home)システムとの組み合わせで、車のバッテリーを家庭用蓄電池として活用できます。

参照

費用と相場

太陽光パネルと蓄電池をセットで導入する場合の費用感は、 4〜5kWクラスの太陽光発電+5〜10kWhクラスの蓄電池で、おおむね250〜350万円(税込・工事費込み) がひとつの目安になります。


ただし、実際の見積もりは次のような条件で大きく変わります。


  • 屋根の形状・方角・影の有無(発電量の違い)
  • 蓄電池の容量(kWh)や、全負荷型か特定負荷型か
  • ZEH仕様かどうか、DR補助金・自治体補助金の有無
  • 東京都など、補助金が手厚い自治体かどうか
  • 訪問販売か、地場工務店・販売店か、一括見積サイト経由か

このページでは、価格の細かい内訳よりも「新築同時に入れるか、後付けにするか」の判断に焦点を当てます。


メーカー別・容量別の価格レンジや、太陽光単体/蓄電池単体の相場、10〜15年で元が取れるかのシミュレーションは、下記の記事でくわしく解説しています。


回収のカギ

「正直、元は取れるの?」この直球の疑問に包み隠さずお答えします。太陽光と蓄電池の投資回収は、設計次第で大きく変わるというのが現実です。

電気料金の変動を味方につける

電気料金の高騰が続く中、自家発電・自家消費の価値は年々高まっています。売電価格は年々下降傾向にある一方、電気料金は上昇しており、この価格差こそが蓄電池導入の経済的メリットを生む源泉なのです。

2025年度FIT価格の最新情報

  • 2025年4~9月:15円/kWh(前年度16円から引き下げ)
  • 2025年10月以降:初期投資支援スキーム導入
    • 最初の4年間:24円/kWh
    • 5~10年目:8.3円/kWh

この新方式は初期投資回収を加速させる目的で、従来の単一価格制から大きく転換しました。

投資回収を早める3つのポイント

  1. 適切な容量設計 – 使用量に見合った蓄電池容量の選択
  2. 生活パターンの最適化 – 昼間の自家消費率向上
  3. 補助金の最大活用 – 国・自治体制度の組み合わせ

元が取れない?

「SNSで『蓄電池はやめとけ』って見たけど…」確かに条件によっては期待外の結果になるケースもありますが、正しい理解と設計があれば十分に回収可能です。

「元が取れない」と言われる理由

  • 過大な容量設計による初期費用の増大
  • 生活パターンに合わない運用方法
  • 補助金や制度活用の不備
  • 設置環境の事前検証不足

逆に言えば、これらの課題をクリアすれば投資回収は現実的です。実際に多くの家庭で10~15年での回収を実現しており、その後は純粋な電気代削減効果を享受できます。

重要なのは、あなたの家庭の条件を正確に把握することです。電気使用量、在宅パターン、将来の電化計画を含めて総合的に判断しましょう。

参照

停電対策

「本当に停電時に役立つの?」蓄電池は単なる電気代削減ツールではなく、家族の安全を守る重要な設備です。

全負荷と特定負荷の選択

停電対策で最も重要な判断が、全負荷型か特定負荷型かの選択です。

全負荷型の安心感

家全体の電気が普段通り使える全負荷型は、エアコン、IH、エコキュートまで稼働します。小さなお子さんや高齢者がいる家庭では特に重宝します。

特定負荷型の現実的選択

冷蔵庫、照明、通信機器など最低限必要な機器に絞る特定負荷型は、コストを抑えながら確実な備えを実現します。多くの家庭では、この選択で十分な安心感を得られます。

自立運転の実際

停電が発生した瞬間、蓄電池システムは自動で自立運転に切り替わりますが、完全に瞬断なしというわけではありません。数秒程度の電力供給停止は発生するため、パソコンなどの精密機器は注意が必要です。

太陽光のみは手動で自立運転コンセント使用/蓄電池併設は多くが自動切替(短時間の瞬断あり・機種差あり)。

V2H/V2Xとの組み合わせ効果

電気自動車をお持ちなら、V2H(Vehicle to Home)システムとの組み合わせで、より強力な停電対策が可能です。EVの大容量バッテリー(40~100kWh)は、一般家庭なら3日~1週間程度の電力をまかなえる規模です。

太陽光発電 + 蓄電池 + EV + V2Hの組み合わせなら、長期間の停電でも自給自足に近い生活が可能になります。

実際の災害での活用事例

2019年の台風15号で長期停電を経験した千葉県では、蓄電池を導入していた家庭とそうでない家庭で大きな差が生まれました。冷蔵庫の食材保存、スマートフォンの充電、夜間照明の確保など、日常生活の維持に蓄電池が果たした役割は計り知れません。

