
- 太陽光発電の仕組み
- 2024.01.12
2025年07月03日
【この記事はどんな人の役に立つか】
この記事は、一戸建で太陽光発電の導入を検討されているご家族に向けた実践的なガイドです。「自家消費型って聞いたことはあるけれど、具体的に何から始めればいいの?」「何か手続きは必要?」といった疑問はもちろん、基礎知識から導入完了まで、一連の流れを理解できるよう構成しています。
この記事を読むことで、以下のような重要な情報が分かります。
子育て世代のご家族にとって、太陽光発電導入の判断から実際の手続きまで、迷わず進められる道筋を紹介します。
目次
自家消費型太陽光発電とは、ソーラーパネルで発電した電力を、まず自分の家で使うことを主たる目的としています。
従来の太陽光発電は「売電」(電力会社に電気を売ること)とセットで語られることが多かったですが、自家消費型では文字通り、自分の家のために太陽光で発電した電気を使うことが一番の目的といえます。
分かりやすい例で説明すると:朝8時から夕方5時まで太陽光で5kWhの電気を発電したと仮定します。太陽光発電を導入後、売電をメインにしていた場合、自家消費をメインとした場合を比較してみました。
【売電がメインの場合】
このように「まず自分の家で使って、余った分は売る、夜間の足りない分は買う」のがこれまでの傾向でした。
【自家消費型の場合】
このように2025年は売電から自家消費型へとシフトしつつあるといえます。
売電から自家消費型へとシフトしている理由は、以下の3つが挙げられます。
理由1:電気代が上がり続けている
2021年から電気代が大幅に上昇し続けています。資源エネルギー庁のデータによると、日本の家庭用電気料金は、2021年の28円/kWhから、2022年には34円/kWh、2023年には35円/kWhと推移しており、着実に上昇していることが示されています。
これを一般的な家庭の電気代に換算すると、月額15,000円から20,000円程度まで上がっており、今後もこの傾向は続くと予想されています。
理由2:太陽光発電の買取価格が下がった
以前は太陽光で発電した余剰電力は、固定価格買取制度(FIT制度)によって 42円/kWhという高値で買取されていました(2017年当時)。
しかし現在では16円/kWh程度とかなり下がってきています。一方、電力会社から購入する電気は25-30円/kWhなので「売るより自分で使った方がお得」な状況になっているのです。
理由3:災害時の備えとして
太陽光発電システムは、停電時でもある程度の電力がまかなえるので災害時の備えとして注目されています。その際、蓄電池のない場合は日中に発電した電力を、発電した容量によって使うというイメージです。
蓄電池がある場合のメリットは後述します。
前項と同様に太陽光発電を利用している一般的な4人家族の、売電をしていたこれまでの電気代と、自家消費型をメインとした場合の電気代を試算してみました。年間の節約効果も含めてあくまでも目安として参考にしてください。
【売電がメインの場合】
年間の節約効果
【自家消費型の場合】
年間の節約効果
【参考:太陽光発電なしの場合】
蓄電池(日中の余った電気を貯めて夜に使う装置)を併用すると、自家消費率がさらに向上します。
【蓄電池併用時】
年間の節約効果
年間の電気代の削減効果を並べると以下のようになります。
太陽光発電システムの費用はここ数年で大幅に下がっています。2012年頃は1kWあたり50万円程度でしたが、現在では25-30万円程度まで下がり、導入しやすくなりました。ただしメーカーや機器の品質、工事内容によって価格は変動するため、複数社からの見積もりを取得することが重要です。
【導入時の費用:例】 太陽光発電システムのみ(5kW)
太陽光発電+蓄電池(5kWh)
新築時に太陽光発電システムを導入すると、以下のようなメリットが考えられます。
コスト面でのメリット
設計面のメリット
太陽光発電の導入には、国や地方自治体から様々な補助金制度が用意されています。これらの制度は毎年見直されるため、導入を検討する際は最新の情報を確認することが大切です。また補助金には予算枠があり、申請順で締め切られる場合が多いため、早めの準備が必要になります。
【国の補助金制度】
1. ZEH支援事業(環境省・経済産業省)
2. 蓄電池等分散型エネルギーリソース活用事業(経済産業省)
【地方自治体の補助金制度例】
1. 東京都「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」
2. 神奈川県「かながわスマートエネルギー計画推進事業」
3. 愛知県「住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金」
4. 群馬県(県レベルでの補助)
【市区町村レベルの補助金例】
1. 東京都港区「太陽光発電システム設置費助成」
2. 東京都江東区「地球温暖化防止設備導入助成」
太陽光発電システムの投資回収とは、初期費用を電気代削減効果と売電収入などで「何年で回収できるかを示す指標」です。これは太陽光発電導入の重要な判断材料となります。回収期間は電気料金の上昇や売電価格の変化によって短縮される可能性もあります。
