2025年06月30日

太陽光発電の安全性は大丈夫?リスクと対策【完全ガイド】
太陽光発電システムの導入を検討中の方にとって、安全性は最も重要な関心事の一つでしょう。「火災は大丈夫?」「感電の危険はないの?」といった漠然とした不安を抱えている方もいるかもしれません。そんなネガティブなイメージを払拭するためにも、この記事では太陽光発電の安全性について、実際の統計データと安全基準に基づいて詳しく解説します。
目次
太陽光発電の事故統計から見る実態
実際の事故件数は少ない?
経済産業省の資料によると、2022年度における太陽光発電設備の事故件数は453件(前年度比98件増)で、2021年度は435件でした。数字だけを見ると多いと感じるかもしれませんが、全国の太陽光発電設備設置数から考えると事故率は非常に低いレベルといえます。 下記は令和3(2021)年度の再エネ設備の事故を表にしたものですが、太陽光発電の事故の約6割は事業用で、設備不備や保守不備がほとんどでした。うち33件は大雨による土砂災害で架台の損壊等になります。

出典:経済産業省「令和3年度における再エネ設備に係る事故発生状況について」
事故の内訳と傾向
住宅用太陽光発電の事故は少ないとはいえ、ゼロではありません。NITE(製品評価技術基盤機構)に報告された住宅用太陽光発電設備の事故の事例としては以下のようなケースが報告されています。
主な事故の発生箇所と傾向事故の約7割が「パワーコンディショナ」、約2割が「太陽電池モジュール」、その他が「接続箱」や「配線」などで発生しているとの報告があります。
具体的な事故事例【事例1】パワーコンディショナの火災(2022年 東京都) 脱衣所の壁に設置されていたパワーコンディショナから発煙し、火災が発生。高温・多湿・ほこりの多い場所への設置を避けるよう取扱説明書に記載されていたが、守られていなかった。
【事例2】太陽電池モジュールの焼損(2020年 兵庫県) 飛来物の衝突で太陽電池モジュールのガラスやセルが損傷。バイパスダイオードの故障により、損傷セルに通電され続けて焼損、火災に至った。
【事例3】ケーブル損傷による屋根の延焼(2022年 岡山県) 太陽電池モジュール設置台のレールにケーブルが挟まれ、損傷・異常発熱し出火。発電状況の遠隔監視サービスで異常が4年前から見られていたが、定期点検が行われていなかった。
【事例4】パワーコンディショナの設置不備による火災 配線用配管からの水の浸入対策が不十分で、内部に水が溜まりトラッキング現象が発生し焼損。施工説明書には「配線開口部をシールする」等の注意書が記載されていたが、守られていなかった。
【事例5】積雪・氷雪によるパネル破損 大雪の年に太陽電池モジュールの破損事故が多発。2018〜2021年度の積雪による破損事故は住宅用ソーラーパネル約7,500世帯分の発電出力に相当する。
太陽光発電の主な安全リスクと対策について

1. 火災リスクと対策
主な火災原因- 施工不良によるケーブル接続部の発熱
- 経年劣化による絶縁不良
- パワーコンディショナの故障
- 施工時の品質管理:認定施工業者による適切な工事が重要
- 定期点検:年1回以上の専門点検を実施すること
- 安全装置の設置:漏電ブレーカー、アーク検出装置の設置
2. 感電リスクと対策
太陽光パネルは日中、常時発電しているため、不用意に触ると感電するリスクがあることも認識しましょう。太陽光パネル(モジュール)は、災害等によって浸水・破損した場合でも発電を行う可能性があるため、破損箇所 等に触れると感電する危険性があります。 経済産業省では、 台風シーズン前や災害時に水没・浸水した太陽光発電パネルやパワーコンディショナ等の周辺機器には近づかないように注意喚起しています。
主な感電リスクの原因- メンテナンス時の不適切な作業
- 水害時の浸水による漏電
- ケーブル損傷による露出部分への接触
- 専門業者による作業:一般人は絶対に触らない
- 絶縁対策:適切な絶縁材料を使用する
- 保護装置の設置:接地極付きコンセント、漏電遮断器
3. 自然災害リスクと対策
