2023年10月30日
太陽光発電の発電容量とは?発電容量と売電収入の関係性も解説
太陽光発電の発電容量とはどのようなものでしょうか?発電容量は、使用できる電力量だけでなく、初期費用にも関わる重要な項目となります。この記事では、発電容量が太陽光発電とどんな関係があるのか、さらに気になる売電収入との関係性も詳しく解説していきます。ご自宅に適した太陽光発電の導入をするために、事前に知っておきましょう。
目次
太陽光発電の発電容量とは
太陽光発電をご家庭に設置する際に、まず決めるべきなのは発電容量です。1年間の発電量や、パネルをどのくらいの枚数載せるのかなど設置する際に考えられる悩みと発電容量は深く関わってきます。
発電容量の意味とは
太陽光発電の発電容量とは、太陽光エネルギーを取り込んで電力に変換する能力を指します。すなわち、太陽光発電がどれだけ発電できるか示す値です。 発電容量が大きければ大きいほど、より多くの電力を供給することができます。 発電容量の単位は一般的にキロワット(kW)で表されます。これは太陽光を電気に変換する能力を表すものであり、システムの大きさや出力によって異なります。適切な容量を選定することで、電力消費量に応じた電力の供給が可能となります。
太陽光発電の容量を選ぶためのポイントは?
太陽光発電設備を導入する前に、ご家庭やご自身に合った発電容量を把握しておくことが大切です。発電容量を選ぶためのポイントを5つご紹介します。
1:家庭で使用する電気量を把握しておく
生活のなかでどのくらい電気を使用するのかを把握する必要があります。なぜなら、自家消費するための発電量や売電するために使う売電量をシミュレーションしやすくなるからです。
2:生活環境や、導入目的を明確に整理する
生活や周囲の環境の状況も容量選びには大切なポイントになります。さらに、太陽光発電を導入してどのように活用したいかも明確にしておくとシミュレーションするときに便利です。
3:太陽光発電の予算を決めてから容量を選ぶ
太陽光発電を導入するためには、予算をあらかじめ決めておいてから容量を選ぶことをおすすめします。もし容量や性能から決めた場合、太陽光発電を導入する際にご家庭で用意していた予算を超えてしまうかもしれません。そして太陽光発電の相場も把握しておくことが大切です。
4:補助金制度の導入も考える
国や地方自治体の補助金制度の対象となっています。ですが、住んでいる地域によって補助金制度は異なってくるので、導入前に確認をしておきましょう。
5:細かなシミュレーションを業者に依頼する
太陽光発電を導入するための予算や状況、目的をふまえた上で初期費用や売電収入などのシミュレーションを業者に依頼することができます。太陽光発電や蓄電池を取り扱っている業者に依頼すれば、太陽光発電の容量だけでなく蓄電池の導入も検討できます。
太陽光パネルとパワーコンディショナどちらにも容量がある
発電容量は太陽光パネルとパワーコンディショナ(パワコン)によって決まります。
太陽光パネルはパネル1枚につき、発電可能な容量が決まっています。屋根の面積や方角によって設置する太陽光パネルの枚数が検討され、実際に設置したパネル枚数の合計により容量が決まります。
太陽光発電で発電した直流電力は、家庭などで使用できるようにパワコンで交流電力に変換されます。パワコンにも交流電力に変換できる容量が決められているため、どのパワコンを選択するかで容量が決まります。
設置している太陽光発電の発電容量は「太陽光パネルかパワーコンディショナのどちらか低い値」となります。
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- コラム
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パワーコンディショナと太陽光パネルの容量が違うのはなぜ?過積載とは?太陽光発電の発電容量は、設置している太陽光パネルとパワコンのうち、容量が少ない方の値です。 太陽光パネルとパワコンの発電容量が異なる場合、ピーク時はロスが発生することになりますが、容量を揃えるよりも、太陽光パネルの容量をパワコンより多くする方が全体の発電量が増えるという結果があります。
このようにパワコンよりも大きな容量で太陽光パネルを設置することを「過積載」と呼びます。
過積載を行うと、太陽光パネルが最大限発電している間は、パワコンの容量を超えた分の電気をロスすることになりますが、発電量がパワーコンディショナの容量に満たない時間帯を含めて、1日を通しての全体の発電量をアップすることができます。
太陽光発電の発電量と発電容量の違いとは
発電量の意味とは
太陽光発電の「発電容量」は、設置した太陽光発電でどれだけ発電できるかを示す値です。一方で「発電量」は実際に発電する電力の量で、気象条件や設置状況によって変動します。
- kW(キロワット)とkWh(キロワットアワー)
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太陽光発電における発電容量と発電量を表す単位ですが、混同しやすいので改めて確認しておきましょう。
kW(キロワット):「発電容量」を示す単位
kWh(キロワットアワー):「発電量」を示す単位
太陽光発電の発電量の内訳
太陽光発電の発電量の内訳は以下です。
※損失係数:パワコンで電気を変換する際に発生するエネルギーのロスや、太陽光パネルの汚れや温度上昇などによる出力のロスなどのこと
日射量や損失係数は設置場所や条件などによって異なりますが、過去のデータや平均の値を使用することで発電量の予測を出すことが可能です。
「発電容量」を基準に発電量が決まるため、太陽光発電を導入する前に発電容量についてよく検討することが大切です。
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家庭用太陽光発電の適切な容量は何kW?
