2024年01月04日
タンデム型太陽電池|ペロブスカイトで効率向上!未来のエネルギー革命の鍵
太陽光発電は、無尽蔵に降り注ぐ太陽エネルギーで発電できる優れたシステムです。もし、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率がさらに向上すれば、今よりも多くのエネルギーを生み出すことができます。また、現在はソーラーパネルを設置できる場所が限られていますが、今後さらに太陽光発電を普及させるための鍵を握るのが、タンデム型太陽電池だと言われています。再生可能エネルギーは日々進化を続けています。この記事では、未来のエネルギーの中のひとつ「タンデム型太陽電池」についてご紹介します!
目次
タンデム型太陽電池とは
タンデム型太陽電池の概要
タンデム(他接合)型太陽電池は、複数の異なる光吸収材料(太陽電池)を組み合わせて、太陽光を効率的に電気に変換する技術です。現在の太陽光発電では、太陽光のなかでも赤色に近い波長はキャッチできていますが、全ての波長を最大限に活用できない状況です。
ところがタンデム型太陽電池の場合、異なる波長の光に対応する複数の材料を組み合わせて、より効率的に太陽光を電気エネルギーに変換することができます。従来の「シリコン系太陽電池」や「化合物系太陽電池」よりも高い変換効率が期待され、光の波長ごとに異なる材料を使用して光のエネルギーを最大限に引き出します。
次世代太陽電池の代表|ペロブスカイト太陽電池
ペロブスカイトというワードを聞いたことがあるでしょうか。近年、急速に開発が進むペロブスカイト太陽電池に注目が集まっていますが、ペロブスカイト太陽電池とは、ペロブスカイトと呼ばれる鉱物の結晶構造を利用した太陽電池になります。低照度でも発電できるだけでなく、従来の太陽電池では難しかった波長をキャッチすることができ、高い変換効率を実現しています。柔軟性や低コスト製造の可能性があることから、将来的には太陽光発電の主要な技術となることが確実視されています。
このペロブスカイト太陽電池と、従来のシリコン系太陽電池を組み合わせたタンデム型太陽電池は、理論上、太陽光を余すことなく使用できるため、高い変換効率が期待されています。
タンデム型|ペロブスカイト太陽電池のメリット
薄くて、軽くて、曲げやすい
ペロブスカイト太陽電池は、薄くて軽量で曲げやすいという特徴があります。 従来のシリコン太陽電池はガラスを含むことから重量があり曲げられませんが、ペロブスカイトは小さな結晶が薄膜状に集合している特殊な構造で、フィルムのように折り曲げることが可能です。そのため、窓や車体といった曲線を持つ構造に適応しやすく、太陽光発電の設置機会が格段に増加します。
高い発電効率|異なる素材を組み合わせて実現
タンデム型太陽電池は通常の太陽電池と比べて高い発電効率を誇ります。その理由は、タンデム型は複数の層を組み合わせて構成されており、各層が異なる波長の光を効率的に吸収することで、より広い光スペクトルを効率的に捕捉し、エネルギー変換することができるからです。
この特長により、同じ面積あたりの光エネルギー変換効率が向上し、高い発電効率が実現されます。
重量が軽い|単結晶シリコン製と比較
通常、ペロブスカイト太陽電池は薄膜型の構造を採用し、柔軟な基板上に薄く成膜されます。この柔軟性と薄さによって従来のシリコン太陽電池よりも軽量化が実現されます。
また、ペロブスカイト太陽電池は複数の層を積み重ねて構成されており、その各層を薄くすることが可能なので、同じ発電能力を持つ場合でも全体の重量を削減することができます。
柔軟性がありコスト削減につながる
タンデム型ペロブスカイト太陽電池は柔軟性が高く、様々な形状や曲面に合わせて設計することができます。この特徴から、建物の窓や車など、従来の平面的な太陽電池では設置が難しかった場所でも導入が可能になり、新しい設置場所の可能性が広がります。
また、軽量化による輸送や取り扱いコストの削減も大きな利点です。タンデム型ペロブスカイト太陽電池は軽量であるため、輸送コストや取り扱いコストが削減されます。特に大規模な太陽光発電システムの場合、設置やメンテナンスの効率が向上することでコスト削減に寄与します。
