2024年01月22日
CCUSとは?CCSとの違いも紹介
CCUSというワードを聞いたことがあるでしょうか?二酸化炭素を減らすだけでなく、再利用するという技術で注目を集めています。この記事では、そんな最新技術のCCUSについて解説いたします。
目次
CCUSとは
CCUSの概要
CCUS(Carbon Capture Utilization and Storage)は、二酸化炭素(CO2)を回収後、安全に地中に貯留し、必要に応じて取り出して利用するという一連の技術を指します。CCUSは、二酸化炭素の排出量を大幅に削減し、気候変動への対策として注目を集めています。主に産業プロセスや発電所から排出される二酸化炭素を利用の対象としており、循環型経済の構築に寄与しています。
なぜCCUSが注目されているのか
CCUSが注目を浴びる理由の一つは、環境へのポジティブな影響です。気候変動の懸念が高まる中、CCUSによって大規模な二酸化炭素削減を実現し、温室効果ガスの大気中濃度を低減させる可能性があります。また、再生可能エネルギーへの移行が進む中、CCUSは化石燃料を使用する産業のサステナビリティを向上させる手段としても注目されています。
CCUSのメリットとは
CCUSの最大のメリットは、二酸化炭素の大規模な排出削減が可能であることです。これにより、気候変動に対する積極的な対策が実現し、国際的な環境基準への適合が期待されています。同時に、CCUSは経済的なメリットも有しており、新たな産業の創出や雇用の拡大に貢献する可能性があります。CCUSは、持続可能な未来を構築するための鍵となる技術として期待されています。
CCSとCCUSの違い
CCSとCCUSの基本的な違い
CCS(Carbon Capture and Storage)とCCUS(Carbon Capture Utilization and Storage)の基本的な違いは、CCUSが二酸化炭素の回収だけでなく、その利用も含む点にあります。CCUSは、二酸化炭素の単なる削減だけでなく、回収された二酸化炭素を持続可能な方法で利用することを重視しています。
簡潔に言えば、CCSは主にCO2の削減に焦点を当てているのに対して、CCUSは回収されたCO2を有効に再利用することも考慮しています。
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CCUSの技術とは
CCUSを構成する3つの要素
二酸化炭素の回収技術=CC |
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二酸化炭素の回収技術は、産業プロセスや発電所などから排出される高濃度の二酸化炭素を、効果的に分離・回収するための重要な要素です。CCUSでは、固体吸着剤や吸収液、膜分離、極低温液化などの技術を使って二酸化炭素を分離させることで、その後の貯留や活用のためのクリーンな二酸化炭素を得ることが可能となります。 |
安全な貯留技術=CS |
大量の二酸化炭素を、安定かつ永続的に地中に貯留するための技術です。回収された二酸化炭素は、地下800メートルより深いところにある「貯留層」と呼ばれる地層に閉じ込められます。貯留層は、砂や火山灰などの隙間が大きく、その隙間に二酸化炭素を染み込ませることができますが、貯留層の上部には、二酸化炭素が漏れ出ることを防ぐ「遮蔽層」があることが条件になります。このような貯留地の選定から始まり、地中に圧入された二酸化炭素の挙動のモニタリングまでが含まれています。 |
回収した二酸化炭素の活用=CU |
回収された二酸化炭素は、再生可能エネルギーの推進や持続可能な産業の発展に寄与しています。例えば、CCUSで回収された二酸化炭素は、古い油田に注入することで原油を押し出す圧力源として利用されています。他にも、燃料やコンクリートなどの建材、化学品などの別の製品に変換することで多岐にわたる用途で活かされており、新たな価値を生み出しています。 |
CCUSの将来展望と課題
CCUSの将来的な役割と期待
補完的な利用 |
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再生可能エネルギーは太陽光、風力、水力などのクリーンで持続可能なエネルギー源ですが、エネルギー供給の安定性に課題があります。再生可能エネルギーの変動性に対処する手段として、CCUSを補完的に利用できます。 |
排出源の削減 |
CCUSは既存の排出源からの二酸化炭素(CO2)排出を減少させる役割を果たし、再生可能エネルギーと共に使用することで、より低炭素なエネルギーシステムを構築できます。 |
エネルギー転換の過渡期 |
再生可能エネルギーの導入が進むなか、まだ完全に再生可能なエネルギーだけで全体の需要を賄うことが難しい過渡期があります。この期間において、CCUSが排出源の削減における重要な架け橋となり、エネルギー転換をスムーズに進める役割が期待されます。 |
CCUSが解決を目指す課題
CCUSが目指す主な課題は、技術の進化に伴うコストダウンです。CCUSでは回収したガスから二酸化炭素を分離する段階で最もコストがかかると言われています。
また、地層の適切な選定や継続的なモニタリングなどを通じて、安全で効果的な二酸化炭素の貯留技術の確立も必要です。これらの技術的・経済的課題を克服することが、CCUSの本格的な展開につながります。
日本におけるCCUSの展望
日本においてもCCUSは注目を集め、独自の取り組みが進んでいます。政府のカーボンニュートラル宣言に基づき、技術開発と実証実験が進められています。将来的には、世界のリーダーとしてCCUS技術の普及に寄与し、地域社会や産業のサステナビリティに貢献することが期待されています。
まとめ
二酸化炭素を削減するだけでなく、再利用まで可能なCCUSが、さらに技術革新し一般利用まで広まれば、環境へ大きく貢献することでしょう。再生可能エネルギーへの過渡期に大きく役立つCCUSのこれからの動向が気になりますね!
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