落雷防止対策太陽光発電設備が「雷を引き寄せる」という科学的な根拠はありませんが、もともと避雷針の設置義務がある建物に太陽光発電設備を設置する場合、その太陽光発電設備も既存の避雷針の保護範囲内に入るように設計・設置されることが求められます。
- サージプロテクターの導入:異常な電圧(雷サージ)が発生した際に、その過電圧を吸収して機器への侵入を防ぐ役割があります。
- 適切な接地工事の必要性:雷電流を安全に大地に流し、機器の損傷や感電のリスクを低減します。
太陽光パネルや架台は、設置地域の過去の最大風速や建築基準法で定められた風圧荷重に耐えられるよう設計されている必要があります。積雪地域であれば積雪荷重も考慮されます。
- JIS C 8955:「太陽電池アレイ用架台設計標準」に基づいて設計されているか確認
- 屋根材に合わせた適切な固定方法かどうか確認
- 徹底した防水処理
太陽光発電の安全基準と認証制度
JIS規格による安全基準
太陽光発電システムには厳格な安全基準が設けられています。
主要なJIS規格
経済産業省は2021年4月1日に「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令」を制定しました。それによって太陽電池発電設備に特化した技術基準が明確化されています。
参考:発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令を制定しました。
認証マークと信頼性
安全に配慮した太陽光発電システムには、以下の認証マークがついています。
JETマーク:一般財団法人電気安全環境研究所による認証JETは、電気製品の安全性や環境適合性に関する認証を行う第三者機関です。太陽光発電関連では、**太陽電池モジュールの性能、信頼性、安全性を確認する「JETPVm認証」**を行っています。この認証は、製品の安全性と品質が第三者機関によって証明されていることを示します。国内の主要メーカーの製品の多くがこの認証を取得しています。
太陽電池モジュールの認証(JETPVm認証) | 一般財団法人 電気安全環境研究所
JQAマーク:一般財団法人日本品質保証機構による認証JQA(日本品質保証機構)は、製品の品質や安全性に関する認証を幅広く行っています。電気製品の安全性を自主的に評価し、その適合性を認証する「S-JQAマーク認証制度」があり、太陽光発電関連製品においても、例えばパワーコンディショナや周辺機器など、このS-JQAマークを取得しているものがあります。
S-JQAマーク認証 | 電気製品・医療機器・車載機器の認証・試験 | 日本品質保証機構(JQA)
CEマーク:欧州適合性評価マークCEマークは、「Conformité Européenne(ヨーロッパの適合性)」の略で、製品がEU(欧州連合)域内の安全、健康、環境保護に関する必須要件を満たしていることを示すマークです。EU市場で販売される多くの製品に表示が義務付けられており、太陽光発電関連製品も例外ではありません。
安全性の高いメーカーと製品選び
おすすめメーカー
ハンファジャパン(Qセルズ・Re.RISE)- ドイツ品質の高効率モジュール
- 高い変換効率・発電性能・低照度性に優れる
- 25年の長期に渡る製品保証・出力保証
- 独自の長期信頼性テスト「Qcells Quality Controlled」を実施
- 日本市場に特化した製品開発と手厚いサポート体制
- グローバル及び日本国内での豊富な太陽光発電システム導入実績
- 国内自社工場での一貫生産体制
- 高温時にも強い高変換効率モジュール
- 蓄電池やV2Hシステムとの連携
- 長期の製品保証
- 業界をリードする豊富な導入実績
- AIoT(AI + IoT)を活用したHEMSを採用
- 長期にわたるサポート体制
- 様々な屋根形状に対応する柔軟なシステム設計
- HIT®構造による高変換効率モジュール
- 高温時にも強い発電性能
- 豊富な住宅設備機器との連携
- 長期にわたるサポートと安心感
安全な施工事業者の選び方
1,認定資格の確認- 第一種電気工事士の資格保有
- 太陽光発電施工士の認定
- メーカー施工ID取得業者
- 施工実績1,000件以上
- 施工保証10年以上
- アフターサービス体制の充実
万が一の事故に備える保険と保証

必要な保険の種類