太陽光発電のみの場合
太陽光発電+蓄電池の場合
太陽光発電システムの耐用年数は25-30年なので、回収後は15年程度の利益期間があります。つまり12年で初期投資を回収した後、残りの15年間は純粋な家計のメリットとして毎年10万円以上の節約効果が続くことになります。またメンテナンスを適切に行えば30年以上の長期使用も可能で、長期的には非常に有利なシステムといえるでしょう。 なお太陽光発電事業者によっては、もっと短期間に初期費用が回収できるお得なプランもあります。
1. 電気代の大幅削減
自家消費型であれば、月の電気代を30-50%削減できる家庭が多く、特に在宅時間の長いご家庭では効果が高くなります
2. 災害時の安心感
停電時でも昼間は電気が使え、蓄電池があれば夜間も最低限の電力を確保できます。冷蔵庫、照明、スマートフォンの充電など、生活に必要な電力をまかなえます。
3. 環境への貢献
5kWの太陽光発電で年間約2.4トンのCO2削減効果があるという試算もあります。環境意識が高まることで、子どもの教育にもよい影響が期待できます。
1. 初期費用の負担
導入する際は、住宅建築費用に加えて100万円を超える初期投資が必要となりますが、太陽光発電事業者との契約プランによっては、初期費用が実質0円となるお得なプランもあります。
2. 発電量が天候に左右される
太陽光は自然エネルギーのため、天候に左右されるのは事実です。ただし最新の太陽光発電パネルでは、曇りの日でも安定した発電量を維持できるなど、低照度での発電を強化した製品もあります。
3. メンテナンス費用がかかる
太陽光発電システムを維持するためには、多少のメンテナンス費用が発生します
一見、出費に感じるかもしれませんが、車にもメンテナンスや買い替え時期があるように、家のエネルギー自立を司る太陽光発電システムもメンテナンスが重要と心得ましょう。
4. 屋根の条件による制約
確かに、住居を建てる場所によっては太陽光発電に向かない土地もあるのは事実です。事前にこうした要素や条件を確認したうえで、太陽光発電事業者に相談してみましょう。
A:晴天を100%とすると、曇りの日は20-40%、雨の日は5-15%程度の発電量になります。ただし、年間を通して見ると、雨の日の発電量低下を晴天日がカバーするため、年間発電量への影響は限定的です。
A:太陽光発電のみの場合、昼間に専用コンセントから最大1.5kW程度の電力が取り出せます。これは冷蔵庫、照明、スマートフォン充電程度の電力です。蓄電池があれば、夜間も含めて冷蔵庫、照明、テレビ、Wi-Fiルーターなどの基本的な電力を6-12時間程度まかなえます。
A :基本的なチェック(発電量の確認、目視での損傷チェック)は可能ですが、清掃や点検は専門業者に依頼することをお勧めします。屋根に上る作業は危険ですし、不適切な清掃でパネルを傷つけるリスクがあるためです。
A:技術的には可能ですが、移設費用が新規設置とほぼ同額になるため、経済的なメリットは少ないです。自宅を売却する場合には太陽光発電システムは住宅の付加価値として評価されることが多いため、そのまま残すことをお勧めします。
燃料費の高騰日本の電力は火力発電が主力のため、石炭・天然ガス・石油の価格上昇が直接電気料金に影響します。ウクライナ情勢や中東情勢の不安定化により、今後も化石燃料価格の高止まりが予想されます。 再エネ賦課金の増加再生可能エネルギー普及のための費用(再エネ賦課金)が電気料金に上乗せされており、2025年度は3.98円/kWhになっています。この負担は今後も継続される見込みです。 電力インフラの更新費用老朽化した発電所や送電設備の更新費用も電気料金上昇の要因となっています。
電気料金上昇の影響を軽減電気料金が25円/kWhから35円/kWhに上昇した場合、1,800kWhの自家消費分の価値は、年間4.86万円から6.3万円に増加します。これは年間1.44万円の追加メリットとなります。 エネルギー自給率の向上住宅用太陽光発電システムは、身近な発電所です。再生可能エネルギーの利用で、将来的に電力会社から購入する電気をゼロにする「ゼロエミッション」という考え方のもと、エネルギー自立型の住宅を目指せます。
自家消費型の太陽光発電は、子育て世代のご家庭にとって長期的な家計メリットと安心をもたらします。年間10-15万円の電気代削減効果により、12-15年で投資を回収し、その後は25年以上にわたって経済的メリットを享受できる可能性もあります。
今すぐできる3つのアクション
新築時は、太陽光発電システムの初期費用を軽減できる絶好の機会です。このタイミングで将来的なエネルギー自立を計画しておけば、10年後のコストメリットは最大化されるでしょう。「初期費用の負担を抑えて始めたい」という方には、ソーラーメイトみらいのような4年契約で手軽に始められるサービスもあります。詳しい導入方法や最新情報については、太陽光発電に関する専門記事を参考に、ご家庭にとって最適な選択を検討してみてください。
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