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2024年01月12日

ソーラーパネルの発電効率を上げるための理想的な角度とは?

ソーラーパネルの発電効率を上げるための理想的な角度とは?

太陽光で発電するソーラーパネルにとって、太陽光がパネルに当たる量は発電効率に関わる重要な要素です。ソーラーパネルを設置する方位は真南が最も推奨されることはご存じだったとしても、お住まいの地域において、最適なパネル設置角度はご存じない方も多いはずです。年間を通して発電量を最大限に得られる理想の角度や条件についてご紹介いたします!

ソーラーパネルの発電効率と変換効率との違いは?

太陽光発電の発電効率とは?変換効率との違いは?

太陽光発電のしくみ

まず、太陽光発電は太陽からの光をソーラーパネルで受け取り、それを電力に変換する仕組みです。ソーラーパネルは光エネルギーを電力に変換する役割を果たし、このシステムによって再生可能なエネルギーが得られます。

太陽光発電の発電効率とは?

太陽光発電の発電効率とは、太陽の光エネルギーが、どれだけ電気エネルギーに変換されたかを示す指標です。発電効率が高いほど、発電に必要なエネルギーを無駄にすることなく発電できるということになります。太陽光発電の発電効率は一般的に20%程度です。

発電効率の仕組みについてはこちらでも詳しく解説しています。


コラム
火力発電の発電効率は?
火力発電の発電効率は40%前後といわれているため、発電効率20%の太陽光発電より効率よくエネルギーを生み出しているということになります。しかし、太陽光は限りのない再生可能エネルギーという点で、火力発電と単純に比較できないメリットがあります。

火力発電のエネルギー源である化石燃料は限りがあり、採掘できる地域が限られているため、世界情勢によってエネルギー価格が大きく左右されるという懸念点があります。
また、火力発電を行う際に発生する二酸化炭素は地球温暖化の要因とされ、世界中で二酸化炭素削減が目標に掲げられています。一方で太陽光発電は、発電時に二酸化炭素を発生させないクリーンエネルギーです。

地球保護の観点だけでなく、エネルギーの価格安定や自給率向上のためにも、再生可能エネルギー導入の更なる拡大が必要です。

モジュール変換効率とは?

「モジュール」とはソーラーパネルのことを指します。モジュール変換効率とは、ソーラーパネルの1平方メートル当たりで、太陽光がどれだけ電気エネルギーに変換されたかを示す指標です。
ソーラーパネルメーカーでパネルの性能を示す際はモジュール変換で表示されていることがほとんどです。モジュール変換効率が高いほど、効率よく発電できるソーラーパネルということになります。


モジュール変換効率(%)
モジュール変換効率=[モジュール公称最大出力(W)×100]÷[モジュール面積(㎡)×放射照度(W/㎡)]
(放射照度=1,000W/㎡)

セル変換効率とは?

セル変換効率とは太陽光パネルを構成する1部分の「セル」の変換効率を示す指標です。


セル変換効率(%)
セル変換効率=[モジュール公称最大出力(W)×100]÷[1セルの全面積(㎡)×1モジュールのセル数(個)×放射照度(W/㎡)]  (放射照度=1,000W/㎡)

屋根別の特徴とソーラーパネルとの相性

発電効率を上げるためには、屋根の種類と相性も重要ポイントです。


切妻屋根

切妻屋根
一番多く使われているタイプの屋根の形で、2面の屋根で構成されているのが特徴です。 2面設置ができる東西の屋根面の場合、設置できるソーラーパネルの枚数が増えるので多く発電できる場合もあります。


寄棟屋根

寄棟屋根
屋根面が4方向に分かれるため、日の光が辺りづらい北面はどの面になるのか、屋根の方角を確認しておくことが重要になります。 屋根の形に合わせた三角形のソーラーパネルを活用することで、発電量を最大化することが可能になります。


片流屋根

片流れ屋根
シンプルな構造なので、施工コストを抑えられ、さらに雨漏りの心配も少ないです。 他の屋根に比べ、面積が広いためソーラーパネルを多く載せられます。


陸屋根

陸屋根
マンションやアパートに使われることが多い屋根です。 屋根が平らになっているので、傾斜が無く、太陽光を集めるため架台を斜めに設置するケースが多く見られます。 また、水はけが悪く大雨や台風などの際には機器の故障リスクがあるため、ソーラーパネルを設置する際には注意が必要です。

屋根の方角によるソーラーパネルの発電量の変化


ソーラーパネル付きの屋根

屋根の種類をご紹介しましたが、実は屋根の方角も重要になってきます。方角で変わってくる発電量や、ソーラーパネルが向いていない方角に設置してしまった場合の対処法をご紹介いたします。

屋根の方角による発電効率の違い

太陽光発電を設置する屋根の方角は、発電量に直結していることから、方角の選定が非常に重要です。南向きの屋根に設置した場合に最も発電効率が高くなります。一方で、南東や南西向きの場合は若干効率が低くなり、東西向きはその中間となります。そして、北向きの場合は発電量が著しく低下します。 屋根の方角を適切に選ぶことで、最大限の太陽光取り込みが可能となり、発電効率が向上します。