参照

設計の要点

「容量選びで失敗したくない…」蓄電池選びの核心である容量設計と配電方式について、具体的なポイントを解説します。

容量の決め方

蓄電池の容量選びは「大きければ良い」というものではありません。過不足のない適切な容量を選ぶことで、初期投資を抑えながら最大の効果を得られます。

1日の電力使用パターンを把握する

一般的な4人家族なら1日12~15kWh程度の消費量ですが、オール電化住宅では20kWh以上になることもあります。

夜間使用量から逆算する

蓄電池の主な役割は「夜間の電力供給」なので、夕方から翌朝までの使用量が容量選びの基準になります。多くの家庭では5~8kWh程度で十分ですが、在宅ワークやペットがいる家庭では多めの容量が安心です。

将来の電化計画も考慮

「数年後にEVを購入予定」「エコキュートの導入を検討中」といった将来計画があるなら、それを見込んだ容量設計が重要です。後から容量を増やすのは簡単ではないため、やや余裕のある設計をおすすめします。

PCS/分電盤の選択

ハイブリッド型と単機能型の違い

太陽光発電と蓄電池を一つのパワーコンディショナー(PCS)で管理するハイブリッド型は、変換効率が高く省スペースです。一方、蓄電池単体で動作する単機能型は、既存の太陽光発電に後付けしやすいメリットがあります。

全負荷化工事の検討

分電盤の全負荷化により、停電時でも家全体で電気が使えるようになります。ただし、分電盤の容量や配線の状況によっては大規模な工事が必要になる場合があります。

200V機器への対応

エアコンやエコキュート、IHクッキングヒーターなどの200V機器を停電時も使いたい場合は、対応する蓄電池システムを選ぶ必要があります。

施工・保証の重要性

メーカー保証の内容確認

蓄電池本体の保証期間は10~15年が一般的ですが、自然災害保証や性能保証の条件も重要なチェックポイントです。

施工実績と技術力

蓄電池の性能を最大限に引き出すには、経験豊富な施工会社による適切な工事が不可欠です。設置場所の選定、配線経路の計画、分電盤工事の技術力など、実績のある会社を選ぶことが成功の鍵です。

参照

新築同時導入と後付け、どちらが自分に合っている?

太陽光パネルと蓄電池を検討している方の多くが悩むのが、 「新築のタイミングで一気に入れるべきか」「今の家に後付けするべきか」というポイントです。
ここでは、それぞれのメリット・注意点・向いている人を整理してみましょう。

新築で太陽光パネル+蓄電池を同時導入する場合

新築の打ち合わせ段階から太陽光と蓄電池を前提にしておくと、家そのものを「電気代の安い家」「停電に強い家」として設計できます。

    メリット

  • 屋根形状や方角をふまえて、パネル枚数・配置を最初から最適化できる
  • 分電盤や配線も、最初から全負荷対応・非常用コンセント付きで組める
  • 住宅ローンに組み込めるため、月々の負担感が小さくなりやすい
  • ZEH仕様や新築向け補助金を活用しやすい(条件を満たせば補助額が大きい)

    注意点

  • 見積書上は「本体+オプション+太陽光+蓄電池」で合計金額が大きく見える
  • ハウスメーカー標準仕様の場合、選べるパネルメーカー・蓄電池が限られることがある

    こんな人に向いています

  • これからZEHレベルの新築一戸建てを建てる予定がある
  • 最初から「電気代の安い家」「停電に強い家」にしたい
  • 将来EV(電気自動車)やオール電化も視野に入れている

既存住宅に後付けで導入する場合

すでに家をお持ちの場合は、「太陽光だけ後付け」「先に太陽光、そのあと蓄電池」「蓄電池だけ後付け」など、段階的な導入も選べます。

    メリット

  • 太陽光だけ/蓄電池だけなど、予算に合わせて段階的に導入できる
  • すでに太陽光が載っている場合、蓄電池のみ後付けする選択肢がある
  • ハウスメーカー縛りがなく、地域の施工店や一括見積サイトを自由に比較できる

    注意点

  • 屋根の劣化や耐荷重、日当たりなどをあらためて調査する必要がある
  • 全負荷対応にしたい場合、分電盤の交換工事が必要になるケースがある
  • 既存の太陽光パワコンとの相性(ハイブリッド型か単機能型か)の確認が必須

    こんな人に向いています

  • 今の家に長く住む予定があり、電気代や停電対策を強化したい
  • すでに太陽光発電だけ導入していて、蓄電池を後から足したい
  • 一度に大きなローンを増やすより、段階的に投資したい

どちらが良いか迷う場合は、「補助金(国・自治体)」「住宅ローンの残期間」「家族構成や将来のライフプラン(EVやリフォームの予定)」といった条件を整理したうえで、
信頼できる施工会社に新築同時プランと後付けプランを両方見積もってもらうのがおすすめです。

