2025年07月29日

太陽光発電の設備をやさしく解説|家庭用設備の費用や補助金の説明も
【この記事はどんな人の役に立つか】
新築一戸建てを検討中で「太陽光発電を設置してみたいけど、何から始めればいいのかわからない」「太陽光発電システムって、どんな仕組みで、どんな設備が必要なの?」と思っている方に向けた記事です。
記事の前半では、太陽光発電システムが太陽光パネルだけでなく、複数の設備機器で構成されるシステムであることを分かりやすく解説します。後半では、実際の導入時に必要な設備費用の相場や事業者選びのポイント、ご家庭に最適な設備の選び方について詳しく解説します。
最終的にマイホーム計画に太陽光発電設備を取り入れるかどうかの判断材料として役立つことを目的としています。
目次
太陽光発電設備は「パネルだけ」じゃない?
多くの方が「太陽光発電」と聞くと、屋根に設置されている黒いパネルをイメージするかもしれません。「屋根にパネルを載せるだけでしょ?」というイメージです。 しかし実際の住宅用太陽光発電システムは、太陽光パネル、パワーコンディショナ、接続箱、分電盤、電力量計、蓄電池、発電量モニタといった複数の設備が連携して動作する本格的なシステムです。
私たちに身近な「スマートフォン」も、本来画面だけでなく、CPU、メモリ、バッテリーなど様々な部品が組み合わさって初めて機能するのと同じように、太陽光発電設備も各機器が一体となって稼働することで、初めて太陽の光エネルギーを家庭用の電力として活用できるのです。
家庭用太陽光発電システムを構成する設備の内訳
住宅用太陽光発電システムは、以下の主要な設備で構成されています。
1. 太陽光パネル(太陽電池モジュール)
太陽の光エネルギーを電気に変換する装置です。屋根に設置される最も目に見える部分で、太陽光発電装置の心臓部ともいえます。 一般的な住宅では15〜25枚程度のパネルを設置し、システム全体の発電量はこのパネルの容量(kW:キロワット)で決まります。4人家族のご家庭なら、だいたい4〜6kW程度の容量が目安となります。
2. パワーコンディショナ(パワコン)
太陽光パネルで発電した直流電力を、家庭で使える交流電力に変換するための設備です。 実は私たちの家のコンセントで使える電気は「交流」という種類の電気で、太陽光で発電した直流戦力と規格が違うため、変換器(パワーコンディショナ)での変換が必要になるのです。 このほかパワーコンディショナは天候による発電量の変動を調整したり、停電時の安全機能なども備えています。
3. 接続箱
複数枚の太陽光パネルから送られてくる電気を一本にまとめ、パワーコンディショナに送るための設備です。身近なものに例えると、ご家庭にある延長コードなど、各配線をまとめる役割を果たします。
4. 架台(かだい)
屋根に太陽光パネルを安全に固定するための金属製の支持構造物です。屋根材の種類(スレート、瓦、金属屋根など)や屋根の形状に応じて最適な架台を選択する必要があります。
5. 分電盤
家の各配線に電気を分配する設備を指します。皆さんの家にもあるブレーカーが付いた箱がこれに当たります。既存住宅へ太陽光発電を設置する場合は、既存の分電盤の経年劣化やシステム容量によっては交換が必要です。
6. 電力量計(スマートメーター)
電力会社に売った電力や買った電力を計量するメーター設備です。最近では「スマートメーター」という高機能な機器があり、発電した余剰電力を電力会社に売電する際の計量を正確に行います。
7. 発電量モニター
発電量や消費電力量などを表示する設備です。スマートフォンのアプリで確認できるタイプも多く、リアルタイムで太陽光発電システムの稼働状況を確認でき、電気の使用量を見える化することで省エネ意識をもたらします。
太陽光発電システムの仕組み|発電から電気利用まで
太陽光発電システムがどのように動作するのか、それぞれの設備を通して発電から実際に電気を使用するまでの流れを分かりやすく説明します。
1. 発電設備:太陽光が電気になる
太陽光パネルに太陽光が当たると、パネル内部で電子が動くことにより電気が発生します。この時点で作られる電気は「直流電力」です。 この直流電力はそのままでは家庭で使用することができないので、普段使っている家電製品(エアコン、冷蔵庫、テレビなど)で使用するには次の2で「変換」が重要になってきます。
2. 変換設備:パワーコンディショナが活躍