家庭用太陽光発電の適切な容量
一般的な家庭用太陽光発電の場合、適切な容量は4.5kW程度と考えられています。
太陽光発電協会(JPEA)によると、太陽光パネル1kWhあたりの年間発電量は約1,000kWhとされています。この年間発電量を当てはめると、4.5kWの太陽光発電を設置した場合の年間発電量は4,500kWhとなります。
環境省による令和3年度の1世帯当たりの年間電気使用量は4,175kWhとされているため、太陽光発電で年間で4,500kWh発電できれば、家庭で使用する分の電力をまかなえるということになります。
上記は平均による予測計算のため、実際の数値には差がありますが、4.5kWを目安に検討するとよいでしょう。
家庭用太陽光発電の容量の計算方法
太陽光発電の容量を計算する方法は、太陽光発電システムを設計する際に重要です。特に、家庭用太陽光発電システムの容量計算は、電力の必要量と収益性を決定するのに不可欠です。 家庭用太陽光発電の容量の計算方法とポイント、具体例について説明します。 計算式 1日の電力需要 ÷ 日射量 × パネル面積=必要な容量
太陽光発電の仕組み
太陽光発電は、太陽から放射される光を太陽光パネルで受け止め、その光エネルギーをパワーコンディショナで直流電力に変換する仕組みです。太陽光パネルで光を受けることで発電素子内の半導体が活性化し、電子が動き出します。この動きを電流として取り出し、交流電力に変換します。このようにして太陽光から電力を得ることができます。
発電容量と売電収入の関係性
FIT制度とは?簡単に説明します
FIT制度は、「固定価格買取制度」の略で、太陽光発電などの再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定期間、固定価格で買い取る制度です。この原資は電気料金に含まれる「再生可能エネルギー賦課金」として国民が負担しており、再生可能エネルギーの普及に大きく貢献しています。
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FIT制度の住宅用と産業用の違いとは
発電容量が10kW未満なら住宅用に該当し、10kW以上50kW未満なら産業用に該当します。住宅用と産業用では買取単価や適用される制度に違いがありますが、一般の家庭に導入する太陽光発電で10kWを超えるケースは少ないと考えられます。
容量が10kW未満なら住宅用→売電価格は10年間一律16円 容量が10kW以上50kW未満なら産業用→売電価格は20年間一律10円
※2024年度のFIT単価
発電容量と売電収入の関係性とは
太陽光発電の売電には、発電した電力を全て売電する「全量売電」と、自家消費した残りを売電する「余剰売電」があります。全量売電は50kW以上の発電所に限られるため、10kW未満の住宅用は余剰売電となります。自家消費分を除いた余剰電力が多いほど、売電収入を多く得られるということになります。
家庭用太陽光発電の発電容量を決める要素とは?
自家消費をするにも、売電収入を得るにも発電量が多いことに越したことはありません。発電量を増やす一番簡単な方法は、設置する太陽光発電の発電容量を多くすることですが、発電容量を増やしても結果的に損をしてしまう場合があるため注意が必要です。
注意点①:屋根の大きさや方角
太陽光パネルの枚数を増やすことで発電容量を増やすことができますが、屋根に載せられるだけパネルを載せれば良いというわけではありません。
北向きの屋根など、日射量が少ない向きにパネルを載せると発電量が少なくなるため、初期費用の回収に時間がかかる場合があります。
また、屋根の大きさや形によって、少ない枚数しかパネルを載せられない場合も同様に費用対効果が見込めない場合があります。
注意点②:初期費用の予算
太陽光発電には高額な初期費用がかかります。太陽光パネルは初期費用の内訳の約半分を占めるため、設置するパネルの増減は初期費用に大きく関わります。
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いずれの注意点も、太陽光発電導入前に太陽光発電事業者による見積もりの算出や発電シミュレーションを行い、専門家によるアドバイスを受けることが大切です。
まとめ
この記事では太陽光発電の発電容量についてご説明しました。発電容量について知っておくことで、太陽光発電の効果を高めることにつながります。太陽光発電を導入する際、発電容量やFIT制度について事前の確認が非常に重要です!導入を検討している方は、事前にチェックをしましょう。
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