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2023年08月21日

太陽光パネルのメンテナンス費用はいくら?戸建て・事業用の相場

太陽光パネルのメンテナンス費用はいくら?戸建て・事業用の相場

太陽光パネルのメンテナンス費用や点検頻度の目安をわかりやすく整理し、必要な対応だけを見極める判断基準を解説します。長く安心して使うための基礎知識です。加えて、故障を早期に察知するポイントや、業者へ依頼すべきケースも具体的に示し、安心して判断できる内容にまとめています。

電気代さげるなら

太陽光パネルを設置したあと、「実際にどのくらいメンテナンス費用がかかるの?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、住宅用と産業用それぞれのメンテナンス費用の相場や内訳、費用を抑えながら発電量を維持するコツまで解説します。

メンテナンス費用の全体像

メンテ費用のおおまかな相場

住宅用(一戸建て)の場合、年間で約1.5万~3万円程度が目安です。
産業用は、低圧(50kW未満)で年間10万~30万円程度、高圧(50kW以上)では50万~200万円程度が相場です。

O&M契約には遠隔監視や草刈り、駆けつけ対応などが含まれます。

太陽光発電協会(JPEA)が策定し資源エネルギー庁がサポートしている「太陽光発電事業の評価ガイド」では、適切なメンテナンスを行うことで稼働率を高め、長期的な売電収入を確保できるとされています。
※O&M契約:施設や設備の「運用(Operation)」と「保守(Maintenance)」を専門業者に委託する契約のこと

出典:JPEA「太陽光発電事業の評価ガイド

メンテナンス費用の相場と内訳(2025年)

住宅用の年間相場

住宅用太陽光発電(10kW未満)では、年間約1.5万~3万円が標準的です。

経済産業省の調達価格等算定委員会(令和6年度資料)では、住宅用の運転維持費として想定値1kWあたり年間3,000円が示されています。5kWシステムなら年間約1.5万円です。
東京ガスのコラムでも「1kWあたり3,000円/年」という目安が紹介されています。

基本的な維持管理なら年間1.5万円程度、清掃や遠隔監視は年2〜3万円程度と明示しています。

出典:
経済産業省「調達価格等算定委員会 令和6年度資料
東京ガス「太陽光発電システムに維持費用はかかる?

産業用(低圧・高圧)の相場

低圧(50kW未満)は年間10万~30万円程度が目安です。基本点検のみなら10万円台、フルO&M契約では20万~30万円程度になります。
高圧(50kW以上)は年間50万~200万円程度が相場です。

電気主任技術者の選任や定期的な電気検査が法律で義務付けられるため、専門的な保安管理が必要となります。

出典:関西電力「太陽光発電のメンテナンスは必要?費用相場や点検頻度

メンテ費用に含まれる項目

項目内容頻度の目安
定期点検パネル・パワコン・架台の目視確認、電気測定、絶縁抵抗測定など住宅用:4年に1回以上、産業用:年1〜2回
清掃パネル表面の汚れや鳥のフン、落ち葉などの除去年1回~数年に1回(環境による)
遠隔監視発電量や異常をリアルタイムで確認するシステムの利用料常時(月額または年額)
駆けつけ対応異常発生時に業者が現地で確認・応急処置必要時
レポート作成点検結果の報告書作成、写真付き記録点検ごと
草刈り・除草パネル周辺の雑草管理(影による発電低下を防ぐ)年2~4回(産業用)

JPEA「保守点検(O&M)について」では、これらを組み合わせた総合的なO&M契約が推奨されています。
産業用では遠隔監視と定期点検をセットにすることで、異常の早期検知と稼働率維持を両立できます。

出典:JPEA「保守点検(O&M)について

住宅用メンテ費用(2025)

戸建ての定期点検と料金目安

JPEAの公式ガイドラインでは「設置後1年目+その後4年に1回以上」が最低ラインです。ただし、安心のためには3〜4年に1度のペースがおすすめです。

台風・落雷・大雪の後は臨時点検を依頼するとより安全です。点検内容は、パネル表面の目視確認、パワコンの動作確認、架台やケーブルの緩み・腐食チェック、絶縁抵抗測定、発電量データの確認などです。

