2025年04月28日

GX志向型住宅にHEMSが必須な理由とは?導入メリットと注意点
電気代高騰に備える!GX志向型住宅とHEMSでかしこく省エネ。補助金を利用し、災害時も安心な快適で地球にやさしい未来の家を手に入れましょう。メリットや補助金、ZEHとの違いをわかりやすく解説します。
目次

なぜ今「GX志向型住宅」なのか?

GX志向型住宅(グリーントランスフォーメーション)とは
GX志向型住宅は、GX(グリーントランスフォーメーション)の考え方である、脱炭素社会の実現に向けた取り組みである、地球にやさしく、経済的にもメリットがある家づくりを取り入れた住宅のことです。 主な特徴としては、高い省エネ性能、太陽光発電などの再生可能エネルギーの活用、HEMSの導入、環境負荷の低減が挙げられます。
GX志向型住宅が今注目されている理由
2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、産業構造や社会経済の変革を目指すGXを強力に推進しています。そこで、住宅分野におけるGXの中心核となるのが、GX志向型住宅です。 脱炭素社会実現への貢献度が高い住宅として積極的に推進されているため、関連業界や消費者から注目度が高まっています。 GX志向型住宅の普及を後押しするため、国から高額な補助金が用意されています。初期費用を大幅に削減できる経済的メリットは非常に大きく、注目を集める要因となっています。
GX志向型住宅の条件とZEH・長期優良住宅との違い
GX志向型住宅の条件
- 断熱等性能等級6以上
- 再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率「35%以上」
- 再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率「100%以上」
上記の条件をクリアしていれば、補助金を受けれる対象は全ての人が対象となります。 一次エネルギー消費量とは、住宅で使用するエネルギーを、石油や天然ガスなどの元々のエネルギー源に換算した量です。この削減率が大きいほど省エネ性能が高く、光熱費の削減や環境へのいい影響などを与えてくれます。
- 断熱等性能等級とは?
- 断熱等性能等級とは、2000年に施行された住宅の品質確保の促進等に関する法律で定められた、住宅の断熱性能を示す指標です。断熱等級は、数字が大きいほど熱の出入りが少なく、断熱性能が高いとされています。 断熱性能が高いと、冬は家じゅうどこでも暖かく、夏は涼しく保ちやすいため、冷暖房に頼る機会が増え電気代の削減につながります。 2022年に等級6.7が新設され、2025年以降等級4が最低基準となり、全ての新築住宅において高い断熱性能が求められます。 参考:LIXIL

ZEHは、エネルギー収支ゼロを目指す家、長期優良住宅が長く快適に住める性能を持つ家。GX志向型住宅は、ZEHよりもさらに高い省エネ性能と環境への配慮を重視した家。といった、それぞれの位置づけがあります。 さらに、ZEHについてはこちらでも詳しく載せています。

ZEH住宅で太陽光発電なしはコスパ悪い?
「ZEH」という言葉を聞いたことありますでしょうか?ZEHとは省エネ設備が整った住宅を指しますが、「ZEH住宅」と認定されるには基準があります。ZEHと太陽光発電は非常に深い関係性...
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GX住宅志向住宅の補助金制度【2025年最新】

GX志向型住宅の大きなメリットは、政府が実施する子育てグリーン住宅支援事業によって手厚い補助金を受けられることです。この支援事業は日本の脱炭素のために、高性能な省エネ住宅の取得やリフォームをすべての世帯に広げて支援しているのが特徴です。
子育てグリーン住宅支援事業の対象要件

詳細については公式ホームページをご確認ください。
GX志向型住宅にするメリット

実は光熱費だけではなく、GX志向型住宅にするメリットは多岐に渡り様々な面で恩恵を受けることができます。では、どのようなメリットがあるのか大きく4つに分けてご紹介します。
光熱費の大幅な削減
光熱費の大幅な削減は、GX志向型住宅の中でも特に実感しやすいメリットの一つです。高い省エネ性能によって、冷暖房費や照明費などのエネルギー消費を抑えることができるため、毎月の光熱費を大きく削減できます。 特にご家族がいるご家庭では、浮いた分を子どもの教育費や日々の食費に充てるなど、家計にゆとりを持たせることが可能です。 また、近年高騰を続ける電気料金については、将来的にも大幅に下がる見込みは少ないと言われています。こうした状況に備え、今のうちからエネルギーの使い方を見直しておくことは、将来への安心にもつながりますね。
快適な室内環境の実現
高い断熱性と気密性を備えた住まいは、室内の熱が外に逃げにくいため、家の中の温度差がぐっと小さくなります。 冬は家中どこにいても暖かく、夏は涼しさを保ちやすいので、居室だけでなく廊下や脱衣所なども快適な空間に。部屋から部屋への移動時に感じるような温度差のストレスも減って、毎日の暮らしがぐっと快適になります。 さらに、高効率な換気システムと組み合わせることで、湿気がこもりにくくなり、カビや結露の発生を防ぐ効果もあります。常に新鮮できれいな空気が循環するので、アレルギーや空気のよどみが気になる方にとっても安心です。
住宅の資産価値向上
エネルギー効率が高く、環境性能に優れた住宅は、将来的に資産価値が高まる傾向にあります。エネルギー価格の変動リスクにも強く、経済的な安定性が増すとともに、将来的に売却を検討する際にも有利な条件を引き出す可能性があります。
災害時も安心
太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、停電時でも電力を使用できるため、万が一の災害時にも家族の安全と安心を確保することができます。 特に、子育て世帯にとっては、このような災害時の備えが重要なメリットとなるでしょう。 GX志向型住宅を選ぶことは、日々の暮らしを快適にするだけでなく、未来の地球環境を守る一歩となるのかもしれません。
GX志向型住宅はなぜHEMSが必要?

