2023年10月18日
太陽光発電のエコじゃない一面と、やらなきゃよかった理由とは
太陽光発電について調べたとき「太陽光発電はエコじゃない」という情報を目にした人も少なくないのではないでしょうか?また、太陽光発電は環境に優しいイメージがある反面、ネット上で太陽光発電やらなきゃよかったというタイトルを見かけて、その理由が知りたい方も多いはずです。この記事では、太陽光発電がエコじゃないと言われる理由や課題など、皆さまの気になる点を解説します!
目次
そもそも、太陽光発電のしくみとは
太陽光発電は、太陽の光を電気エネルギーに変換して電力を生成する仕組みです。ソーラーパネルは太陽光を受け取り、その光のエネルギーで電子を動かすことで直流電気を生成します。この直流電気は、パワーコンディショナ(パワコン)を介して交流電気に変換され、家庭や事業所の電力として利用されます。太陽光発電は、持続可能でクリーンなエネルギー源として、ますます広まっています。
太陽光発電の普及状況はどのくらい?
再生可能エネルギーである太陽光は尽きることがないというメリットがあります。しかし、中国やアメリカと比べて、日本の太陽光発電は世界第3位と健闘していますが、まだ普及の余地があります。
政府は、2030年度のエネルギーミックス(電源構成)において、再エネ比率を36~38%を目標にしています。しかし、2021年度時点で再エネ比率は 20.3%、最も普及している太陽光発電で8.3%となり、さらなる導入拡大が求められています。
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太陽光発電の普及が急速に進んだ理由は?
2000年代前半、再生可能エネルギーは費用の高さから普及が進まないという大きな問題がありました。解決策として、再エネで発電した電気を、電力会社が一定期間、一定価格で買い取ることを国が約束する制度「固定価格買取制度(FIT制度)」が2012年にスタートしました。
制度スタート当初、1kWhあたりの買い取り価格は、市場の価格を大きく上回る42円と高く設定されました。その結果、家庭の屋根につける太陽光発電(住宅用)だけでなく、収益性を見込んだ事業者による「野立て太陽光発電(非住宅用)」が爆発的に増加しました。
エコじゃない根拠1:エネルギーの生成過程には環境に悪影響がある
太陽光パネルの製造には地球資源の消費が伴う
私たちの現在のエネルギーの生成過程は、環境に非常に大きな悪影響を及ぼしています。特に、化石燃料の使用は、有限の資源を採掘することから環境破壊につながり、私たちの地球を危険にさらしています。そのため、持続可能なエネルギー源の開発が喫緊の課題となっています。
太陽光発電は、エネルギーの生成において大きな期待が寄せられている一つの技術です。しかし、ソーラーパネルの製造にはどうしても地球資源の消費が伴います。特に、レアメタルの採掘や精製に多くのエネルギーが必要とされ、地球の資源を少しずつ消耗しています。この問題を解決するために、より効率的な製造方法やリサイクル技術の開発が求められています。
太陽光パネル製造で排出される二酸化炭素の削減効果には限りがある
また、太陽光パネルの製造で排出される二酸化炭素の削減効果にも限りがあることがわかっています。太陽光パネルは、太陽の光を利用して電気を生成するため、二酸化炭素をほとんど排出しません。
しかし、製造過程では必ずしも二酸化炭素の排出を完全にゼロにすることはできません。材料の生産や輸送、製造工程などで微量の二酸化炭素が発生します。そのため、太陽光パネルの導入による削減効果は限られており、他の環境対策との組み合わせが重要となってきます。
エコじゃない根拠2:廃棄物の問題も懸念される
太陽光パネルは使用後に廃棄物となる
太陽光パネルは使用後に廃棄物となります。太陽光パネルは一定期間を経た後に劣化し、再利用が困難です。そのため、廃棄物処理が不適切であれば、環境への悪影響が生じる可能性があります。
太陽光パネルは高度な技術を用いて製造されており、その製造過程で使用される有害物質や希少な資源の消費も懸念されます。
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廃棄物処理が不適切であれば環境への悪影響が生じる可能性がある
また、使用後の廃棄物の処理も重要です。適切な方法で廃棄物を処理しなければ、有害物質の漏洩や環境への悪影響が生じる恐れがあります。
廃棄物処理は、太陽光パネルの普及に伴ってますます重要性を増しています。再生可能エネルギーの一つである太陽光パネルは、持続可能な社会実現に向けた重要な技術ですが、その使用後の廃棄物処理にも目を向ける必要があります。
根拠1「生成過程で環境に悪影響」はウソ!