火災保険- 住宅用火災保険で太陽光発電設備もカバー
- 自然災害特約の追加推奨
- 施工業者が加入する賠償責任保険
- 工事中の事故や施工不良による損害をカバー
- 製品保証:通常10-25年
- 出力保証:通常20-25年
- 施工保証:通常10-15年
事故発生時の対応手順
- 安全確保:感電・火災の危険がある場合は近づかない
- 電源遮断:メインブレーカーの切断
- 緊急連絡:消防署・警察・施工業者への連絡
- 保険会社への連絡:速やかな事故報告
安全性を維持するメンテナンス
定期点検の重要性
太陽光発電システムの定期点検は、発電効率の維持、故障の早期発見、安全性の確保、システム寿命の延長のために重要です。汚れや損傷の放置は発電量低下や火災リスクを招き、長期的な投資回収にも影響するため、定期的な専門点検が不可欠となります。 またFIT制度を利用している場合は、2017年4月1日の改正FIT法により10kW未満の住宅用太陽光発電のメンテナンス(保守点検)が新たな項目として盛り込まれています。設置後1年目に実施した後は、4年に1回の頻度で定期点検を実施することが推奨されています。 定期点検や維持管理を行わなかった場合は、FIT認定基準に適合しないとみなされ、再エネ特措法の規定に基づき、指導・助言、改善命令、認定の取り消し等が課される場合があります。
こんなことがあったら要注意
日常にできる安全管理
オーナーとしてできる日常チェック- 発電量の監視(異常な低下がないか)
- パワーコンディショナのエラー表示確認
- 目視による明らかな損傷の確認
- パネルに直接触れない
- 清掃は専門業者に依頼
- 異常を感じたら速やかに専門業者に相談する
太陽光発電は適切な対策で安全に利用できます
太陽光発電は法令に基づく定期点検とメンテナンスを適切に実施することで、発電効率を維持し火災や設備故障などのリスクを防げます。専門業者による計画的な保守管理・点検により、長期間にわたって安全で安定した発電が可能となり、環境負荷軽減と経済効果を両立できます。
安全性のポイント- 事故発生率は0.02%未満と極めて低い
- 厳格なJIS規格と技術基準により安全性を確保
- 認定施工業者による適切な工事が重要
- 定期的なメンテナンスで安全性を維持すること
- 信頼できるメーカーの製品を選ぶ
- 認定資格を持つ施工業者に依頼する
- 適切な保険に加入する
- 定期的な点検・メンテナンスを依頼する
信頼できるメーカーの条件とは
信頼できる太陽光発電メーカーの条件として以下の6つが挙げられます。
1. 長期保証の充実度- 製品保証:15年以上(業界標準は10年)
- 出力保証:25年間・80%以上の出力維持
- システム保証:15年以上(パワコン含む)
- 施工保証:10年以上の雨漏り保証
- 上場企業または大手企業グループ
- 継続的な事業展開が可能な財務状況
- 20年以上の保証期間中のサポート継続能力
- JIS規格・IEC規格への適合
- 第三者機関による認証取得(JET、JQAマーク等)
- 自社工場での品質管理体制
- 継続的な技術開発・改良
- 国内導入実績10万件以上
- 10年以上の太陽光発電事業実績
- 国内外での技術・品質評価の高さ
- 全国対応のサービス網
- 24時間365日の監視・サポート体制
- 迅速な故障対応(48時間以内)
- 専門技術者による定期点検サービス
- 耐候性試験(温度サイクル、湿度凍結、塩水噴霧等)クリア
- 機械的負荷試験(風圧・積雪荷重)クリア
- 絶縁耐圧試験・耐電圧試験クリア
- 火災安全性試験(クラスA)クリア
まとめ
ここまで太陽光発電システムの安全性について、統計データと技術基準に基づいて解説してきました。 太陽光発電は適切なメーカー選択と製品、施工、法令に基づく定期的なメンテナンスをすることで、極めて安全に利用できるクリーンエネルギーシステムです。 住宅用太陽光発電の事故発生率は極めて低く、厳格なJIS規格や技術基準により安全性が確保されています。これらの情報を参考に、安全で効率的な太陽光発電ライフを実現してください。
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