GX志向型住宅の「高い省エネ性能と創エネ能力」を、HEMSが「最大限に引き出し、賢く使うための手助けをする」といった関係性のため、GX志向型住宅において、HEMSは非常に重要です。 そしてGX志向型住宅では、このHEMSの導入が必須要件の一つであることからHEMSについても知っておきましょう。
- HEMS(ヘムス)とは?
- HEMSは簡単に言うと、家庭で使うエネルギーを見える化し、自動で制御することで、省エネや電気代の節約につなげるシステムのこと。家のエネルギーをかしこく管理して、電気代を節約するスマートなアシスタントのようなものです。例えるなら、優秀な執事のような存在です。 その一方で「HEMSは本当に必要?いらない?」「導入しても意味がないのでは?」といった疑問の声も存在します。 どんな理由で問題視されているのか下記のブログで解説しています。

太陽光発電とHEMS|いらないと言われる理由と効果的な活用方法とは
環境にやさしく、持続可能なエネルギー源として注目を集める太陽光発電。その効果を最大限に引き出すためには、Home Energy Management System(HEMS)との連...
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GX志向型住宅においてHEMSを使用する効果
GX志向型住宅では、建物自体の高い性能に加え、HEMSを活用することで、電気やガスといったエネルギーの使用状況を把握し、より賢く、効率的にエネルギーを活用することが可能です。では、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか?
電気の使用状況の見える化で節約促進
HEMSは、家庭内で使用される電気やガスといった光熱費に関わるエネルギーの使用量をリアルタイムで計測し、モニターやスマートフォンを通じて分かりやすく表示します。
HEMSの導入によって、どの機器がどれくらいのエネルギーを使っているかを把握しやすくなり、無駄な電力使用にも気づきやすくなります。
家族全員が意識を共有しやすくなるため、無理なく節約行動を促し、節約意識の向上にもつながります。
家電の制御による最適利用

HEMSは、エアコンや照明、給湯器などの家電や住宅設備と連携し、それらを一括で管理・制御できるシステムです。 ご家族のライフスタイルや時間帯に合わせて機器の自動オン・オフを行ったり、電力料金が割安な時間帯に合わせて機器を稼働させたりすることで、電力の利用を最適化。結果として、光熱費の削減にもつながります。
快適性と利便性の向上
HEMSを通じて対応家電を外出先から操作できるため、帰宅前にエアコンをつけて室内を快適にしておいたり、お風呂のお湯はりを済ませておくことができます。 こうした機能により、住まいの快適さを事前に整えることができるほか、家事の時短やサポートにもつながります。 特に小さなお子さんがいるご家庭では、こうした便利な機能が育児の手助けにもなるかもしれません。
GX志向型住宅の検討しておくべきポイント

初期費用が高くなる傾向がある
GX志向型住宅は、高断熱・高気密化のための高性能建材、高効率な設備機器、太陽光発電システムや蓄電池など、高性能な使用が求められるため、一般的な住宅と比較して建築時の初期費用が高くなる傾向があります。 ですが、初期費用が高くても、住んでからの光熱費を含めて「一生涯でどれだけお得になるか」という長い目で見て考えることが大切です。
設計・施工会社の選定が重要
一般的な住宅よりも高度な知識と施工精度が求められるのがGX志向型住宅です。これらの経験が豊富な会社は、設計段階での最適な提案力はもちろん、現場での難しい施工にも慣れており、計画通りの性能を実現できる可能性が高いです。 GX志向型住宅やZEHなどの省エネ住宅を建てた実績が多いところだと安心ですね。
立地条件の考慮
太陽光発電システムの設置には、屋根の形状や向き、周囲の建物の影響など、日当たりに関わる立地条件が発電量に大きく影響します。十分な総エネルギー量が見込まれるか確認が必要です。 太陽光発電の設置角度による発電への影響についてはこちらでも詳しく解説しています。

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まとめ
GX志向型住宅は、脱炭素社会への貢献に加え、光熱費削減や快適性向上、資産価値向上といった多くのメリットを持つ未来志向の住まいです。 高い初期費用や技術的な複雑さ、将来への対応など検討点はありますが、基準(断熱等級6以上等)を理解し、信頼できる設計・施工会社を選び、将来の拡張性や通信規格も踏まえた詳細な計画が重要です。 補助金活用も視野に入れ、賢く、安心して、長く快適に暮らせる家づくりを実現しましょう。
初期費用が実質0円|ソーラーメイトみらい とは
ソーラーメイトみらいは、実質0円で太陽光発電システムを導入できるサービスです。
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