2025年08月14日

大容量の大型蓄電池、購入前に読む!家庭用、タイプ別おすすめ容量
大容量蓄電池は、停電時も安定した電力供給を可能にし、電気料金の節約にも貢献します。導入には適切な容量の選択と価格の把握が不可欠です。本記事では、大容量蓄電池の容量や価格相場、メリット・デメリット、そして最適な選び方について詳しく解説します。
目次
大容量蓄電池とは
大容量蓄電池とは、一般的な家庭用蓄電池の中でも特に多くの電力を貯められるタイプの蓄電池を指し、一般的に10kWh以上の蓄電容量を持つ製品が大容量とされています。家庭用蓄電池は、電力会社から購入した電気や太陽光発電システムで発電した電気を貯蔵し、必要な時に放電して使用できる設備です。 これにより、災害による停電時の非常用電源として機能するだけでなく、深夜の割安な電気を貯めて日中に使用することで、電気代の削減にも貢献します。近年、太陽光発電の売電価格の下落や電気代の高騰を背景に、自家発電・自家消費への移行を進める家庭や企業で導入が進んでいます。 大容量の蓄電池は、停電時でも普段と変わらない生活を送りたい場合や、家族の人数が多い家庭に特におすすめです。蓄電池の容量単位って?
蓄電池の容量は「kWh(キロワットアワー)」という単位で表され、これは蓄電池が貯めることができる電気の最大量を意味します。「1kWh=1,000Wh」と覚えておくと理解しやすいでしょう。これは1,000Wの電力を1時間消費した際に消費される電力量を示しています。 また「Ah(アンペアアワー)」という単位を目にすることもありますが、これはどれだけの電流をどれだけの時間流せるかに着目した指標であり、主に小型機器に使われる単位です。家庭用蓄電池の容量は、家電の消費電力に合わせてkWhで表記されるのが一般的です
蓄電池の実効容量って?
蓄電池を選ぶ際には、カタログに記載されている「定格容量」だけでなく、実際に使用できる電気量を示す「実効容量」を基準に検討することが重要です。実効容量は定格容量の70〜90%程度となることが多いため、注意が必要です。
一般家庭の電気量
一般家庭の1日あたりの電気使用量は、世帯人数や季節によって異なりますが、目安として6〜15kWh程度とされています。一人暮らしでは1日あたり約6.1kWh、2人世帯で約10.5kWh、3人世帯で約12.2kWh、4人世帯では約13.1kWhが目安です。 集合住宅の場合、1人世帯で約6.2kWh、2人世帯で約9.0kWh、3人世帯で約10.4kWh、4人世帯で約10.5kWhが目安とされています。 夏場はエアコンや冷蔵庫の使用が増えるため電気使用量が増える傾向にあり、一人暮らしで月額約6,700円前後、2人暮らしで月額約10,000円〜15,000円程度、4人家族で月額約12,800円ほどになることがあります。 これらの数値はあくまで一例であり、ライフスタイルや家電の使用状況によって大きく変動します。例えば、オール電化の家庭や在宅時間の長い家庭では、平均よりも電気使用量が多くなる傾向にあります。 蓄電池の容量を選ぶ際には、ご自身の家庭の1日の電気使用量を正確に把握することが、最適な家庭用蓄電池を選ぶ上で非常に重要です。電気料金の明細や電力会社のアプリなどで過去の電気使用量を確認し、具体的な数値を参考にすると良いでしょう。
業務用の電気量
業務用の電気の使用量は、一般家庭と比較して非常に大きく、その用途や規模によって多岐にわたります。工場や倉庫などの大規模施設では、生産設備の稼働や空調などによって膨大な電力を消費します。 そのため業務用の蓄電池は、一般家庭用の10kWh前後が主流であるのに対し、10kWhから500kWhを超えるタイプまで幅広く存在します。適切な蓄電容量が不明な場合は、蓄電池を提供する専門企業に相談することで、最適な容量を提案してもらうことができます。
大容量蓄電池のメリットとは
大容量蓄電池を導入することには様々な利点があります。特に停電時や災害時の備え、日々の電気料金の節約、さらには電力の自給自足や電気自動車への充電、太陽光発電との連携による効率的なエネルギー利用が挙げられます。これらのメリットは現代のライフスタイルやエネルギー事情に合わせた賢い選択と言えるでしょう。