京セラの2025年度資料によれば、5kW程度の住宅用設備で定期点検1回あたり約4〜5万円程度が相場です。

出典:
JPEA FAQ「メンテナンスや点検はどうすればいいですか?
京セラ「住宅用太陽光発電のメンテナンス費用相場(2025年)

清掃・草刈りなど日常ケア

清掃は毎年必須ではありません。パネルは雨で自然に汚れが流れる設計です。

ただし、鳥のフンや落ち葉が多い場所、海沿い、交通量の多い地域、黄砂や火山灰の影響を受けやすい地域では定期清掃が効果的です。

業者依頼は1回2万~4万円程度が相場となります。自分で水をかける程度なら費用不要ですが、屋根に登るのは危険なため無理をしないでください。

住宅用でよくある修理と費用感

修理内容費用の目安備考
パワコン交換20万~40万円寿命は10~15年程度
ケーブル修理・交換1万~5万円断線や劣化による
架台の補修3万~10万円錆や緩みの補強
パネル1枚交換5万~10万円破損や著しい劣化時

パワコン交換は設置から10年前後で発生しやすい大きな出費です。メーカー保証が10年間ついている場合が多く、保証期間内なら無償交換できるケースもあります。

火災保険や住宅設備保険で太陽光パネルの修理がカバーされることもあるため、加入保険の内容を確認しておくことをおすすめします。

産業用・事業用メンテ費用

低圧・高圧別のO&M相場(運用/保守)

低圧(50kW未満)は年間10万~30万円程度が標準です。基本点検のみなら10万円台から可能ですが、以下のように依頼内容で金額は変わります。

  • 遠隔監視:月額5,000円~1万円
  • 草刈り:年2~4回で計5万~10万円
  • 駆けつけ対応:年間20万~30万円

高圧(50kW以上)は年間50万~200万円程度が相場です。電気主任技術者の選任や厳格な定期点検が法律で義務付けられるため、規模により200万円を超えることもあります。

遠隔監視・除草など

遠隔監視は発電量の異常を早期検知でき、売電損失を最小限に抑えます。JPEAの資料でも、遠隔監視と定期点検を組み合わせることで稼働率95%以上を維持できるケースが多いとされています。

除草も重要です。雑草がパネルに影を落とすと発電量が大幅低下し、ホットスポット(局所的な過熱)によるパネル劣化の原因にもなります。

出典:JPEA「保守点検(O&M)について

自分でできる範囲とプロの点検

日常チェックのリスト

自分で行う日常チェックは、地上から目視で確認できる範囲に限定してください。月に1回程度、以下を確認するといいです。


チェック項目確認方法異常の目安
発電量モニター前月や前年同月と比較50%以上の大幅な低下
エラー表示パワコンのランプ確認赤ランプ点灯・異常表示
パネル表面地上から目視明らかな破損や汚れ
異音の有無パワコン周辺で確認普段しない音やブザー音
周辺環境パネルへの影を確認草木が伸びて影を落としている
ケーブル地上から目視のみ垂れ下がりや外れ(触れない)

東京ガスの資料でも、日常的な目視チェックと発電量の確認は、設備の異常を早期に気付くために有効とされています。

自主点検でやってはいけないこと

自分でメンテナンスを行う際、絶対にやってはいけないことがあります。

注意点

  • 屋根に登る(転落の危険)
  • パネルやケーブルに直接触る(感電や漏電のリスク)
  • 自力で架台の緩みを修理する(状況悪化の可能性)
  • パワコンの内部を開ける(高圧電流で危険)
  • 水圧洗浄機で清掃する(パネル損傷のリスク)

JPEAの「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」でも、電気設備や高所作業は専門業者に任せるべきとされており、自己判断での作業は安全対策上推奨されていません。

異常に気付いた場合は、無理に自分で対処せず、すぐに設置業者やメンテナンス業者に相談してください。

出典:JPEA「太陽光発電システム保守点検ガイドライン

プロ点検でしか分からない不良

専門業者の点検では、目視では分からない不良を発見できます。

  • 絶縁抵抗の低下(専用測定器で電気的安全性確認)
  • 接続箱内の腐食や緩み(内部の詳細チェック)
  • パネルのマイクロクラック(赤外線カメラで内部の微細なひび割れ検出)
  • ストリングごとの発電量差(劣化パネルの特定)
  • 架台の腐食や構造的問題(長期的安全性の評価)