太陽光パネルで発電された直流電力は、接続箱を経由してパワーコンディショナー(パワコン)に送られます。ここで直流から交流への電力の変換が行われます。 この変換過程ではどうしても若干のエネルギーロスが発生してしまいます。パワーコンディショナの変換効率はおよそ95〜98%程度です。つまり100の電気を作っても、実際に使えるのは95〜98程度ということになります。高品質なパワコンほど変換効率が高く、発電した電力を無駄なく活用できます。
3. 配電設備:家庭内への電力供給
パワーコンディショナで交流に変換された電力は、分電盤に送られ、家庭内の各部屋のコンセントに分配されます。
4. 利用:自家消費と売電の自動制御
分電盤から各部屋に分配された電気を自宅で使うことを「自家消費」と呼んでいます。また余った電気(余剰電力)は契約している電力会社へ「売電」されます。自家消費も売電も、これらの設備によってすべて自動制御で行われています。
- 発電量 が多い場合 → 余った電気は自動的に電力会社に売電
- 消費量が多い場合 → 不足分は電力会社から自動的に購入
- 夜間や雨天時 → 電力会社から電力を購入
パワーコンディショナという設備の重要性
太陽光発電システムの中で、パワーコンディショナー(パワコン)は特に重要な設備です。単に電気を変換するだけでなく、システム全体の頭脳ともいうべき役割を担っています。
パワーコンディショナの主要機能
1. 電力変換機能
直流を交流に変換する基本機能です。これがないと太陽光で作った電気を家庭で使うことができません。
2. 最大電力点追従制御(MPPT)
天候によって発電量が変わっても、常に最適な状態で電力を取り出せるよう自動調整する機能です。曇りの日でも効率的に発電できるのはこの機能のおかげです。
3. 系統連系保護機能
万が一システムに異常が発生した場合、自動的に電力網から切り離して安全を確保する機能です。
4. 自立運転機能
停電時でも太陽が出ていれば発電し、発電した電気を専用コンセントから使用できる機能です。災害時の備えとしてとても有効です。
パワーコンディショナ選びのポイント
変換効率の高さ
変換率95%以上の製品が主流ですが、98%という高効率の製品もあります。たった数%の差でも、太陽光発電システムを使うことを考えると大きな差になります。
寿命とメンテナンス
パワーコンディショナは太陽光発電システムの中でも寿命が短い設備とされており、一般的に10〜15年程度で交換が必要です。保証内容やアフターサービスも重要な選択基準となります。
蓄電池を併設する選択肢
近年、住宅用太陽光発電システムと合わせて蓄電池を導入するケースが増えています。
蓄電池があるとできること
昼間の電気を夜に使える
太陽光発電は昼間しか発電できませんが、蓄電池があれば昼間に作った電気を蓄電し、夜に使うことができます。これにより電気代をさらに削減できます。
停電時の備えとして機能
台風や地震などで停電が発生しても、蓄電池に電気が貯まっていれば夜でも電気を使うことができます。蓄電池の型や容量によっては停電時でも家全体の電気を使える可能性があります。
新築時の設置方法と注意点
代表的な屋根材について
新築住宅の場合、屋根の素材に応じて最適な太陽光発電システムの設置方法を選択できます。
スレート屋根
最も一般的で、太陽光発電設備の設置工事もしやすい屋根材です。コストも比較的抑えられます。
瓦屋根
伝統的な美観を保ちながら太陽光発電設備を設置できる工法に瓦に穴を開けない「支持瓦工法」があります。瓦特有の美観を損なわずに太陽光発電システムの設置が可能になります。
金属屋根
屋根に穴を開けない「キャッチ工法」で設置することで、雨漏りのリスクを最小限に抑えられます。
【重要】設置時の確認事項
屋根の耐荷重
太陽光パネル1枚あたりは約15kg、一般的な設備で約400kg程度の重量が屋根に加わります。新築時であれば構造計算で事前に確認できますが、既存住宅の場合は旧耐震法による建築物かどうかによって、耐荷重の確認が必要です。(※重量はメーカーや製品ごとに異なります。)
最適な設置角度と方位
南向きで約30度の角度が理想的ですが、南東や南西向きでも十分な発電を期待できます。新築なら設計段階で最適化できるメリットがあります。
導入の費用と投資回収|補助金活用も視野に

2025年|設置費用の相場って?
