2023年12月01日
建材一体型の太陽光パネルって?メリットとデメリットを紹介
あまり聞きなれない「建材一体型」という表現ですが、ソーラーパネルにも建材一体型が存在し、住宅や商業施設などで活用されています。今回は、建材一体型太陽光パネルに焦点を当て、その特徴やメリットとデメリットについて解説します。従来のパネル型との違いや、工事の利便性によるコスト削減や期間短縮の利点など、建材一体型が持つ魅力に迫ります。
建材一体型太陽光パネルの導入の背景と概要
住宅用太陽光パネルの種類: パネル型と建材一体型の違い
太陽光パネルには、主に「パネル型」と「建材一体型(≒屋根一体型)」の2つの種類があります。 パネル型は、既存の屋根や壁に追加して設置され、多様なメーカーやサイズから選択できるメリットがあります。その一方、屋根と太陽光パネルが一体化した建材一体型は、新築や屋根の葺き替え時にしか設置できません。 建材一体型はデザイン性に優れており、屋根としての機能も果たしますが、発電効率がパネル型と比較してやや低く、修理も複雑になる可能性があります。どちらを選ぶかは、導入の背景やニーズに合わせた充分な検討が必要です。
- コラム
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建材一体型の定義と特徴
建材一体型太陽光パネルは、建物の屋根や外壁に太陽光パネルを一体化させたもので、デザイン性に非常に優れています。建材としての機能を持つことから、耐久性や防火対策が向上しているほか、屋根としての機能も果たすため、工事コストを抑えてプロジェクトの期間を短縮できるメリットがあります。ただし、発電効率がやや低いことから気候条件によっては向いていない場合もあり、使用目的に合わせて検討が必要です。
太陽光発電において大切な発電効率とは?
太陽光発電における発電効率とは、太陽の光エネルギーをどれだけ効率的に電力に変換できるかを示す指標です。一般的なソーラーパネルの変換効率は20%程度であり、これは太陽の光エネルギーのうち約2割が電力に変換されることを意味しています。
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建材一体型太陽光パネルのメリット
デザイン性の優位性: 美しい外観と一体感の魅力
建材一体型太陽光パネルの際立つメリットは、その優れたデザイン性です。美しい外観と屋根との一体感が特長で、他の太陽光パネルと比較して建物に調和し、違和感がありません。遠くから見ても目立たない統一感は、建築物全体の美しさを向上させます。建材一体型太陽光パネルは、エコな選択だけでなく、美観にも配慮した先進的なエネルギーソリューションと言えるでしょう。
工事の利便性: コスト削減と期間短縮の可能性
建材一体型太陽光パネルの魅力の一つは、工事の利便性にあります。このタイプのパネルは屋根材としても機能し、建材として一体化するため、従来の太陽光パネルよりも工事がスムーズであることから、コストの削減と期間の短縮が可能です。
雨漏りリスクの低減
建材一体型太陽光パネルの大きなメリットのひとつは、雨漏りリスクの低減です。太陽光パネルが建材として屋根に一体化するため、パネルと屋根の接合部分がシームレスとなり、雨水が侵入する可能性が著しく低減します。この構造により、雨漏りによる損害や不具合のリスクが大幅に軽減され、建物全体の耐久性が向上します。建材一体型太陽光パネルは、エネルギーの効率的な利用だけでなく、建物の防水性を強化し、安心して長期間利用できる優れた選択肢となっています。
建材一体型太陽光パネルのデメリット
発電効率の低下: 熱の影響と夏季の課題
建材一体型太陽光パネルの一つのデメリットは、発電効率の低下です。この形態の太陽光パネルは屋根や外壁に一体化されているため、太陽光吸収による熱の蓄積が起きやすく、発電効率が通常のパネルよりも低くなる可能性があります。特に夏季など高温時には、この影響が顕著に現れ、発電性能に課題が生じることが考えられます。したがって、気温の上昇が懸念される環境での設置の際は、慎重な検討が必要です。
修理の複雑性: アクセス制限と対処の難しさ
建材一体型太陽光パネルの欠点には、修理の難しさが挙げられます。一体化された設置形態のため、故障やメンテナンスが必要な際、アクセスが制限される可能性があります。通常の太陽光パネルよりも取り外しが難しく、専門的な対処が求められることがあるため、修理が複雑化し、作業の手間や時間がかかることが懸念されます。計画的なメンテナンスが必要であり、故障時の迅速な対応が難しいことから長期的な運用計画を考慮する際には留意しましょう。
設置の限定条件: 新築や葺き替え工事にのみ適用可能
建材一体型太陽光パネルの不便な側面には、設置の限定条件が挙げられます。この種のパネルは新築や葺き替え工事の際にのみ設置が可能であり、既存の住宅や建物に後付けすることが難しいことから、計画段階での充分な検討が不可欠です。
- 【固定資産税】建材一体型は固定資産税の対象!
- 屋根一体型(建材一体型)の太陽光発電システムが固定資産税の対象になります。その理由は、ソーラーパネルが建物と一体化しており、建物の一部として認識されるため、建物自体の価値があがったり、デザイン性や機能性に影響を与えると考えられているからです。 太陽光発電における固定資産税とは?
建材一体型(屋根一体型)を提供しているメーカーは?
一条工務店の「屋根一体型太陽光パネル」
一条工務店では、建材一体型のソーラーパネルを提供しています。一条工務店の建物規格寸法に合わせて自社グループ工場で生産されているため、屋根の面積を最大限活かせることがメリットです。
カナメの「カナメソーラールーフ」
カナメは金属屋根メーカー・施工業者ですが、屋根一体型のソーラールーフを提供しています。雨漏りせず美しい外観にこだわっているのは、屋根メーカーならでは。
まとめ
建材一体型の太陽光パネルについてご紹介いたしました。美しい外観で太陽光パネルを設置できるという一方で、機能面では検討すべき部分もあります。また、建材一体型は新築や屋根葺き替えの場合のみ設置が可能になるため、検討している方は設置機会を逃さないよう早めに情報をチェックしましょう!
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