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2025年11月07日

【完全解説】バックコンタクト型太陽電池とは?仕組み・メリット・導入課題と対策

【完全解説】バックコンタクト型太陽電池とは?仕組み・メリット・導入課題と対策

バックコンタクト型太陽電池の仕組みや最新技術を徹底解説。従来型との違い、発電効率が高い理由、市場動向、導入事例まで分かりやすく紹介します。バックコンタクト型太陽光パネル選びの参考に最適な情報が満載です。

目次

バックコンタクト型太陽電池の仕組み

バックコンタクト技術とは?

「バックコンタクト(Back Contact)」とは、太陽電池の電極(でんきの通り道)をすべて裏面に配置する技術のことです。 「コンタクト」は電気を取り出すための“接点”という意味で、太陽光で発電した電気を外に取り出すための配線構造を指します。

従来の太陽電池との違い

一般的な太陽電池では、光を受ける面(表側)に細い金属の線である「(フィンガー)電極」が格子状に並んでいます。この電極は発電には欠かせませんが、一部の太陽光を遮ってしまうという欠点がありました。

バックコンタクト型は電極をすべて裏面に移動させたことで、表面には電極がまったくなく、太陽光を100%受け止めることができます。

構造と特徴

バックコンタクト型の最大の特長は、すべての電極が裏面にあること。表面全体で光を取り込めるため、電極の影によるロスがなくなり、従来型に比べて約5〜8%高い発電効率を実現します。

<層構造の違い>


従来型バックコンタクト型
表面受光面 + 電極受光面のみ(電極なし)
裏面裏面電極プラス電極とマイナス電極が交互に配置

また、表面に金属の線が見えないので、パネル全体が均一な黒や青の美しい仕上がりになります。建物のデザインになじみやすいという点でも評価されています。

ほかの太陽電池とのちがい

太陽電池の主なタイプは、大きく3つに分けられます。

  1. 従来型(フロントコンタクト):表面に電極が見える一般的なタイプ。
  2. バックコンタクト型:電極をすべて裏面に配置し、光の利用効率を高めたタイプ。
  3. 両面受光型:表と裏の両方で発電できるタイプ。電極の配置は製品によって異なる。

<タイプ別での比較表>


項目従来型バックコンタクト型両面受光型
発電効率18~22%22~24%以上片面基準:18~22%、両面で最大25~28%程度
製造コスト比較的安価やや高め高め(特殊構造・材料が必要)
外観電極が見える均一で美しい表面は従来型同様。裏面の電極が見える場合もある
設置面積より広い面積が必要少ない面積で高出力設置条件によって効率が変動
技術難易度標準的高度な技術が必要高度(裏面の光取り込み設計が必要)
メンテナンス標準的表面電極がないため有利両面清掃が必要な場合あり

このようにバックコンタクト型の太陽電池は、発電効率と見た目の美しさを両立した新しい技術として注目されています。

バックコンタクト型太陽電池の主なメリット

バックコンタクト型太陽電池は、「高効率」「省スペース」「美観」「長持ち」のすべてを兼ね備えた、次世代の太陽電池と言われています。独自の構造によって生まれるさまざまなメリットがありますが、ここでは、代表的な4つのポイントを紹介します。

1.発電効率の大幅な向上

最大の特長は、発電効率の高さです。 発電効率が高い理由は、以下のとおりです。

  • 表面に電極がないため、太陽の光をムダなく取り込める
  • 電極の配置を工夫し、電気の流れをスムーズにしている
  • セル内部で電気が短い距離を通るため、エネルギーのロスが少ない

では、具体的な数値で従来型の太陽光パネルと比較してみましょう。

<シミュレーション、同じ30㎡の屋根に設置した場合>


タイプ変換効率年間発電量年間の節約額
従来型太陽電池約18〜22%約6,500kWh約19.5万円
バックコンタクト型約22〜24%以上約7,200kWh約21.6万円