停電時の電力供給
大容量蓄電池は、自然災害による停電時でもあらかじめ蓄電池へ電気を貯めておけば家庭で使用する電気をおおむねまかなえるため、非常に有効な備えとなります。一般的な4人家族の1日あたりの電力消費量が約13kWhとされている中で、20kWhクラスの蓄電池があれば、冷蔵庫や照明、テレビ、スマートフォンの充電など、生活に不可欠な電気機器を1~2日間程度使用し続けられます。 これにより災害時も自宅での在宅避難が可能です。特に全負荷対応の蓄電池を選べば、家中のコンセントが使用できるため、停電時でも普段とほぼ変わらない生活を送ることができるでしょう。
電気料金の節約
大容量蓄電池を導入することは、日々の電気料金の節約にも大きく貢献します。多くの電力会社が提供している時間帯別料金プランでは、深夜の電気料金が安く設定されています。この時間帯に大容量蓄電池に電気を充電し、電気料金が割高になる昼間や夕方のピークタイムに蓄電池から放電して電気を使用することで、電気代を効率的に削減できます。 これを「ピークシフト」と呼び、電力会社からの購入量を減らすことで、月々の電気代を最大で30%削減できると期待されています。特に電気使用量が多い4人家族以上や2世帯住宅などでは、大容量の蓄電池を導入することで、その節約効果を最大限に高めることができるでしょう。
電力自給自足の実現
大容量の家庭用蓄電池は、電力の自給自足を叶えます。太陽光発電システムを導入している家庭では、日中に発電した余剰電力を蓄電池に効率的に貯めることができるため、日中に使いきれなかった電力を夜間や悪天候時に自家消費できるようになり、電力会社から電気を購入する量を減らすことができます。 近年は太陽光発電のFIT(固定価格買取制度)売電価格が下落しているため、発電した電力を売電するよりも自家消費する方が経済的なメリットが大きくなっています。 蓄電池を導入することで自家消費率の向上が期待でき、電力の自給自足の実現につながるだけでなく、太陽光発電システムの初期費用回収期間の短縮にもつながる可能性があります。
電気自動車への充電
大容量蓄電池は電気自動車(EV)への充電にも活用でき、20kWhクラスの蓄電池があれば、EVへの充電と家庭への給電を同時に行える「双方向利用」が可能です。また V2H(Vehicle to Home)システムと組み合わせることで、停電時には電気自動車から家庭へ給電するなど、EVが蓄電池の代わりとしても機能します。 これにより停電時でもEVを充電できるだけでなく、非常時には家庭の電力源としても活用でき、安心感が高まります。 日中の太陽光発電で得た電力をEVに充電し、夜間は家庭で自家消費するといった効率的なエネルギーマネジメントも実現できます。
太陽光発電との連携
大容量蓄電池は太陽光発電システムとの連携によりその真価を発揮します。太陽光発電で日中に発電した電力は余剰分を売電することも可能ですが、近年FIT売電価格が下落傾向にあるため自家消費のメリットが大きくなっています。 大容量蓄電池があれば日中に発電した太陽光発電の余剰電力を効率的に貯め込み、夜間や曇りの日など太陽光発電が行われない時間帯にその電力を自家消費できます。これにより電力会社から購入する電気の量を最小限に抑え電気代を大幅に削減することが可能です。 特にハイブリッド蓄電池と呼ばれるタイプの蓄電池は太陽光発電と蓄電池を1台のパワーコンディショナで制御できるため、電力の変換ロスが少なく発電電力を効果的に活用できます。太陽光発電システムと大容量蓄電池をセットで導入することで電力の自給自足に近づき、電気料金の節約だけでなく災害時の停電対策としても非常に有効なシステムを構築できます。
大容量蓄電池のデメリット
大容量蓄電池の導入には多くのメリットがある反面、いくつかのデメリットも存在します。導入を検討する際には、これらのデメリットも十分に理解し、総合的に判断することが重要です
導入費用はどのくらいかかる?
