2024年01月12日
ハイブリッド蓄電池とは|単機能型との違い、性能や特徴を分かりやすく紹介
太陽光発電の普及とともに注目を集める「ハイブリッド蓄電池」。特長や導入メリット・デメリット、単機能型との比較、適用シーンやおすすめの導入タイミングを解説します。ハイブリッド蓄電池の理解を深め、効果的な導入を検討しましょう。
目次
ハイブリッド蓄電池とは?
ハイブリッド蓄電池とは、太陽光発電用と蓄電池用のパワーコンディショナの機能を1台にまとめた新世代の蓄電池です。 通常、太陽光発電と蓄電池を組み合わせる場合、それぞれにパワコンが必要ですが、ハイブリッド蓄電池システムの場合はパワコン1台でまかなうことができます。単機能型と比較すると価格が高いものの、発電ロスが少なく、停電時に頼りになるという特長があります。
ハイブリッド型と単機能型との違い
ハイブリッド蓄電池と単機能型蓄電池の大きな違いは、パワーコンディショナの機能と数です。 単機能型蓄電池に搭載されているパワーコンディショナは。家庭用蓄電池の充放電に関する制御しか対応できません。 なので、単機能型蓄電池は、太陽光発電用と蓄電池用それぞれにパワーコンディショナが2台必要になります。
ハイブリッド蓄電池の導入メリット3選
ハイブリッド蓄電池には、太陽光発電の電気の効率よく貯める以外にも多くの利点があります。
- 電気の変換ロスが少ない
- 充電中でも電気をつかえる
- 停電時でも普段に近い生活ができる
メリット1:電気の変換ロスが少ない
ハイブリッド蓄電池で電気の変換ロスが少ない理由は、太陽光発電からの電力を直流のまま高い効率で蓄電池に蓄えることができるからです。蓄電池に蓄えられた直流電気を、必要なときに交流に変換して使用できるシステムによって、電気の変換ロスが最小限に抑えられ、効率的で持続可能な電力供給が可能となります。
<参考>電気の変換ロスとは? 初めに直流(DC)形式で得られます。家庭の電気は交流(AC)形式で使用されるため、発電された直流電気を利用するためには、パワーコンディショナを使用して、交流に変換する必要があります。この変換プロセスで電気の一部が損失となり、変換ロスが生じます。 その後、得られた電気を蓄電池に貯める際には、交流電気では貯められないので再び直流に変換され、この段階でも損失が発生します。また、蓄電池からの電気を使用する際は、再び交流に変換されるため、さらなる損失が生じてしまいます。
メリット2:充電中でも電気を使える
ハイブリッド型蓄電池では、太陽光発電で得た直流電気をそのまま蓄電池に充電する一方、直流電気をパワーコンディショナが交流電気に変換し、家庭に供給できる仕組みとなっています。蓄電池に充電中の場合でも、太陽光発電から得た電気を家庭内で利用できるため、効率的なエネルギーマネジメントが可能となります。
メリット3:停電時でも普段に近い生活ができる
ハイブリッド蓄電池は、自動的に自立運転モードに切り替わるため、電力会社からの電気が止まっても家電を使うことができます。また、ハイブリッド型パワーコンディショナの出力上限値は5kW前後と高出力であるため、停電時でも普段とほぼ変わらぬ生活を実現できます。
<参考>単機能型蓄電池の場合は? 停電時はご自身でパワーコンディショナを「自立運転モード」に切り替えて使用しますが、この時パワコンの出力は1.5kWと定められています。1.5kWのなかで、家の電気をまかないつつ、残りの電力を蓄電池に充電することになりますが、普段どおりの生活を送ることは到底できません。
ハイブリッド蓄電池の導入デメリットとは
では、導入前にハイブリッド蓄電池のデメリットも理解しておきましょう。
初期価格の高さ
同じ容量の単機能型とハイブリッド型の蓄電池で比較した場合、ハイブリッド蓄電池の方が高額になります。しかし、その高い効率性や停電時の頼りになる高出力など、総合的な長期利用を考えるとハイブリッド蓄電池は十分に魅力的です。
既存設備への後付けの難しさ
太陽光発電が既に設置されている場合、ハイブリッド蓄電池を後から組み込むことは難しくなっています。理由は、ハイブリッド蓄電池とは太陽光発電用のパワコンと蓄電池用のパワコンが一体化したものであるため、既存のパワコンはどうしても撤去する必要があるからです。そのため、ハイブリッド蓄電池は導入するタイミングが肝要です。
メーカーの保証が受けられなくなる可能性がある