このように、年間発電量は約700kWhの差があり、電気代に換算すると約2万円以上の違いになります。※電気代単価30円/kWhで計算

2.限られたスペースでも効率よく発電

高い変換効率のおかげで、限られたスペースでもより多くの電力を生み出せるのが特徴です。
特に次のような場所で大きなメリットを発揮します。

  • 屋根面積が限られた都市部の住宅
  • 高層ビルなど、設置面積に制約がある建物
  • 複雑な形状の屋根

同じ発電量を得るために必要な面積が少なくて済むため、設置コストを抑えられるケースもあります。

3.建物になじむ美しいデザイン

バックコンタクト型では、電極をすべて裏面に配置しているため、表面は均一でスッキリとした見た目です。従来型のような金属の格子模様がなく、まるで一枚のガラスパネルのような美しさがあります。

そのデザイン性の高さから、スタイリッシュな住宅やブランドイメージを重視する商業施設にもよく採用されています。また、景観規制のある地域でも周囲の景観を損なわずに設置できるのも大きなメリットです。

4.長く安定して使える強い構造

電極を裏面に配置することで、パネルの耐久性も高まります。表面に電極がないため、汚れや雨水が直接触れにくく、腐食や劣化が起こりにくい構造になっています。

その結果、長期間にわたって安定した発電性能を保つことができ、長く使える安心感があります。

バックコンタクト型太陽電池の技術的進化

バックコンタクト型太陽電池は、高い発電効率と安定した性能を両立させるため、日々進化を続けています。ここでは、最新技術の動向と、効率向上の仕組みをわかりやすくまとめました。

新材料の導入と効率向上の仕組み

従来のシリコンベースに加え、新しい材料を組み合わせることで、変換効率が向上しています。

  • 高純度シリコン:不純物を極限まで減らし、電力変換効率を向上
  • パッシベーション材料:セル表面の電気的損失を抑えるコーティング材
  • 透明導電膜:光を効率的に通す新素材

特に注目されているのは、光劣化に強く高温でも性能が安定する「N型シリコン」と「バックコンタクト構造」の組み合わせです。相性が良く、高効率化に貢献します。


高効率で長寿命なN型パネルとは?
詳しく知りたい方は、以下の記事をチェック。

製造プロセスの改善とコスト削減

高度な技術が必要なバックコンタクト型ですが、製造プロセスの進化によって精度向上とコスト削減の両立が進んでいます。

  • レーザー加工:高速かつ精密な電極形成が可能
  • 印刷技術:インクジェット方式で電極を形成し、材料ロスを削減
  • 自動化とAI活用:品質管理の効率化で歩留まりを向上

2020年と比べて製造コストは約30%削減されています。

AI活用によるモジュール設計の最適化

最新のバックコンタクト型モジュールでは、AI技術を活用してパネルの内部構造を最適化しています。その結果、発電効率が高まるだけでなく、設置場所に応じた柔軟な対応が可能になっています。

具体的には、AIを使ってパネル内部の配線や電気の流れを効率的に配置したり、モジュール全体の設計を工夫して、エネルギーの無駄を減らしています。また、住宅用から商業施設用まで、設置環境に合わせて最適なサイズのパネルが選べるようになっています。

バックコンタクトの市場動向と需要

2025年時点の市場状況

バックコンタクト型太陽電池の市場規模は急速に拡大しています。主な数字を見てみましょう。

  • 世界市場規模:約250億ドル(2025年予測)
  • 年平均成長率:約15%(2020-2025年)
  • 太陽電池全体の市場シェア:約8%(2025年現在)

当初は高級住宅向けが中心でしたが、製造コスト低減に伴い、一般住宅や商業施設への導入も増えています。

需要の変化と背景

バックコンタクト型太陽電池への関心が高まる理由は、都市部の設置環境や政策、企業の環境目標に向けた動向など、複数の要因が作用しています。

  • 都市部における高効率化のニーズ
    都市部の限られた屋根面積でも最大出力を得たいニーズが増加。また、デザイン性や景観が重視される高級住宅地でも、高効率なバックコンタクト型が選択される傾向にあります。