大容量蓄電池を導入する際の最大のデメリットの一つは、初期費用が高額になることです。蓄電池の価格は容量に大きく左右され、容量が大きくなるほど価格も上昇する傾向にあります。設置費用込みで100万円から200万円程度が一般的な価格帯とされており、20kWhを超えるような大容量モデルでは、さらに高額になることも珍しくありません。 高額な初期投資は、導入を検討する上で大きなハードルとなることがあります。そのため、導入前に複数の事業者から見積もりを取り、相場を把握することが重要です。また、国や地方自治体の補助金制度を活用し、導入費用を抑えることも検討しましょう。
設置場所が限られる場合も
大容量蓄電池は、そのサイズや重量から設置場所に制約が生じる場合があります。蓄電ユニットやパワーコンディショナのサイズは機種によって異なり、一般的に2㎡〜3㎡程度のスペースが設置する際に必要とされます。設置場所は直射日光や雨風を避け、気温が0℃〜40℃まで、湿度が90%以下の環境が望ましいとされています。 メーカーや品番によっては、屋内専用、屋外専用、または屋内と屋外どちらにも設置可能なタイプまで多彩ですが、屋外設置の場合、設置スペースの防水・防塵対策が必要となり、追加費用が発生する可能性もあります。 一方、屋内設置の場合は温度管理が容易で盗難のリスクもありませんが、その分、居住スペースが狭くなるなど一長一短あります。蓄電池の性能維持と安全性を確保するためにも、設置場所の条件を事前に確認し、自宅に適した場所を選ぶことが重要です。
容量が過剰だとどうなる?
蓄電池の容量は「大は小を兼ねる」という考え方で選ぶべきではありません。必要以上に大容量の蓄電池を選んでしまうと、いくつかのデメリットが生じる可能性があります。 まず導入時の初期費用が高額になり、過剰な容量分の価格が無駄になってしまう点が挙げられます。また設置スペースも大きくなるため、限られた敷地では設置場所の確保が難しくなることもあります。さらに容量が大きすぎると、蓄電池の充放電サイクルが少なくなり、機器の性能を十分に活用できない可能性も出てきます。 蓄電池は充放電回数に寿命があるため、常に満充電に近い状態で使用していると、そのサイクル数を消化しきれずに寿命を迎えてしまうケースも考えられます。そのため、家庭の電力使用量や、停電対策の必要性などを考慮し、大きすぎず小さすぎない最適な容量を選ぶことが重要です。
大容量蓄電池の実際の費用
大容量蓄電池の導入を検討する際、最も気になるのはその購入費用でしょう。蓄電池の価格は、容量によって大きく変動します。ここでは、一般的な容量ごとの価格相場について紹介します。
10kWhから15kWhの価格帯
10kWhから15kWhの容量の蓄電池は、標準的な4人家族の電力消費量をカバーし、太陽光発電との連携による自家消費を促進したい家庭に適しています。この容量帯であれば、冷暖房が必要な季節でも夜間の家庭での電力使用をおおむね賄うことができるでしょう。 価格としては、設置費用込みで80万円から300万円程度が目安となることが多いです。災害時の停電対策としても、冷蔵庫や照明など最低限の生活を2〜3日間継続できるほどの電力を確保できるため、防災意識の高い家庭にとっても魅力的な選択肢となります。
15kWhから20kWhの価格帯
15kWhから20kWhの容量帯の蓄電池は、電気使用量が多いオール電化住宅や、長時間の停電に備えたい家庭に適しています。このクラスの蓄電池があれば、停電時でも冷蔵庫やIHクッキングヒーター、エアコンなど、日常生活に必要な多くの家電を家中で使用することが可能です。 価格は、設置費用込みで250万円を超える場合もあり、メーカーや機能によってさらに高額になることもあります。特に12kWh〜13kWhの容量帯で平均214.1万円とされており、これ以上の容量だとさらに高額になる傾向が見られます。 この容量帯の蓄電池は、電力の完全自給自足を目指す家庭や、電気自動車(EV)への充電も視野に入れている場合に特に有効な選択肢となるでしょう。