まず、太陽光パネルの保証は太陽光パネル+パワーコンディショナの一式となっています。すでに太陽光発電に設置されている場合は既存のパワーコンディショナを取り外しする必要があります。そうすると、太陽光発電システムの構成が変わってしまうため保証を受けられなくなる可能性があります。 購入前にしっかりとメーカーの保証条件を確認し、安心して導入できるようにしましょう。
ハイブリッド蓄電池と単機能型蓄電池を比べて
価格の比較
ハイブリッド蓄電池
電気の変換ロスが少なく、太陽光発電からのエネルギーをより有効に利用でき、その分の価格が高めとなります。
単機能型蓄電池
価格帯は抑えられるものの発電ロスが増えるため、効率面での検討が必要です。
既存設備に後付けする場合の比較
ハイブリッド蓄電池
既にパワーコンディショナが設置している場合は、撤去の必要があります。さらに、メーカー側の保証継続が難しいケースが多くあります。
単機能型蓄電池
既存の太陽光発電設備にそのまま追加でき、撤去費用がかからないメリットがあります。
長期的なコストメリットの検討
ハイブリッド蓄電池
初期費用は高めですが、電気の変換ロスが少なく、停電時の出力が高いため、長期的に見るとコストメリットがあります。
単機能型蓄電池
初期費用が安いものの、変換ロスが大きく、長期間の利用を考えると総合的なコストを比較検討する必要があります。
ハイブリッド蓄電池|特定負荷型と全負荷型の違い
用途と制御の差異
特定負荷型ハイブリッド蓄電池は、あらかじめ指定した回路のみをバックアップする設計となっており、100Vのみ対応しています。これにより、停電時には事前に選択された特定の電気回路だけが復旧することから、特定の用途に合わせて効率的なエネルギー管理を可能にし、無駄な電力の使用を抑えます。一方で、全負荷型ハイブリッド蓄電池は、200Vに対応しているほか、家中の電気をバックアップ対象としており、停電時には家庭全体の電力を支えます。
サイズの差異
特定負荷型蓄電池は、選択された回路のみをサポートするため、必要な部材が少なくなります。コンパクトな設計なので、設置スペースに制約がある場合に適しています。一方、全負荷型蓄電池は、家中の電気をバックアップするため、より多くの部材が必要となり、その分大きなサイズとなります。
停電時の使用範囲の差異
特定負荷型ハイブリッド蓄電池は、選択された特定の回路のみが復旧されるため、停電時に利用可能な電力が限定されます。注意点として、100Vのみ対応であるため、停電時でもエアコンを使いたい場合は、事前に100V対応のエアコンを導入しておく必要があります。
これに対して、全負荷型ハイブリッド蓄電池は家中の電気をバックアップするため、停電時でも通常通りに家庭内のすべての電化製品を利用できます。エアコンや冷蔵庫といった、200Vの家電製品も普段どおりに使用できるため、快適な生活を維持することができます。
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おすすめの導入時期と購入時のポイント
新たに太陽光発電システムを導入するタイミング
既に太陽光発電システムを設置している場合、前述のとおりパワコンの交換が必要になってしまいますが、これから新たに導入するなら、初めからハイブリッドパワコン(ハイブリッド蓄電池システム)にしておくことがオススメです。
パワーコンディショナの買い替えタイミング
一般的にパワコンの買い替えサイクルは設置後10~15年と言われているので、買い替えするタイミングでハイブリッド蓄電池の導入がオススメです。
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複数業者の見積もり比較の重要性
蓄電池の購入時には、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。販売価格だけでなく、工事費用やサポート体制なども比較し、総合的なコストや信頼性を確認することで最適な選択ができます。
まとめ
ハイブリッド蓄電池についてご紹介いたしました。ハイブリッド蓄電池の導入は太陽光で発電した電気のロスが最小限に抑えられるだけでなく、災害対策としても有効です。太陽光発電をこれから導入する方も、既に導入している方も、蓄電池はそれぞれのタイミングで設置ができるため、気になる方は種類やメーカーなどを比較して自分に合ったものを検討しましょう!
初期費用が実質0円|ソーラーメイトみらい とは
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