本当に太陽光発電システムはエコではないのかどうかを考える際に1つの目安となるのが「EPT(エネルギーペイバックタイム)」です。 「EPT」とは、発電設備が建設~廃棄処理されるまでに使うエネルギー消費量を何年分の発電で取り戻せるのか?を表す指標のことを言います。
太陽光発電システムの場合、製造から廃棄されるまでに使うエネルギーを何年稼働することによって回収できるのかを示したものです。 そこで下の図をご覧ください。こちらは各発電設備のEPTを比較した表です。
EPTの年数が短ければ短いほど、環境負荷が少ないと考えられています。
※出典:太陽光発電総合情報(https://standard-project.net/solar/words/ept.html)
ご覧のとおり、
太陽光発電はおよそ1年~2年程度稼働させることによって、製造時のエネルギー消費量を取り戻すことができます。
製品の種類にもよりますが、太陽光発電システムそのものの寿命が30年としても、たった1~2年で取り戻せてしまうわけですから、かなり早期でのエネルギー回収ができているというわけですよね。
仮に寿命が30年とするのなら、残り28年はお釣りのようなもの。
ですから、太陽光発電システムを製造する際に大量のエネルギーを使っているからエコではないという話は、間違いであることが言えます。
根拠2「廃棄物の問題も懸念」もウソ!
屋根の上に設置されている太陽光発電システムのパネル。近くでご覧になったことのある方はご存じかと思いますが、60%がガラスでできているんです。
残りは、
- アルミフレーム15%
- 太陽電池セル5%
- その他バックシート等20%
というような構成です。
このとき、よく「太陽電池セル」が廃棄時に有害物質を発するのではないかと言われますが、実は日本の太陽光パネルのおよそ95%がシリコン系でできているため、廃棄時も有害物質を発生させることはありません。もちろん、ガラスも細かく粉砕することができますし、粉砕時に有害な物質が出ることもありませんね。アルミに関してもリサイクルしやすい素材ですから、環境を汚染してしまうような廃棄物になることはないんです。
太陽光発電のエコじゃないというイメージの一面に注意
エコじゃない、環境破壊につながると言われた理由とは
太陽光発電は環境破壊につながる、という記事やコメントを見て「やっぱり太陽光発電はエコじゃないんだ」と早まってしまう方もいます。
先述のとおり、太陽光発電には事業用の「野立て太陽光発電」と家庭用の太陽光発電があります。2012年にスタートした「固定買取制度」の高い買取価格を目当てにした「野立て太陽光発電」の事業者による、山林の大規模な伐採や無理な開拓といった、環境破壊につながる行為が問題視されました。
現在は、このような事態を防ぐ制度が整い、トラブルも大きく減少しています。また、そもそも野立て太陽光発電に適した土地が少なくなっていることもあり、メガソーラーの大幅な増加は見込めません。
太陽光発電の隠れたメリットとは
太陽光発電を国が推し進める大きな理由のひとつは、国内で消費するエネルギーを地産地消できるため、エネルギー供給の安定性やエネルギー安全保障につながるからです。
従来の化石燃料は、特定の地域からの供給に依存するため、地政学的な影響を大きく受けるだけでなく、有事の際に充分なエネルギー供給ができず、大きなリスクを抱えることになります。
カーボンニュートラルの実現と産業競争力の強化を両立するために、再エネの普及と活用はもはや必要不可欠です。
まとめ
太陽光発電は再生可能エネルギーとしてエコじゃないイメージがありますが、その一面には注意が必要です。地球環境を考える上で、太陽光発電の利用を検討する際には、情報をよく精査して考えましょう。
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