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2024年01月04日

太陽光発電の低圧って家庭用?高圧や特別高圧との違いも解説

太陽光発電の低圧って家庭用?高圧や特別高圧との違いも解説

家庭用の太陽光発電設備で最も使われている低圧はご存知だと思いますが、高圧や特別高圧があることをご存知でしょうか。低圧・高圧・特別高圧と設備容量によって異なるルールが適用されます。この記事では、それぞれの特徴やメリット・デメリットについてご紹介し、さらに低圧の太陽光発電を導入する際の注意点についても解説します。

太陽光発電の「低圧、高圧、特別高圧」の違い

設備容量と分類とは

太陽光発電設備の接続方法には、「低圧」「高圧」「特別高圧」 の3つがあり、それぞれ異なる容量の設備として分類されています。低圧は設備容量が50kW未満、高圧は50kW以上1,000kW未満、そして特別高圧は1,000kW以上と定められています。


低圧、高圧、特別高圧の用途
太陽光発電システムの「低圧」「高圧」「特別高圧」は、それぞれ法的に異なる取り扱いを受けます。低圧は規模が小さく、主に住宅や小規模事業所向けの用途で使われます。高圧は商業施設や工業向けで、電力事業法の規制を受けます。特別高圧は電気事業法に基づく厳格な規制があり、大規模な産業用途で使われています。
法的な差異によって、運用や設置の際に、異なる規制が適用されるため、設備者は法的要件を遵守する必要があります。

太陽光発電の「低圧、高圧、特別高圧」の特徴

低圧の特徴

低圧の正式名称は「低圧連系」で、電気事業法上では小規模な発電設備である「一般用電気工作物」になります。低圧は、高圧と比べて導入の際の手続きや届け出が簡略化され、コンパクトな設備であり、スペースの制約が少なく容易に設置できるという利点があります。

低圧の特徴として、設備容量が50kW未満という点が挙げられます。小規模な設備容量であることから、主に住宅や小規模事業所向けとなります。システムが比較的小型なので、屋根や敷地内に余裕がない場合でも導入が可能です。

高圧の特徴

高圧は、定格出力が50kW以上〜2000kW未満の太陽光発電を指し、交流電圧が600Vを超え、直流電圧750Vを超える発電設備です。電気事業法上では自家用電気工作物と定義されています。

高圧電力は契約電力が50kW以上なので、飲食店や美容室などの店舗から事務所、幼稚園や保育園、スーパーマーケット、工場などさまざまな商業施設に適しています。

特別高圧の特徴

設備容量2,000kW以上の大規模な発電設備は特別高圧連系に分類されます。設備容量2,000kW以上の大規模な発電設備は特別高圧連系に分類されます。メガソーラーとも呼ばれ、基本的に企業が事業目的で運用します。安全管理審査や工事計画の届け出だけでなく、昇圧設備や鉄塔の設置義務もあり、小規模な設備に比べて多くの設置費用や管理費用が必要です。

発電所に近い大規模事業となるため、太陽光発電自体の導入単価は劇的に下がり、発電量も非常に大きくなります。反面、電力会社による供給電力制限を受ける可能性や、電力会社の変電所の許容量によっては、送電線などの新設を検討する必要が出てくるなど、リスクも大きくなります。



特別高圧・高圧・低圧

引用:ESCO

低圧・高圧・特別高圧それぞれのメリット・デメリット

「低圧・高圧・特別高圧」の特徴がわかったところで、次はそれぞれのメリットやデメリットをご紹介します。

低圧のメリット

低圧の太陽光発電システムは、設置費用が比較的安価です。規模が小さく、主に住宅や小規模事業所向けに設計されているため、設備の規模や複雑さがそれほど大きくないので導入のハードルが低いです。

また、低圧の太陽光発電は、手続きが簡略化されており、消防署への保安規程といった届出が必要ないというメリットがあります。個人や小規模事業者による手軽な手続きとスムーズな導入が可能です。

低圧のデメリット

低圧のデメリットとして、設備規模に伴うコストが挙げられます。低圧系統への連系では、発電設備の規模が小さいため、単位発電量あたりのコストが高くなりがちです。これは、発電所の規模が大きいほど、一定の初期投資を分散できてコストパフォーマンスが向上するためです。低圧は手続きが簡略化される反面、発電規模が小さいという制約があり、経済的な課題が生じることがあります。