  • 政策によりZEH(ゼロエネルギーハウス)の普及
    政府のZEH(ゼロエネルギーハウス)推進政策により、住宅市場全体で高効率パネルへの需要が拡大しています。特に、補助金制度も高効率製品の導入を後押ししています。

  • 企業の環境目標達成
    RE100参加企業の増加やESG投資の視点から、効率的な再生可能エネルギー導入が評価される傾向にあります。バックコンタクト型の高い発電効率は、環境目標の早期達成や企業価値向上の観点から高く評価される傾向にあります。


補助金情報|東京・大阪・愛知
各都道府県の補助金情報を知りたい方は、以下の記事も要チェックです。

将来の市場予測(2030年に向けて)

これまで見てきたように、技術革新と製造コストの低下によってバックコンタクト型太陽電池の市場はさらに拡大すると予想されます。

製造プロセスの最適化と量産効果により、製造コストは20〜30%低減されると見込まれています。これを受けて、より多くの住宅や商業施設での採用が加速し、市場シェアも約15%に拡大すると見込まれます。

同時に、変換効率28%を超える製品が市場に登場し、発電性能は飛躍的に向上する見通しです。建材一体型のパネルも本格的に採用され、屋根や外壁に組み込まれた美観性の高い住宅が増えていくでしょう。


美観性が魅力の「建材一体型の太陽光パネル」
建材一体型の太陽光パネルについて詳しく知りたい方は、以下の記事をチェック。

バックコンタクト型太陽電池の導入事例

導入事例① 東京都世田谷区・Sさん邸

  • 設置容量:7.5kW(バックコンタクト型N型セル採用)
  • 設置面積:約32㎡(南向き屋根)
  • 初期投資:約220万円
  • 年間発電量:約8,500kWh

導入の背景と目的

新築時に太陽光発電を検討。住宅デザインを重視しており、外観を損なわないパネルを希望。バックコンタクト型は電極が裏面にあり、表面は均一な黒色で美しいため、導入の決め手となりました。

成果と効果(導入2年目)

➣ 電気代削減:約25万円/年
➣ 余剰電力売電:約6万円/年
➣ 合計経済効果:約31万円/年
➣ CO2削減量:約4.2トン/年

「想定以上の発電量で昼間はほぼ自給自足。隣家からも『パネルが目立たなくて良いね』と言われ、美観性でも大満足です」(Sさん)

導入事例② 神奈川県鎌倉市・Kさん邸

  • 設置容量:6.0kW(バックコンタクト型N型セル採用)
  • 設置面積:約28㎡(南西向き屋根)
  • 初期投資:約180万円
  • 年間発電量:約7,200kWh

導入の背景と目的

屋根面積が限られていたため、限られたスペースで最大出力を得られる高効率パネルを選定。また、住宅街での景観を損なわないよう、美観性も重視しました。

成果と効果(導入1年目)

➣ 電気代削減:約22万円/年
➣ 余剰電力売電:約5万円/年
➣ 合計経済効果:約27万円/年
➣ CO2削減量:約3.5トン/年

「屋根面積が小さくても十分な発電量が得られ、デザインも満足。家族も喜んでいます」(Kさん)

このように、バックコンタクト型太陽電池は高効率で美観性に優れるため、住宅での導入でも高い成果を上げています。

バックコンタクト型太陽電池の導入における課題と対策

バックコンタクト型は、導入時にはいくつか注意すべきポイントがあります。ここでは、よくある課題とその解決策をわかりやすくまとめます。

課題1:初期コストの高さ

バックコンタクト型は、従来のパネルと比較して20〜30%ほど高価になる傾向があります。

対策|初期費用を抑える方法

  • 国や自治体の補助金を活用

    国や自治体の補助金制度(例:ZEH補助金など高効率パネルの導入を条件とする制度)を積極的に活用し、初期費用を軽減します。

  • ローンやリースで毎月の負担を軽く

    太陽光発電用の専用ローンやリース契約を利用すれば、一度に大きな金額を払う必要がなくなり、初期の負担を分散させることができます。

  • 長い目で見て、得かどうかを判断

    初期費用は高くても、発電効率が良い分、毎月の電気代の節約効果も大きくなります。初期費用だけにとらわれず、何年で元が取れるか(投資回収期間)や、生涯でどれだけ得になるかというトータルコストで判断しましょう。

