2023年09月26日
台風に太陽光発電システムは耐えられる?
台風による被害や対策について解説します!
日本では毎年9月ごろになると、多くの台風が発生します。再生可能エネルギーが注目されている中で、太陽光発電システムを取り入れる家庭が増えていますが、屋根に設置している太陽光発電パネルが、台風の強風にも耐えられるのか、被害が心配な方も多いのではないでしょうか?この記事では太陽光パネルが台風に耐えられるのか、台風被害に備えてのポイントや対策について解説します!
目次
日本の台風とは
日本では8月末から10月にかけて1年で最も多く台風が発生します。
台風が発生する仕組み
夏の気温が高い日には、海水が暖められて蒸発し水蒸気になります。
水蒸気により上昇気流が発生し、雲が巨大な積乱雲へ発達します。
積乱雲が渦巻状の大きな雲の塊になり、雲の周りの風の強さが17m/s以上になると台風となります。
台風の「大きさ」とは?
天気予報などで「大型台風」というのを聞いたことがあるのではないでしょうか。
台風の大きさは「強風域の大きさ」で決まります。
風速15m/s以上の風が吹く範囲の半径が500km以上だと「大型」、800km以上だと「超大型」となります。
台風の「強さ」とは?
台風の強さは最大風速によって決まります。大きさは「強い」「非常に強い」「猛烈な」の3段階です。
33m/s以上44m/s未満が「強い」、44m/s以上54m/s未満が「非常に強い」、54m/s以上が「猛烈な」台風と決められています。
気象庁が発表している風速の尺度によると、風速50mを超えると自動車が横転するほどの威力があり、建物損傷や損壊の被害も起こる可能性も高くなります。
太陽光パネルって台風に耐えられるの?
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しかし、数多くの台風が発生する日本で不安に思うのが「太陽光パネルって台風の強風にも耐えられるの?」ということではないでしょうか。
結論からいうと、太陽光パネルは台風などの強風にも耐えられるように設計・施工されています。まずは、強風に対して太陽光パネルはどのような基準が設けられているかを、ご紹介します!
太陽光パネルが耐えられる風速
太陽光パネルは、JIS規格にて、耐風圧2,400Paと決められています。
耐風圧2,400Paとは、風速に換算すると毎秒約62mです。
風速が毎秒約62mがどれくらいの風速かというと、気象庁が定める瞬間最大風速と同じレベルです。万が一、台風などで毎秒約62mの風が吹く状況が発生すると、住宅が倒壊する可能性があります。
つまり、住宅が倒壊するレベルの強風まで太陽光パネルも耐えることができるような設計になっています。
JIS規格とは
JISとは、日本産業規格のことです。(JIS=Japanese Industrial Standards)
日本の産業製品に関する規格や、測定法などが定められた日本の国家規格のことです。
JISには、自動車や電化製品など産業製品生産に関するものから、文字コードやプログラムコードといった情報処理、サービスに関する規格などもあります。
- コラム
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太陽光パネルは表面も強い太陽光パネルは強化ガラスで保護されており、直径38mm・227gの鋼球を1mの高さから落下させても、ガラスに破損がないようJIS規格で定められています。
台風による太陽光パネルへの被害
太陽光パネルは台風に耐えられる基準で設計されていますが、被害が起こってしまうケースも存在します。
被害の要因①:太陽光パネル設置時の施工不良
太陽光パネルの設置方法は様々ありますが、設置の際に屋根に「穴を開ける」か「穴を開けない」かの大きく2つに分かれます。
いずれの設置方法も、正しく設置していれば、台風時も被害が起こりにくいですが、太陽光パネルの設置時の施工により被害が起こる可能性があります。
よくある施工不良の例 |
---|
・太陽光パネルが屋根にしっかり固定されていない |
・屋根に合わない部材で取り付けられている |
・太陽光パネルの設置に向かない屋根に無理矢理設置されている |
太陽光パネルを設置する際は、信頼できる施工業者へ工事を依頼することが大切です。
また、設置前に現場調査を行い太陽光パネル設置が可能な屋根かを必ず確認しましょう。
被害の要因②:落下物や風で飛んできた物が直撃する
太陽光パネルは強化ガラスで保護されていますが、強風により、かなりの大きさや重さのあるものが直撃した場合、パネルの破損や落下が起こる場合があります。
パネルのほかにも、太陽光パネルと屋根の間にある架台や、外付けのパワーコンディショナなどの機器が強風による飛来物の衝突で破損する場合があります。
台風による太陽光パネル周辺設備の水没被害
台風の被害はパネルの破損や飛散以外に、周辺機器への影響が起こる場合があります。