経済産業省のデータによると、2025年の太陽光発電設備の設置費用は1kWあたり25.5万円が目安です。
容量別の目安費用(工事費込み)
- 4kWシステム:約100万円~120万円
- 5kWシステム:約125万円~140万円
- 6kWシステム:約150万円~170万円
4人家族なら5kW程度が一般的なので、130万円前後が導入費用の目安となります。
費用の内訳
機器費用
- 太陽光パネル:全体の約50-60%
- パワーコンディショナ:全体の約15-20%
- その他機器:全体の約10-15%
工事費用
- 屋根設置工事費:約15万円
- 電気工事費:約10万円
- 申請諸費用:約5万円
補助金制度の活用について
国の補助金
ZEH(ゼロエネルギーハウス)などを対象とした補助金があります。
地方自治体の補助金
東京都では1kWあたり10万円の補助金が出る場合もあり、5kWシステムなら50万円の補助を受けられる可能性があります。お住まいの自治体の制度を確認しましょう。
補助金活用時の注意点
申請タイミングの重要性
多くの補助金制度は予算に限りがあり、先着順で受付終了となります。特に人気の高い制度では、年度開始から数ヶ月で予算が満了することも珍しくありません。
工事前申請が原則
ほとんどの補助金制度では、①設備設置工事を開始する前に申請を行い、②交付決定通知を受けてから③工事に着手する必要があります。工事後の申請では補助金を受けられないため、必ず事前に手順を確認してください。
併用可能性の確認
国・都道府県・市区町村の補助金は併用できる場合もありますが、制度によっては併用不可の条件もあります。申請前に各制度の要綱を詳しく確認し、最適な組み合わせを検討しましょう。
事業者選びの重要性
補助金申請には専門的な知識と経験が必要です。申請代行に慣れた信頼できる事業者を選ぶことで、申請ミスによる受給機会の損失を防げます。見積もり段階で補助金申請のサポート体制についても必ず確認してください。
※国のDR補助金は募集開始から2カ月で終了
2025年度 DR補助金は、2025年5月7日に募集開始してから2025年7月2日に予算満了により受付を終了しました。当初予定していた終了日の 2025年12月5日を大幅に前倒しした結果となり、わずか2ヶ月足らずで66.8億円もの予算が消化されたことになります。 このように、DR補助金は非常に人気が高く、毎年予算満了により早期終了する傾向があります。そのため、次年度以降の申請を検討される場合は、募集開始と同時に迅速に申請手続きを進めることが重要です。
現実的な設備投資回収期間について
下記はあるご家庭の太陽光発電の搭載量5kwhを例に設備投資の回収期間をシミュレーションしたものです。
シミュレーション例(5kWシステム)
- 初期費用:130万円前後
- 補助金:△50万円
- 実質負担:80万円
- 年間節約効果:約12万円
- 設備投資回収期間:約7年
このシミュレーションだと、7年で元が取れて、その後は年間12万円の節約効果が20年以上続くという試算になります。これはあくまでも一例なので、実際に専門の事業者へ相談し、見積もりをもらうなどしてよりご家庭に合った設備投資回収期間の最適解を導いてみてください。
太陽光発電システム|主要メーカーの特徴

編集部が注目する主要メーカー5社を紹介します。
京セラ
1993年に国内初の住宅用太陽光発電システムを発売した太陽光発電のパイオニアメーカーで、現在も国内製造にこだわり続けています。
特徴
- 国内有数のパイオニア企業
- 30年以上の長寿命設計
- 手厚い保証とアフターサービス
シャープ
1959年から太陽電池の開発を開始した老舗メーカーで、累計設置実績は約85万軒と圧倒的な数を誇ります。
特徴
- 高効率のブラックソーラー
- 日本の住宅の屋根形状にフィットする設計
- 豊富な実績に基づく安心感
パナソニック
太陽光発電と蓄電池を組み合わせた「創蓄連携システム」が特徴です。
特徴
- 高効率HITパネル
- 蓄電池との連携システム
- 15年の機器保証
長州産業
山口県に本社を置く国内メーカーで、自社工場での一貫生産体制により高品質な太陽光発電システムを提供しています。
特徴