20kWhを超える価格帯
20kWhを超える大容量蓄電池は、複数の世帯が同居している家庭や事業所に適しています。この容量帯の蓄電池は、停電時にほぼ日常と変わらない生活を送れるほどの電力を確保できる点が最大のメリットです。電気自動車への充電と家庭への給電を同時に行える「双方向利用」も可能になります。 価格は、設置費用込みで200万円から300万円以上となることが多く、導入コストは高額になりますが、停電時の絶対的な安心感と、ピークシフト効果による大幅な電気代削減効果が期待できるでしょう。
大容量蓄電池の費用を抑える方法

大容量蓄電池は高価な買い物ですが、いくつかの方法で導入費用を抑えることが可能です。賢く導入するためにも、以下のポイントを押さえておきましょう。
公的補助金の活用
大容量蓄電池の導入費用を抑えるには、国や地方自治体から提供される公的補助金の活用が効果的です。例えば、経済産業省や環境省が実施するZEH支援事業、DR家庭用蓄電池事業、国土交通省の子育てグリーン住宅支援事業(リフォーム)などが挙げられます。 蓄電池の導入を支援する「DR補助金」は、蓄電池の商品代と工事代を含めた導入価格の3分の1、または初期実効容量1kWhあたり3.7万円のいずれか低い金額が上限60万円まで適用される可能性がありました。しかしDR補助金は2025年7月2日をもってすでに予算上限に達したため締め切られており、現時点での申請はできません。来年度も同様の補助金制度が実施される可能性があるため、常に最新の情報を確認することをおすすめします。 このほか自治体によっては、東京都の例のように蓄電池に最大120万円、V2Hに最大100万円といった、さらに高額な補助金を設定しているケースもあります。補助金を活用するには、蓄電池を購入する前の段階での申し込みが必要な場合が多く、また、環境共創イニシアチブ(SII)に登録された機器のみが補助金対象となるため、事前に確認することが重要です。
家庭に適した容量を選ぶ
家庭用蓄電池の適切な容量を選ぶことは、費用対効果を最大化するうえで非常に重要です。蓄電池の容量は1人暮らしの世帯を除くと、2〜3人世帯では5〜8kWh、4人家族では8kWh前後が目安とされています。しかしこれはあくまで一般的な目安であり、ご家庭のライフスタイルや家電製品の数、使用頻度によって適切な容量は異なります。 例えば、小さいお子さんや高齢の方と同居している2世帯住宅、また在宅勤務などで昼間の電気使用量が多いご家庭では、さらに多くの電力を消費するため、その分の電力も加味して容量を選ぶ必要があります。まずはご自身の家庭の月々の電気料金明細を確認し、1日の平均電気使用量を把握することから始めましょう。適切な容量を選ぶことで、過剰な初期投資を防ぎつつ、災害時の安心と日々の電気代節約を両立させることができます。
複数の事業者からの見積もりを比較
大容量蓄電池の導入費用を抑えるには、複数の事業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。同じ容量や機能を持つ蓄電池でも、販売店や施工事業者によって価格設定が異なることがあります。 複数の見積もりを比較することで、適正な価格相場を把握し、不当に高額な費用を請求されるリスクを避けることができます。また見積もりを比較する際には、本体価格だけでなく、設置工事費や保証内容、アフターサポートなども含めて総合的に検討しましょう。 住宅施工を担当したハウスメーカーや工務店、太陽光発電事業者などに相談することで、見積もりを効率的に比較検討できます。これにより価格面で納得のいく最適な蓄電池を見つける可能性が高まります。
大容量蓄電池の導入に適したケース
大容量蓄電池の導入は、すべての家庭に適しているわけではありません。以下に導入に適したケースをピックアップしました。
太陽光発電を利用している家庭