国際的なタンデム型太陽電池の動向
欧州の取り組み①|ペロブスカイト太陽電池研究プロジェクト
欧州では、ペロブスカイト太陽電池に関する研究プロジェクトが積極的に進められています。大学や研究機関、企業が連携し、新たな素材や製造プロセスの開発に注力しており、ペロブスカイト太陽電池の効率向上や安定性の向上に寄与しています。
欧州の取り組み②|ペロブスカイト太陽電池の商業展開と政策支援
ポーランドのスタートアップ企業「Saule Technologies社」は、2021年に世界で初めてペロブスカイト太陽電池の商業生産を始めました。またイギリスでもタンデム型太陽電池の商品化・量産化・製造プロセスの開発を進めています。
中国の取り組み①|大規模な生産拠点を構築
中国はペロブスカイト太陽電池の大規模な生産拠点を構築し、世界的なリーダーとしての地位を確立しています。多くの企業がペロブスカイト技術の開発と製造に注力し、効率向上とコスト削減を実現しました。中でも「LONGi Solar Technology社」は2023年11月、タンデム型太陽電池セルにおいて変換効率33.9%の世界新記録を達成したと発表しています。
中国の取り組み②|政府のサポート
中国政府は再生可能エネルギーへの投資を積極的に進め、ペロブスカイト太陽電池にも力を入れています。研究機関や企業に対して、助成金や税制面での支援を提供し、技術の革新を促進しており、他の国々にも影響を与えています。
タンデム型太陽電池の課題と克服策
製造コストの問題と対策
タンデム型太陽電池の課題の一つは、製造コストの高さです。新しい技術や素材の導入に伴う投資が大きく、製品の価格を押し上げています。この問題に対処するためには、大量生産による経済規模メリットを最大限に活かし、製造プロセスの効率向上を図る必要があります。
研究開発と効率向上の推進
製造コストの問題に対処するためには、タンデム型太陽電池の性能を向上させるための研究開発が不可欠です。新しい材料や製造プロセスの開発により、効率を高めつつ製造コストを削減することが期待されています。産業界と研究機関の連携により、技術革新を促進し、課題の克服を目指します。
耐久性向上への取り組み
タンデム型太陽電池の課題の一つは、耐久性の向上が求められることです。太陽電池は屋外で使用されるため、長期間の安定した性能が必要です。このため、新しい素材の導入や製造プロセスの改善などを通じて、耐久性を向上させる研究が進められています。
量産プロセスの最適化
タンデム型太陽電池の製造は高度な技術と繊細なプロセスを要するため、量産の難しさがあります。課題を克服するために、製造プロセスを最適化し、効率を高める必要があります。自動化技術や効率的な生産ラインの構築により、大量生産を実現する取り組みが行われています。
タンデム型の代表|ペロブスカイト太陽電池は日本発の技術
ペロブスカイト太陽電池の性能向上への日本の貢献
ペロブスカイト太陽電池は日本で発明され、開発においてもトップ集団に位置している一方で、欧州・中国に猛追されている現状もあります。しかし日本の研究機関や企業は、新しいペロブスカイトの構造や合成方法の開発に注力し、太陽電池の変換効率を向上させる成果を上げています。
実用化に向けた技術革新
日本の技術者たちはペロブスカイト太陽電池の実用化に向けて、安定性や製造コストの課題に焦点を当てています。新しい製造プロセスや材料の採用、安定性を高める技術の導入などが進められ、将来的な商業利用が期待されています。
まとめ
タンデム型太陽電池についてご紹介いたしました。更に技術が進めば、変換効率が高く、平面以外のものへの太陽光パネル設置も実現も可能です。技術革新に加え、コストを抑えて導入できるような実用化に向けた進化も期待して、未来のエネルギーを見守りましょう!
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