これらの不良は早期発見で大きなトラブルを防げます。JPEAの推奨する住宅用は4年に1回以上、産業用は年1〜2回のプロ点検を受けることで、安全と発電効率の両方を確保できます。

費用を抑えて発電量を維持するコツ

監視と早期相談で損失を最小化

遠隔監視システムを導入すると、発電量の異常をリアルタイムで検知できます。月額5,000円~1万円程度の費用はかかりますが、故障による売電損失を最小限に抑えられます。

小さな不具合のうちに修理でき、高額な交換なども回避でき、稼働率を高く維持し長期的な収益を確保できます。

関西電力の資料でも、監視システムによる早期検知が結果的にランニングコストの削減につながると説明されています。

異常に気付いたらすぐに業者に相談することも大切です。「様子を見よう」と放置している間に、発電量の低下が続き損失が膨らむケースは少なくありません。

契約プランの選び方(スポット/年契約)

メンテナンス契約には主に以下の種類があります。

  • スポット契約:必要なときだけ依頼。設置後間もない、自分で日常管理できる方に向いています。
  • 年間契約:定期点検+緊急対応がセット。安定的にメンテナンスしたい一般的なケースに最適です。

住宅用であれば年間契約が最もバランスがよく、費用も把握しやすいです。産業用で大規模な設備を持つ場合は、複数年契約で料金を下げられることもあります。

「故障かな」と思ったときの対応

よくある不具合と原因

太陽光発電システムで起こりやすい不具合と、その原因を表にまとめました。


症状考えられる原因緊急度
発電量が50%以上低下パワコン故障、ストリング断線、パネルの重度汚れ
エラー表示が出ているパワコンの異常、系統連系の問題
発電量が10~20%低下パネルの汚れ、一部パネルの劣化、影の影響
異音がするパワコンの冷却ファン故障、内部部品の劣化
発電量の変動が大きい天候や時の影響、接続不良

京セラの資料によれば、発電量が大幅に低下した場合は早急に専門業者に連絡することが推奨されています。特にパワコンの故障は、放置すると完全に発電が止まるため、早期対応が重要です。

出典:京セラ「住宅用太陽光発電のメンテナンスはなぜ必要?

修理費用と保証・保険

修理費用は不具合の内容によって大きく異なります。※以下は目安金額として

  • パワコン交換:住宅用 20万~40万円/産業用 30万~50万円程度
  • ケーブル修理:1万~5万円
  • パネル交換(1枚あたり):5万~10万円
  • 接続箱の修理:3万~8万円

上記は目安です。

ただし、メーカー保証期間内(通常10年、有償延長で15年)であれば、無償修理や交換が受けられる場合があります。まずは保証書を確認し、メーカーや販売店に連絡してください。

また、火災保険や動産総合保険で、自然災害(落雷・台風・雪害など)による損害がカバーされることもあります。保険会社に問い合わせて、太陽光発電設備が補償対象になっているか確認してみてください。

太陽光+蓄電池のメンテ費用

蓄電池のメンテ・交換費用

家庭用蓄電池のメンテナンスは基本的に年1回の点検で十分です。費用は1回あたり1万~2万円程度が相場で、太陽光パネルの点検と同時に行えば追加費用は5,000円~1万円程度で済みます。

ただし、蓄電池には寿命があります。リチウムイオン電池の場合、一般的に10~15年程度で交換が必要です。交換費用は容量やメーカーによって異なりますが、80万~150万円程度が目安です。

容量によっては70万円台から200万円超まで幅があるため、詳しくは業者に見積もりを取ることをおすすめします。

出典:東京ガス「蓄電池のメンテナンス費用の相場

太陽光+蓄電池のランニングコスト

太陽光パネルと蓄電池を組み合わせた場合、年間のトータルランニングコストは2.5万~5万円程度が目安です。

太陽光パネルの運転維持費が年間1.5万~3万円、蓄電池の点検費用が年間5,000円~1万円、必要に応じて清掃や遠隔監視を追加すると、この範囲に収まります。

これに加えて、10~15年後には蓄電池の交換費用が発生します。

東京ガスの資料でも、太陽光と蓄電池をセットで導入する場合、長期的なコスト計画を立てておくことの重要性が強調されています。

一方で、蓄電池があることで停電時も電気が使えたり、電気代を削減できる効果もあるため、ランニングコストだけでなく、トータルでのメリットを考えることが大切です。

出典:東京ガス「家庭用太陽光発電の設置費用はいくら?