太陽光発電を導入していたり、オール電化住宅の場合は、大容量蓄電池の導入に特に適しています。オール電化住宅は、給湯や調理も電気でまかなうため、夜間の電気使用量が多くなりがちです。 太陽光発電を組み合わせることで、日中の発電した電力を自家消費し、余剰分を蓄電池に貯められます。夜間の電気料金が割安な時間帯に蓄電池に充電し、電力需要のピーク時や電気料金が高い時間帯に蓄電池の電力を使用することで、電気代を大幅に削減できます。 また太陽光発電のFIT期間終了後でも、発電した電気を効率的に自家消費できるなど、経済的なメリットを享受できます。
在宅時間の短い家庭
共働きで昼間は家を空けることが多い世帯では、大容量蓄電池の導入が非常に有効です。太陽光発電システムを導入している場合、日中に発電した電力をリアルタイムで消費できる量が限られてしまうため、多くの余剰電力が生まれます。 この余剰電力を大容量蓄電池に効率的に貯めることで、家族が帰宅して電気使用量が増える夕方から夜間にかけて、貯めた電気を自家消費できます。これにより電力会社から購入する電気の量を大幅に減らし、電気代の節約につながります。
防災意識の高い家庭
近年、自然災害による停電が増加していることを背景に、防災意識の高い家庭にとって大容量蓄電池は非常に有効な選択肢です。大容量の蓄電池があれば、長時間の停電時でも冷蔵庫や照明、テレビ、スマートフォンの充電など、日常生活に必要な最低限の電力を確保し続けることができます。 特に小さな子どもがいる家庭や高齢者がいる家庭、ペットを飼っている家庭では、災害時でも電気のある生活を維持したいという傾向が強く、蓄電池の導入は安心感に直結します。 容量の少ない蓄電池でも一定の電力確保は可能ですが、長期的な停電に備えるためには、1日分の電力使用量をまかなえる10kWh以上の大容量タイプが推奨されます。大容量蓄電池は電力を確保する電気の保険として、万が一に備えるための手段となるでしょう。
大容量蓄電池が推奨されないケースって?
大容量蓄電池の導入は、すべての家庭にメリットがあるわけではありません。例えば、電気使用量が少ない家庭の場合、導入費用が高額になるため、費用対効果が見合わない可能性があります。 具体的には月に5,000円未満の電気代の家庭であれば、蓄電池の導入そのものが不要かもしれません。また設置スペースに制約がある狭小住宅や、初期費用を抑えたい場合は、小型でコンパクトな蓄電池(5kWh未満)や、短時間の停電対策向けの製品を選ぶことで、コスト負担を抑えつつ最低限のメリットを得られる方法があります。 このように蓄電池の容量は、大きければよいというわけではなく、各家庭のライフスタイルや電力使用量、導入目的に合わせて適切な容量を見極めることが重要です。
ここまで読んで必ずしも大容量でなくてもいい、と感じた方は、蓄電池の容量|家庭用の目安は?家族構成別、最適容量の考え方 | ソーラーメイトブログをぜひ参考にしてください
大容量蓄電池の活用事例
大容量蓄電池は、その特性を活かして様々な場面で活躍しています。ここでは具体的な活用事例をいくつかご紹介します
家庭での活用事例
家庭用蓄電池は、日々の生活の利便性向上から災害対策まで、多岐にわたる活用が可能です。特に太陽光発電システムとの組み合わせや、蓄電池単体での運用によって、それぞれの家庭のライフスタイルに合わせた電力の有効活用が実現されています。
蓄電池単体での導入事例
蓄電池単体で大容量蓄電池を導入する家庭では、主に電気料金の節約と停電対策を目的としています。太陽光発電システムを設置していない場合でも、電力会社が提供する深夜の電気料金が安くなるプランを活用し、夜間に蓄電池に充電を行います。そして電気料金が割高になる昼間や夕方の時間帯に、蓄電池に貯めた電気を使用することで、電気代を効果的に削減します。これにより月々の電気代を大幅に抑えることが可能です。 また、災害などで停電が発生した際には、蓄電池にあらかじめ貯めておいた電気を非常用電源として利用できます。冷蔵庫や照明、スマートフォンの充電など、最低限の家電を動かせるため、停電時も最低限の電力確保が叶います。近年は大風による倒木や雷などの自然災害だけでなく、システムの異常などで停電が頻発しています。短時間で復旧することもありますが、停電が稀な地域や日中の電力消費量が少ない家庭でも、蓄電池単体の導入はリスク回避として有効な選択肢となるでしょう。