太陽光発電周辺機器の水没被害
パワーコンディショナなどの設備を家の外に設置している場合、台風によりそれらの機器が水没する可能性があります。
水没による故障で発電した電気を使用できなくなるだけでなく、出荷や感電の恐れもあるため、パワーコンディショナなどの機器が水没した場合は、必ずメンテナンス業者へ連絡しましょう。
台風で太陽光パネルに被害が発生した際の対処法
パネルの状態の確認
台風が落ち着いたら、太陽光パネルの状況を確認しましょう。
目視で明らかに破損や落下が起きていることが確認できる場合でも、感電の危険性があるため絶対に触らないようにしましょう。
目視で破損などが確認できなくても、太陽光パネルの表面に傷がついていたり内部が破損している場合があります。
台風後に発電量が大幅に下がっているなどの異常を感じた場合は、メンテナンスを依頼しましょう。
補償や保険を確認
台風による太陽光パネルの破損やシステムの故障が起きた場合、災害補償を受けられる場合があります。
また、補償の確認だけでなく、破損したパネルの処理や今後についてのアドバイスを受けられるため、一度太陽光設置業者へ連絡をしましょう。
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台風被害に備えてチェック
太陽光パネルは、台風の風にも耐えられる設計になっていますが、万が一に備えておくことが大切です。
また、ここからご紹介する3つのチェック項目は台風被害だけでなく、太陽光発電を安心・安全に使用していく上で重要なポイントのため、要チェックです!
チェック1:信頼のできる施工店に依頼
台風などの強風に太陽光パネルが耐えるために、やはり重要なのは太陽光パネルの施工です。会社の規模や、施工実績などを元に信頼できる販売店・施工店に依頼をするようにしましょう。
信頼できる太陽光発電販売店・施工店のチェックポイント |
---|
・太陽光パネル設置前の現場調査をしっかり行っているか |
・見積書は詳細に書かれているか |
・太陽光パネルメーカー保証の対象になっているか |
・相場の価格からかけ離れて高い、安いなどがないか |
・屋根の北面など、発電量が不十分な部分にも無理矢理パネルを設置しようとしていないか |
・補償や保険内容が充実しているか |
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チェック2:保険
台風の影響による太陽光パネルの損傷はほとんどありませんが、備え有れば憂いなしなのが保険です。万が一被害を受けた際、発電設備だけの損傷だけでなく、近隣の住居・住人に影響を与える場合も考えられます。その場合、かなりの損害が発生することが想定されます。万が一に備えて、保険に加入しておくと安心できるでしょう。
販売会社・施工会社によっては契約時点で保険に加入されている場合もありますが、個人で後から別途加入が必要な場合もあります。
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チェック3:台風シーズン前の点検
太陽光発電を安全に使用するためには、定期的な点検が重要です。点検のタイミングとしては、台風シーズンの前点検が大きな被害や事故の抑止に繋がります。
台風が来る前に、太陽光パネルや架台部分のネジが緩んでいないかなど、点検を行うことで安心できます。
太陽光発電の点検は、高所での作業や感電の恐れがあるため個人では行わないようにしましょう。必ず、専門業者に点検の依頼をするようにしましょう。
チェック4:台風の被害が起こった場合の連絡先の確認
台風による太陽光パネルの被害が起こった際の連絡先を確認しておきましょう。基本的には太陽光パネルを設置した際の販売店や施工店に連絡をすることになりますが、いざという時にスムーズに連絡ができるよう、連絡先はすぐに確認できるところに記録しておきましょう。
台風の多い日本でも太陽発電の導入が広がっている
再生可能エネルギーによる発電は、地球保護の観点から世界中で導入が広がっています。太陽光発電は家庭で取り入れられる再生可能エネルギーの代表として、日本でも普及が拡大しています。
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まとめ
この記事では、台風などの強風に太陽光パネルが耐えられるのかという点についてご紹介いたしました。異常気象の影響もあり、勢力の強い台風上陸が増加傾向です。太陽光発電の台風被害への備えは必要不可欠といえるでしょう。太陽光パネルは台風など強風に耐えられる設計になっていますが、やはり重要なのは基準に準拠した適切な施工を行える施工店を選ぶことです。太陽光発電導入を検討されている方は、ぜひ施工店選びも検討基準に入れてみてください。
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