南向きに設置するメリット

南向きの屋根にソーラーパネルを設置すると、太陽光を効果的に取り込むことが可能になります。なぜなら、太陽は東から昇り、南天に最も高く昇り、最終的には西に沈むため、最大の日照時間を確保できるからです。その結果、ソーラーパネルは多くの太陽光を受け取り、最大の発電効率が期待できます。 なお、南向きに設置すると、他の方角に設置した場合と比べて15%以上も発電量が向上するとされています。


発電量と方角

参照:省エネドットコム

東や西向きにソーラーパネルを設置するときの対策

東や西向きの屋根は、南向きに比べて日射時間が短いため、発電量が若干低くなります。対策としては、以下の点が考えられます。

傾斜角の調整

ソーラーパネルの傾斜角を適切に調整することで、朝や夕方の斜めからの日差しをより受けられます。

トラッキングシステムの利用

太陽の動きに合わせてソーラーパネルを自動的に調整する「太陽追尾システム」を導入することで、最適な角度を保ちながら太陽光を取り込み、発電効率を最大化することが可能です。 ただし、非常に高額なシステムであるため一般のご家庭に導入することはあまり現実的ではありません。

高効率パネルの検討

東西向きの屋根には、より高効率なソーラーパネルの利用が有益です。最新の技術を検討することで、発電性能を向上できます。

地域ごとの最適なソーラーパネルの設置条件

各地域における太陽光発電の最適な設置条件は、気象条件によって異なります。以下が代表的な主要地点ごとの最適な角度と方角です。


ただし、以下はソーラーパネルを真南に設置することを想定しているため、設置する方位が変われば最適な傾斜角にも変更が生じます。

地域別の条件

参照:NEDO日射量データベース

屋根の方角以外で発電効率に影響する要素


雨の日

太陽光発電の発電効率にソーラーパネルの設置角度が重要ということをご説明しましたが、設置角度以外にも太陽光発電の発電効率に関わってきます。お住まいの地域で異なってくる要因もありますので、設置前にぜひ参考にしてください。

天候や季節よる影響

太陽光発電は雨や雪でも発電量が0になるわけではありませんが、晴れの日よりは発電効率が下がってしまいます。さらに、雪の重みで太陽光発電設備が破損したり、落雪が事故のリスクに繋がることもあります。雪が多く降る地域では事前の対策と工夫が必要になります。

太陽光発電と雪の影響についてご紹介しています。


実は、ソーラーパネルは熱に弱いという特性があります。ソーラーパネルの適温25度となっており、この温度を超えると発電効率が下がってしまいます。

日本では真夏よりも4、5月が最も発電量が多いという結果が出ています。

周囲の建物や木などの影や汚れ

ソーラーパネルに影ができてしまうと発電効率が下がってしまいます。最も発電効率が高い日中に、周囲の建物や高い木などで屋根に大幅に影がかかってしまう時間帯がないか確認が必要です。


さらに、パネルが汚れていると太陽光の光をパネルが受けられなくなってしまう可能性があります。定期的なメンテナンスを行って、ソーラーパネルを綺麗つことが大切です。しかし、屋根の上は危険が伴うため、メンテナンスや掃除は専門家に依頼しましょう。

気になるメンテナンス費用や太陽光発電設備に関わる費用について紹介しています。

現地調査の有益性

アドバイス

現地調査は、太陽光発電の設置にあたって極めて重要です。屋根の形状や角度、周囲の障害物、建物の耐荷重などを、設置業者が現地調査を行うことで確認し、最適な設置条件を見極めます。現地調査をもとに、地域ごとの気象条件や日射量を観測することで、設置後のトラブルを未然に防ぐことができます。

専門家のアドバイス

専門家は、具体的な調整案や最新技術の導入に関する情報を提供してくれるだけでなく、地域ごとの法規制や許認可にも詳しく、法的トラブルの回避にも貢献してくれるでしょう。費用対効果を考慮し、投資リターンを最適化する戦略も専門家によるアドバイスが役立ちます。

信頼できる太陽光発電事業者の選択

太陽光発電を設置する際は、信頼できる業者を選択することが重要です。屋根の最適な角度や位置を考慮せずにソーラーパネルが設置され、発電量が予想をかなり下回ってしまうといったという事態が起こり得ます。ソーラーパネルは設置枚数が多いほど良いとは限りません。


北向きの屋根など発電量が見込めない位置にパネルをたくさん置いても、発電量が少なくなるだけでなく、初期費用の回収にかなりの時間がかかるなど、太陽光発電の設置を後悔する結果になりかねません。 発電効率を意識したシミュレーションや見積もりの作成をする業者を選択するようにしましょう。

まとめ

ソーラーパネルの理想的な設置条件についてご紹介いたしました。 発電効率を上げるためには最適な角度での設置が理想的ですが、難しい場合でもそれぞれの家に最大限合った条件を知ることで、効果的に発電をすることが可能です。 太陽光発電設置前に専門家による現地調査を必ず行いましょう!

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