補助・制度

「補助金でいくら安くなるの?」補助金は確かに初期費用を大幅に軽減できますが、申請条件や時期を正しく理解することが重要です。

国の支援制度(最新情報)

2025年度の主な支援内容

  • FIT(固定価格買取制度)
    • 2025年4~9月:15円/kWh
    • 2025年10月以降:初期投資支援スキーム(~4年:24円/kWh、5~10年:8.3円/kWh)
  • DR(デマンドレスポンス)家庭用蓄電池事業
    • 最大60万円/戸
    • ※2025年7月2日に予算到達で公募終了
    • 次年度の公募情報は公式サイトで確認を
  • ZEH支援事業
    • ZEH:55万円/戸、ZEH+:90万円/戸(年度要件で加算あり/最新は一次情報を参照|最終確認日:2025-10-16)

重要:人気の高い制度は年度前半で予算が尽きることも多いため、早めの申請準備が成功の鍵となります。

自治体独自の手厚い支援

東京都の先進的な取り組み

東京都では「クール・ネット東京」を通じて、他の自治体を大きく上回る補助金を提供しています。

東京都の助成金(単価制)

  • 蓄電池パッケージ:12万円/kWh
  • 蓄電池ユニット:8万円/kWh
  • DR参加加算:+10万円
  • ※条件・期間は要項を必ず確認

国の制度と併用可能です。

その他の自治体動向

神奈川県、埼玉県、愛知県なども独自の補助制度を展開しており、中には市町村レベルでさらに上乗せされる地域もあります。お住まいの自治体の制度は必ずチェックしましょう。

DR/DER参加による運用収入

「設置後も収入が得られる?」最近注目されているのが、DR(デマンドレスポンス)実証事業への参加による継続的な収入機会です。

電力需給が逼迫した際に蓄電池から放電することで、月数千円~1万円程度の調整料金を受け取れる制度です。まだ実証段階ですが、将来的には蓄電池が収入源になる可能性もあります。

申請時の注意点

  • 申請期間と予算枠の確認
  • 必要書類の事前準備
  • 施工会社による申請代行サービスの活用
  • 国・自治体制度の重複適用可否
参照

まとめ

太陽光パネルと蓄電池の導入は、設計がすべてです。あなたの家庭の電気使用量、停電時の必要性、将来の電化計画を総合的に検討し、最適な容量と配電方式を選択することが成功の鍵となります。

制度は常に変動していることも忘れてはいけません。FIT価格、補助金額、DR事業の内容は年度ごとに見直されるため、タイミングを逃さない判断が重要です。

導入の基本ステップ

  1. 現地調査による設置条件の確認
  2. 電気使用量分析と容量設計
  3. 補助金制度の確認と申請準備
  4. 信頼できる施工会社との契約
  5. 運用開始後のDR参加検討

「迷ったら専門家に相談」これが最も確実な方法です。一人で悩むより、複数の専門会社から提案を受けて、納得のいく選択をしましょう。太陽光発電と蓄電池は、あなたの暮らしを豊かにする長期的なパートナーになるはずです。

FAQ

Q1. 太陽光だけで家の電気を全部まかなえる?

A. 夜間は発電しないため、太陽光発電単体では24時間の電力供給は困難です。

蓄電池との組み合わせにより、昼間の余剰電力を夜間に活用することで、高い自給率を実現できます。ただし、真冬の積雪時や連続した悪天候では、電力会社からの電気購入が必要になります。

参照

Q2. 後付けはやめた方がいい?

A. 決してそんなことはありません。既存の太陽光発電システムとの適合性確認と、分電盤・配線工事の計画をしっかり行えば、後付けも十分に有力な選択肢です。

重要なのは信頼できる施工会社による詳細な現地調査を受けることです。技術の進歩により、後付け対応の蓄電池も豊富に揃っています。

参照

Q3. 元が取れないって本当?

A. 設計と運用方法次第というのが正直な回答です。過大な容量設計や生活パターンに合わない運用では期待外の結果になりますが、適切な設計と補助金活用により、多くの家庭で10~15年での投資回収を実現しています。

重要なのは、電気料金と売電単価の差、そして将来の電気料金上昇を考慮した長期的な視点での判断です。

参照

Q4. 新築と同時か、あとで蓄電池を追加か?

A. 新築同時導入が理想的ですが、後付けも十分に現実的な選択です。新築同時なら配線・分電盤・全負荷化を最適設計でき、住宅ローンも活用できます。

後付けの場合は、現地調査による適合確認と段階的な投資計画が重要になります。どちらもメリットがある選択肢として検討してください。

参照

電気代さげるなら

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ソーラーメイト編集部

太陽光発電と再生可能エネルギーに関する深い専門知識を持つレネックス株式会社のスタッフが、最新の情報や役立つ知識を発信しています。

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