太陽光発電との併用事例
太陽光発電システムと大容量蓄電池を併用する家庭では、電力の自給自足を目指し、電気代のさらなる削減と災害時の電力確保を両立させています。日中に太陽光発電で発電した電気は、まず家庭内で消費し、余った分は大容量蓄電池に貯めます。夜間や曇りの日など、太陽光発電ができない時間帯には、蓄電池に貯めた電気を自家消費することで、電力会社から電気を購入する量を最小限に抑えます。 これにより電気代を大幅に削減できるだけでなく、売電価格が下落傾向にあるFIT制度終了後も、発電した電気を無駄なく活用できます。また停電時には、太陽光発電と蓄電池が連携し、非常用電源として機能するため、長時間の停電でも普段とほぼ変わらない生活を維持することが可能です。特にオール電化住宅や電気使用量が多い家庭では、太陽光発電と大容量蓄電池の併用により、大きな経済的メリットと安心感を得られるでしょう。
容量別おすすめの蓄電池|選び方
蓄電池の導入を検討する際、どの製品を選べばよいか迷う方も多いでしょう。本当に大容量蓄電池って必要?そんな声に応えて、ここでは容量帯別におすすめの蓄電池について解説します。蓄電池は、容量によって費用や設置スペースが大きく異なるため、ご自身のライフスタイルや電力消費量に合わせた選択が重要です。低容量から大容量まで、各容量帯の主な用途やメリットを理解し、最適な蓄電池を見つける参考にしてください。
低容量帯(1kWhから5kWh)のおすすめ蓄電池
低容量帯(1kWhから5kWh)のおすすめ蓄電池は、主に一人暮らしの家庭や、非常時のスマートフォン充電、小型家電の使用など、最低限の電力確保を目的とする場合に適しています。この容量帯の蓄電池は、ポータブル電源とも呼ばれ、持ち運びが可能で、キャンプや車中泊などのアウトドアシーンでも活躍します。 選び方のコツとして、発火や爆発のリスクが低いリン酸鉄リチウムイオン電池を採用している製品を選ぶと、安全性が高まります。例えばJackeryのポータブル電源700(700Wh)、EENOUR、AnkerのAnker522PortablePowerStation(320Wh)などが挙げられます。これらの製品はコンパクトな容量でも緊急時に役立つ電力を供給でき、初期費用を抑えたい方にもおすすめです。
中容量帯(5kWhから10kWh)のおすすめ蓄電池
中容量帯の蓄電池は5kWhから10kWhの容量があり、一般的に2〜4人家族に適しています。特に太陽光発電を導入している家庭では、日中に発電した電力を自家消費し、余剰電力を蓄えることで、電気代の節約に大きく貢献します。この容量帯であれば、冷暖房を使用する季節でも、夜間の家庭での電力使用をまかなうことが可能です。 具体的には、オムロンのマルチ蓄電プラットフォームKPBP-Aシリーズが挙げられます。このシリーズには6.5kWhと9.8kWhのモデルがあり、特に9.8kWhの蓄電池は標準的な家庭向けとして人気があります。 またダイヤゼブラ電機(旧:田淵電機)のEIBS7は7.04kWhの蓄電容量を持ち、停電時に家中の電力をまかなえる全負荷対応で、最大5.5kVAの高出力が特徴です。さらに外部給電アダプタfromVを使用すれば、電気自動車からの給電も可能で、災害時の備えとなります。 この容量帯の蓄電池は、普段使いの電気代節約はもちろんのこと、万が一の停電時にも冷蔵庫や照明など最低限の家電を数日間稼働できる電力を確保できるため、災害対策としても有効な選択肢となります。
大容量帯(10kWh以上)のおすすめ蓄電池