- 国内自社工場での品質管理体制
- 雨漏り保証など充実した施工保証
- コストパフォーマンスに優れた価格設定
- 25年の出力保証、15年のシステム保証
Qセルズ(ハンファジャパン)
ドイツ生まれの技術を持つ海外メーカーで、2023年には太陽光発電システム新築住宅シェアNo.1を達成した注目のメーカーです。
特徴
- 低照度でも高い発電効率(曇りや朝夕に強い)
- 最新技術「Q.ANTUM NEO」で高出力・高効率を実現
- コストパフォーマンスに優れた価格設定
- 25年の出力保証、15年のシステム保証
太陽光発電設備の法定耐用年数と減価償却の計算方法
太陽光発電設備は国税庁により法定耐用年数が17年と定められており、減価償却の対象となります。実際に太陽光パネルの寿命は20〜30年程度ですが、税務上の計算では17年で償却することになります。
自家消費の目的で設置した住宅用太陽光発電システムの場合、設備費用を17年間にわたって経費として計上できます。例えば120万円のシステムなら年間約7万円の減価償却費が計上できるわけです。
蓄電池についても同様に17年の法定耐用年数が適用されます。ただし、売電収入がある場合は雑所得として申告が必要になるケースもあります。詳細な計算方法については税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
太陽光発電設備のコストを検証
太陽光発電設備の導入時と、長く使い続けるために必要なコストは以下になります。
初期費用
シミュレーション例(5kWシステム)
- 初期費用:130万円前後
- 補助金:△50万円
- 実質負担:80万円
長期的なランニングコスト
定期点検費用
3〜5年ごとに1回の定期点検が推奨され、5kWのシステムで1回あたり約4万円程度です。
パワーコンディショナ交換費用
10〜15年程度でパワーコンディショナの交換時期が来るとして、約20万円の交換費用が必要です。
確定申告について
売電収入が年間20万円を超える場合は確定申告が必要です。ただし、一般的な住宅用システム(5kW程度)では、売電収入は年間8〜12万円程度なので、他に雑所得がない場合は確定申告は不要となります。
新築時の事業者選びのポイント
ハウスメーカー・工務店との連携が肝心
新築時の太陽光発電設備導入では、ハウスメーカーや工務店との連携が重要です。
確認すべきポイント
- 太陽光発電設備の施工実績
- 提携している太陽光発電事業者の技術力
- 家の構造設計へ太陽光発電設備をどう組み込むか
- 保証体制の明確化
相見積もりの重要性
1社からの見積もりだけでなく、必ず複数の事業者から見積もりを取りましょう。価格だけでなく、以下の点も比較検討してください。
- 施工実績と技術力
- アフターサービスの体制
- 保証内容
- 提案システムの妥当性
太陽光発電の導入を成功させるポイント
ここまで様々な懸念事項をあえて紹介してきましたが、太陽光発電設備を導入し、有意義に使いこなすためには、以下の点をあらかじめ押さえておきましょう。
- システム全体の仕組みを理解する
- ご家庭のライフスタイルに合わせてメーカーを選ぶ
- 補助金制度を積極的に活用する
- 長期的な収支を考慮する
- 信頼できる業者を選定する
一般的なご家庭での現実的な判断例
5kWシステム導入の場合:
- 初期投資:80万円程度(補助金活用後)
- 年間節約効果:12万円程度
- 設備投資回収期間:約7年
- その後20年以上の節約効果
住宅ローンに太陽光発電費用を組み込む場合、月々の負担増は5,000円程度でも、電気代削減効果は月1万円程度期待できるため、実質的には月5,000円の節約になります。
まとめ
太陽光発電設備は、太陽光パネルだけではなく、複数の機器が連携する本格的なシステムです。新築住宅を検討されている今が、太陽光発電設備を導入する絶好のタイミングです。太陽光発電設備の導入を検討される際は、初期費用や設備維持のコストだけでなく、将来的な電気料金の削減メリットや再生可能エネルギーで発電するという環境付加価値についても焦点をあててみてください。
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