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2024年01月12日
改正FIT法をわかりやすく解説!|再エネ特措法改正の理由や変更点を紹介
再生可能エネルギーの普及促進に一役買っているFIT制度ですが、施行から数年で課題が見えてきたこともあり、2017年に大幅に改正されました。FIT法改正によりどのような影響があるのでしょうか。この記事では改正の背景や変更点について解説いたします。
目次
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FIT法の基本理解
FIT法の概要
FIT法(固定価格買取制度)は、再生可能なエネルギーを用いて発電した電力を、国が一定期間、一定の価格で買い取る制度です。2012年7月の施行から、再生可能エネルギーの普及を促進してきました。この制度は、太陽光、風力、地熱、水力発電、バイオマスなど様々な再生可能エネルギー源に対応しています。
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FIT制度が実施された背景と導入の理由
FIT法が実施された背景には、再生可能エネルギーの導入が進まないという深刻な課題が存在しました。この問題は、再エネの導入コストが高いため、多くの事業者が導入を躊躇していたことに起因しています。その結果、エネルギー転換が十分な速度で進まず、持続可能なエネルギー源の普及が阻害されていました。
FIT法の導入により、再エネ事業において安定した収益が見込めるため、事業者はより積極的に再生可能エネルギーへの投資を検討するようになりました。
FIT法|法改正が行われた背景
改正FIT法の概要
2017年4月から施行された「再生可能エネルギー特別措置法の一部を改正する法律(改正FIT法)」は、固定価格買取制度に重要な変更をもたらしました。主なポイントとして、新しい認定制度の導入が挙げられます。これにより、設備の確認から事業計画の審査まで、より厳格なプロセスが導入され、事業者に対する要件が一層強化されました。
FIT法改正の理由と課題
再エネ拡大による国民負担の増大
FIT法の導入により、再生可能エネルギーの導入量は4年間で2.5倍に増加しましたが、その反面、買取費用も急増したことで、国民の電気料金に上乗せされる「再エネ賦課金」が増大しました。電気使用量が多い企業、一般の家庭に金銭的な負担がかかることから、国民経済全体に及ぼす影響が問題視され、持続可能なエネルギー政策における課題が浮かび上がりました。
太陽光発電に偏った導入になった
再生可能エネルギーは、太陽光発電、水力発電、風力発電などいくつか種類があります。しかし、FIT制度スタートから4年間で増加した再エネ電源は、導入が比較的容易なことから太陽光発電が9割となり、偏ったバランスになってしまいました。
未稼働の発電設備が増加した
FITの認定を受けたのに発電を始めないケースが30万件となり、これ以上の未稼働の発電設備の増加を抑制するため、厳格な審査基準が追加されました。その理由は、再生可能エネルギーの発電が果たされないだけでなく、電気料金に上乗せされる再エネ賦課金が不当に膨れ上がり、結果的に国民全体の負担が増加する可能性があるからです。
また、未稼働案件に系統が空押さえされてしまい、新規の電源開発に支障がでることも問題視されました。
電力供給の寡占が問題視されていた
以前、日本の電力供給は、地域ごとに一社しか電力を供給できない状況や厳しい規制、新規参入の難しさなどの問題点があり、消費者にとって選択肢が限られ、電気料金も上昇するという問題点がありました。電力システム改革のより、安定供給の確保や料金の抑制、消費者の選択肢の拡大が求められるようになりました。
改正FIT法の変更点
認定制度の変更と厳格化された審査基準
認定制度も見直され、新たに9つの基準が加わりました。具体的には、「適切な点検・保守を行い、発電量の維持に努めること」や「系統安定化について適切に発電事業を行うこと」などが挙げられます。新たな基準の追加により、再エネ設備の未稼働率の低下が期待され、より持続可能な発電事業の展開が促進されました。
FIT電気に買い取り先が変更
従来は電力会社がFIT電気を買い取っていましたが、改正FIT法により送配電事業者が買取主体となります。具体的には、FIT電気を送電網に接続するために買い取り、配電するのは送配電事業者ということになります。
地域一体の電力の需要調整は送配電事業者が担っているため、この変更によって再エネ由来の電力供給を増やすことができるほか、送電網の負荷分散が促進されることで、停電や電力供給の不安定性が軽減されます。
買取価格の決定方法の変更
改正FIT法では、買取価格の決定方法も変更されました。地熱・バイオマス・中小の水力などのリードタイムが長い電源においては、これまでの1年ごとの見直しから数年ごとの固定へと変更されました。特に太陽光発電においては、数年間の安定した価格になったことで、事業者にとって、事業計画の策定や運営の安定性を確保する役割を果たすこととなりました。
太陽光発電は、事業用太陽光(10kW以上)は毎年決定されるものの、家庭用は徐々に価格が引き下げられる旨のスケジュールが明らかにされます。
未稼働案件への対応
「事業計画認定」の取得日より、太陽光発電の運転開始期限が設けられます。期間内に運転を開始しない場合、ペナルティが課せられます。
事業用太陽光では、FIT認定(みなし認定を含む)の取得後、3年が過ぎても発電を始めない場合は、その期限超過分だけ買取期間が短縮されることになりました。また、家庭用太陽光(10kW未満)のケースでは、FIT認定の取得後から1年を過ぎて発電を始めない場合に認定は取り消しとなります。
賦課金減免制度の変更
賦課金減免制度は、再生可能エネルギーの普及を促進するための政策の一環として、電力消費量が多い事業者に対して賦課金の8割を減免する制度です。しかし、国民負担が増大したことから、事業者の省エネへの取り組みを確認し、取り組みの状況などに応じて減免率の格差設定を設けられるようにしました。
改正FIT法の影響と未来への展望
法改正がもたらした業界への影響
改正FIT法は再生可能エネルギー業界に大きな影響をもたらしました。新しい認定制度や審査基準の導入によって、事業者はより厳格な要件をクリアする必要があり、安定的で効率的な発電事業が求められるようになりました。未稼働の設備が減少し、業界全体の健全性が向上すると期待されています
再生可能エネルギーの普及促進への期待
改正FIT法のもう一つの重要な影響は、再生可能エネルギーの普及・促進です。買取価格の見直しや競争促進の仕組みの導入により、より多くの事業者が再エネ発電に参入しやすくなり、新たな設備の導入が促進されました。温室効果ガスの排出削減やエネルギー自給率向上につながり、持続可能な社会の構築に寄与します。
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太陽光パネルの増設・更新に伴うルールの見直し
これまでの仕組みでは、太陽光発電設備の増設や更新が行われると、全ての出力について最新の電力買取価格が適用されました。しかし、これは古い設備の更新や増設を抑制する要因となっていました。
新しいルールでは、増設や更新による価格変更は、増加した出力に対してのみ最新価格が適用され、古い部分の価格は維持されます。これにより、既存の設備のリパワリングや更新を行いやすくなり、太陽光発電事業者にとって運用を安定化させるチャンスが生まれます。
また、変更後も調達期間は当初のまま維持されるため、事業者は長期的な運用を見据えた計画を立てやすくなります。
まとめ
改正FIT法により再エネ事業者の認定に厳格なルールが設けられるようになりましたが、そのおかげで安定した発電事業が広まるきっかけとなり、再エネ賦課金が国民に不当に課せられる心配も軽減されました。FIT制度を利用し再エネ普及が促進されることで、太陽光発電などがより導入しやすくなる将来に期待しましょう!
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