メンテナンス業者の選び方

見積もり・料金表示のチェック

業者を選ぶ際、まず確認すべきは料金表示の明確さです。

  • 点検内容が具体的に記載されているか(目視確認、電気測定、清掃など)
  • 基本料金と追加料金の区別が明確か
  • 出張費や駆けつけ対応の費用が明示されているか
  • 見積もりに「一式」などの曖昧な表現が多くないか

複数の業者から相談・資料請求をして、見積もりを比較することが大切です。JPEAの「保守点検(O&M)について」でも、O&M契約では内容と料金の透明性が重要とされています。

極端に安い業者は、点検項目が不十分だったり、後から追加料金が発生するケースもあるため注意が必要です。

点検・監視・レポートの違い

メンテナンス契約には、さまざまな種類があります。定期点検は年1~2回の現地訪問点検で基本料金に含まれます。

遠隔監視は発電量の常時監視で月額または年額で追加されます。

駆けつけ対応は異常時の緊急出動で、回数制限あり/無制限で料金差があります。レポート作成は点検結果の詳細報告で、基本料金に含まれることが多いです。

関西電力の資料によれば、住宅用なら定期点検のみでも十分なケースが多いですが、産業用では遠隔監視と駆けつけ対応をセットにしたO&M契約が一般的です。

自分の設備規模や重視するポイント(コスト重視か、安心感重視か)に合わせて選んでください。

まとめ

メンテナンス費用の捉え方

住宅用なら、日常的な維持で大きな負担が発生するケースは多くありません。決めておきたいのは、

  • 設置から最初の1年目に点検を受けること
  • その後は、数年に一度のペースで状態を確認すること

この2つだけで、設備の健康状態は十分に保てます。

長く使うための投資発想

メンテナンスは「取れるだけ削るコスト」ではありません。むしろ、

  • 発電量の落ち込みを防ぎ、毎日のメリットを長持ちさせる
  • 故障の芽を早く見つけ、高額トラブルを避ける
  • 設備そのものの価値を落とさず、いつでも良い状態を保つ

という資産の寿命を伸ばすための行動に近いものです。

京セラや関西電力の資料でも、「長く使うほど、初期費用より維持の仕方が差を生む」という視点が繰り返し強調されています。

FAQ

Q1:どのくらいの頻度と費用が目安?

A:住宅用ならJPEAの基準で設置後1年目+その後4年に1回以上の定期点検が最低ラインです。



費用は1回あたり4〜5万円程度。安心のためには3〜4年に1度のペースがおすすめです。産業用では年1~2回以上の点検が推奨され、年間10万円以上が相場です。



設置から10年以上経過している場合は、頻度を増やすことも検討してください。

出典:関西電力「太陽光発電のメンテナンスは必要?費用相場や点検頻度

Q2:点検しないとどんなリスクがある?

A:点検を怠ると以下のリスクがあります。

  • 発電量が大幅に低下し、売電収入や節約効果が減少
  • 故障や不具合の発見が遅れ、修理費用が高額化
  • 火災や感電などの安全上の危険が増加
  • 設備の資産価値が低下

といったこれらのリスクが高まります。

東京ガスの資料でも、定期点検を行わないことで長期的に損失が膨らむ可能性が指摘されています。メンテナンスは「やらなくても平気」ではなく、「やらないとリスクが高まる」と考えるとよいです。

出典:東京ガス「太陽光発電システムに維持費用はかかる?

Q3:清掃は本当に不要?

A:環境によります。パネルは雨で自然に汚れが流れる設計ですが、鳥のフンや落ち葉が多い場所、海沿いや交通量の多い地域では、定期的な清掃が効果的です。

ただし、自分で屋根に上って清掃するのは危険です。安全対策のためにも、清掃が必要な場合はプロに依頼してください。

費用は1回2万~4万円程度ですが、汚れによる発電低下を回復できる効果があります。


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