課題2:施工・取扱いの技術的な難易度

接合部が裏面に集約されたバックコンタクト型は、精密な取り扱いや高度な結線技術が求められるため、施工業者の経験や技術力が重要になります。

対策|安心できる業者を選ぶ

  • メーカー認定施工店を選ぶ

    パネル製造メーカーから正式に技術を認められている業者(認定施工店)を選びましょう。その業者が、バックコンタクト型の取り付け実績を多く持っているかを必ず確認してください。

  • 複数の業者をじっくりと比べる

    複数の専門業者から詳細な見積もりや具体的な取付方法の提案を受けましょう。また、施工品質だけでなく、緊急時の対応を含むアフターサービス体制を事前に確認・比較検討することが大切です。

課題3:屋根の条件による設置の制約

複雑な屋根形状、築年数の古い建物では、パネルを設置できるスペースが限られたり、屋根の重さに耐えられないといった問題で、設置が難しい場合があります。

対策|屋根の条件をクリアして導入する方法

  • 事前調査を徹底する

    屋根の耐荷重(どれくらいの重さに耐えられるか)や劣化状況を把握するため、「構造計算」を行い、それに基づいて詳細な現地調査を徹底的に実施します。

  • 発電できる面積を工夫して増やす

    必要に応じて屋根補強工事を行い、設置可能な面積を最大限に活用できるモジュール配置設計(シミュレーション)を行うことで、多くのケースで安全かつ高効率な導入を実現できます。

まとめ

バックコンタクト型太陽電池は、電極を裏面に集約するという画期的な構造により、従来型を大きく上回る発電効率(22〜24%以上)と優れたデザイン性を両立させています。

初期コストは高めですが、その高い発電効率と長寿命によって、長期的な投資対効果(ROI)は非常に優れています。屋根面積が限られている方、デザイン性を重視する方、そして長期的な環境貢献を目指す方にとって、バックコンタクト型は最も戦略的な次世代の選択肢です。

技術革新とコスト削減が急速に進む今、ぜひバックコンタクト型での導入をご検討ください。

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FAQ

Q1:バックコンタクト型と従来型(PERC等)で、具体的な変換効率の違いは?

A1:従来の多結晶や単結晶PERCモジュールの変換効率が一般的に19〜21%程度であるのに対し、バックコンタクト型は22〜24%以上という高い水準を実現しています。同じ屋根面積でも約10〜30%多く発電できる可能性があり、特に屋根面積が限られる都市部で大きな差を生みます。

Q2:デザイン性以外に、電極が裏面にあることのメリットはありますか?

A2:デザイン性だけでなく、発電効率の向上という大きなメリットがあります。表面に電極(バスバー)がないため、太陽光の受光面積が最大化されます。また、電極部分に影がかからないため、影や汚れの影響を受けにくく、安定した発電性能の維持にも貢献します。

Q3:バックコンタクト型は、太陽光パネルの「影」にどの程度強いですか?

A3:バックコンタクト型は、セル表面に電極がないため光を遮る部分が少なく、構造的に影の影響を受けにくい設計になっています。さらに、多くのメーカーが採用している「ハーフカットセル構造」や「バイパスダイオード」の最適化により、パネルの一部に影がかかっても、発電停止に至るリスクが低減されています。ただし、隣接する建物の大きな影やアンテナの影など、影の状況は現地調査で必ず確認が必要です。

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