強調文字ブラック大容量帯(10kWh以上)の蓄電池は、電気使用量が多いオール電化住宅や、家族の人数が多い家庭、または長時間の停電に備えたい場合に最適です。この容量帯の蓄電池があれば、通常時の電気代削減はもちろんのこと、停電時でも冷蔵庫、エアコン、IHクッキングヒーターなどの消費電力が大きい家電も使用でき、普段の生活に近い電気の使い方が可能になります。 また太陽光発電システムと組み合わせることで、日中に発電した電気を効率的に貯めて夜間に使用し、電力の完全自給自足を実現できます。7kwや8kwなど、複数の蓄電池を2台導入するといった選択肢も、大容量のほうがより多くの電力を確保したい場合に有効です。 おすすめの製品としては、エリーパワーの家中のコンセントが使える全負荷対応のハイブリッド蓄電システム「POWER iE5 GRID」があります。最大5.5kWの高出力でリビングのエアコンやIHクッキングヒーターなどの200V機器も使用可能です。蓄電池ユニットは最大10.8kWhまで増設できます。 またニチコンの「ハイブリット蓄電システム」も10kWh以上の製品を多く取り揃えていて自家消費や停電対策に有効です。このほか長州産業の「スマートPVマルチ」は、太陽光発電、蓄電池、EV充電を一括管理できるハイブリッド型システムで、最大16.4kWhの大容量モデルがあります。さらにテスラ社の「Powerwall」は、13.5kWhの大容量単機能蓄電池で、スタイリッシュなデザインと200V家電対応で停電時にも大きな支えとなります。 これらの製品は、大容量でありながら高機能であるため、多くの電力消費を伴う家庭のニーズに応えられるでしょう。
最適な蓄電池の選び方
最適な家庭用蓄電池を選ぶためには、ご自身の家庭の電力使用状況や導入目的を明確にすることが重要です。漠然と容量の大きいものを選ぶのではなく、具体的なデータに基づいて検討することで、無駄のない賢い選択ができます。
1日の電気使用量を目安にする
家庭用蓄電池を選ぶうえで最も基本的な方法は、ご家庭の1日の電気使用量から必要な容量を算出することです。まず1ヶ月の電気使用量を30日で割ることで、1日あたりの平均電気使用量を把握できます。これにより、日常的にどれくらいの電力量が必要かが明確になります。 例えば、冷蔵庫や照明、テレビ、エアコンなど、日常的に使用する主要な家電製品の消費電力(W)と使用時間(h)をリストアップし、「出力(W)×時間(h)÷1000=電力量(kWh)」の計算式でそれぞれの家電の電力消費量を計算し、合計することで、1日に必要とする電気使用量の合計値を出すことができます。 この合計値を参考に、蓄電池の容量を選ぶことで、容量不足やオーバースペックを防ぎ、費用対効果の高い導入が期待できます。
太陽光発電の売電量を目安にする
太陽光発電システムを導入している家庭の場合、売電量や全体の発電量から家庭用蓄電池の容量を選択する方法も有効です。近年、太陽光発電のFIT(固定価格買取制度)売電価格が下落しているため、発電した電力を売電するよりも自家消費する方が経済的なメリットが大きくなっています。 既に太陽光発電システムを設置している場合は、1日の平均発電量から家庭の電気使用量を除いた値を基に、蓄電池の容量を決定することが推奨されます。 これにより、日中に発電した余剰電力を効率的に蓄電池に貯め、夜間や電気料金の高い時間帯に自家消費することで、売電に頼らずに電気代を削減できます。 太陽光発電の容量と蓄電池の容量が適切にマッチすることで、電力の自家消費率を最大化し、より効率的なエネルギー運用が可能になります。
まとめ
大容量蓄電池は、停電時の電力確保や電気料金の節約、電力の自給自足など、多くのメリットをもたらし、さらに太陽光発電システムとの連携により、その効果が最大限に発揮されることがわかりました。蓄電池の容量選びでは、家庭の電気使用量や導入目的に応じて最適な容量を選ぶことが重要だとわかったことでしょう。 導入費用は高額になりがちですが、国や自治体の補助金制度を活用したり、複数の事業者から見積もりを取って比較することで、導入費用を抑えることもできるでしょう。最適な蓄電池を選ぶために、この記事を参考に信頼できる太陽光発電事業者や電気小売事業者にまずは相談してみましょう。
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