さらに、設備の出力制限が課題となります。設備容量が50kW未満の低圧では、発電出力に上限があり、大規模な電力供給が難しい点が挙げられます。これにより、大規模なエネルギー供給ニーズに対応する際に制約が生じ、十分な電力供給が難しくなる可能性があります。したがって、設備の出力制限は低圧の導入において検討すべき点であり、電力需要の変動に柔軟に対応できるような調整が求められます。

高圧のメリット

最大のメリットは出力が大きい設備を稼働できることです。低圧連系よりも効率良く発電でき、発電量が多いため、大きな売電収入が見込めます。投資利回りが高く、本格的に発電で収入を得たい方におすすめです。

さらに、低圧の太陽光発電設備に比べると、1kWあたりのシステム単価が安くなる傾向にあります。1kWあたりの費用が安くなると、売電収入も増えるため、投資の利回りも高くなるというところです。

高圧のデメリット

太陽光パネルの枚数やパワーコンディショナーの数が増えるため、初期費用が低圧よりも高額になります。また、キュービクル(変圧器)の設置などや電気技術主任技術者の委託などにより、低圧よりも高額な費用がかかる場面が多いです。

さらに、太陽光発電の設置などに関して、第一種工事士または認定電気工事従事者による作業が必要になり、保安規程の届け出や電気主任技術者の選任といった義務が発生するため、低圧に比べて手続きが複雑になってきます。

特別高圧のメリット

高圧連系よりもさらに大規模な特別高圧連系は、高圧連系の特徴がより強調されます。収益の大きさに伴ってコストやリスクも大きくなります。

1kW当たりの導入単価が安くなるため、設備の規模が大きいほどコストパフォーマンスが向上します。さらに、発電量が膨大になるため、非常に高額な売電収入が期待できます。

特別高圧のデメリット

売電価格が固定価格買取制度ではなく、入札制度によって決定されるため、売電単価が安くなりやすいです。場合によっては、電力会社への送電線や鉄塔などを、事業者の負担で新設する必要があるため、余計な費用が発生する場合もあります。





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低圧太陽光発電の導入時の注意点

分割案件は禁止されている

低圧は、設備容量が50kW未満が条件です。出力50kW以上の太陽光発電を土地の権利所有者の同じ土地で意図的に出力50kW未満へ分割して複数の設備として導入することは法的に禁止されています。

したがって、低圧を導入する際には、適切な設備容量で一括して導入する必要があります。分割案件は悪質な運用方法で、安全性という点でも危険です。そこで国は、分割案件に該当するFIT認定済み太陽光発電の認定取り消しなどといった措置を実施しています。

低圧の全量買取制度に変更あり

FIT制度の改正により、2020年4月から10kW以上50kW未満の太陽光発電所は「地域活用案件」が義務化され、発電した電力のうち30%以上を自家消費することが条件となり、余剰買取のみになりました。

そのため、導入計画を練る際には、制度変更に伴う収益見通しや収支計画を検討し、事前に十分な調査と計画を行う必要があります。

太陽光発電のパネル過積載とは?


太陽光パネル


太陽光発電の過積載とは、パワーコンディショナ(以下、パワコン)の容量よりも多く太陽光パネルの枚数を設置することです。過積載は、最も効果的に発電量を増やすために行われる手法の一つです。

過積載とは、最大限の発電量を得るために、パワコンの容量を超えて太陽光パネルを設置することです。ピーク時に、パワコンの容量を超えて発電した分の電力を捨てる事に変わりはないのですが、その代わりに、発電量が少ない時間帯を含む、全体の発電量を底上げします。すなわち、パワコンがフル稼働する時間を増やすためのテクニックです。



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まとめ

家庭などの個人で太陽光発電を導入する際は「低圧」が基本になりますが、再生可能エネルギーが推進されている中で、「高圧」で導入する機会に携わることもあるかもしれません。

家庭で導入する際は太陽光事業者と相談しながら設置をすすめるので基本的に問題ありませんが、低圧導入の際も法律や制度の注意点もあるので、よく確認しましょう。

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