2023年10月18日
太陽光発電の問題点とは？4つの問題点と改善策を詳しくご紹介
太陽光発電は売電できたり、環境にやさしいことから注目されていますが、まだ問題点もあります。どんな問題点があるのか不安になる方も多いのではないでしょうか？太陽光発電を導入する前に問題点を確認し、事前に改善策までまとめておきましょう。この記事では導入する前に知っておきたい問題点や改善策についてご紹介いたします。ぜひ、参考にしてみてください。
目次
太陽光発電が抱える4つの問題点
発電量の不安定性
太陽光発電は、エネルギーの持続可能性を追求する上で重要な技術であります。しかし、その問題点も存在します。まず、発電量の不安定性が挙げられます。天候や季節によって太陽光の受取量が変動するため、発電量も安定しません。これにより、電力供給の安定性に影響を及ぼす可能性があります。
気象現象による発電率低下
曇った日や雨の日は太陽光の量が減少し、それによって発電量も低下することがあります。具体的には、発電効率は曇りの日には晴天の日の20〜30％程度に低下し、雨天時は10％くらいまで下がります。
時間帯による発電率の低下
雲ひとつない快晴時には、正午を境にして弧を描くように発電量は推移します。ですが、午前中と比べて13時ごろからいきなり減るということがまれにあります。原因として考えられるのはパネルが熱をもって出力が低下してしまっている可能性です。そして太陽光で発電するため、夜間は稼働しません。
季節による発電率の低下
１年で最も発電量が安定しているのは3〜 5月の春です。猛暑日などを記録する8月頃はパネルの温度の関係で発電効率が低下しやすいです。また、梅雨の時期や冬も発電量が低い季節になります。
設置スペースの限定性
一般的な住宅には太陽電池容量当たり7倍〜8倍の屋根面積が必要になります。太陽光発電システムの設置にはスペースの限定性もあり、都市部などでは、十分なスペースを確保することが難しいため、効率的な太陽光パネルの設置が制約されてしまいます。発電量の最大化が困難になる可能性があります。
さらに、太陽光発電を活用するために蓄電池の導入も考えているご家庭が多いかと思います。蓄電池も大きさや種類が様々になってきますので、ご家庭に合わせた大きさで蓄電池の配置スペースを確保することが大切です。
初期投資費用の高さ
太陽光発電の初期投資費用の高さも問題とされています。太陽光パネルや関連設備の導入には多額の費用がかかるため、経済的な負担が大きいと感じる方も少なくありません。このため、太陽光発電への取り組みが進みづらくなる可能性があります。
2024年度の固定買取価格は、出力10kW未満で1kWhあたり16円です。住宅用太陽光発電の初期費用は、経済産業省の「令和６年度以降の調達価格等に関する意見」によると出力1kWあたり28.4万円なので、平均的な出力5kWなら142万円前後といえます
参考資料：経済産業省の「令和６年度以降の調達価格等に関する意見」
維持するためのメンテナンス費用
故障や発電量低下を防ぐためには定期的なメンテナンスも必要です。
メンテナンス費用について詳しくはこちらでもご紹介しています。
自然災害による故障や破損
太陽光発電は、災害による影響および被害を受けやすい設備だと言われています。その理由としては、設備は屋外に設置されるので風や雨といった影響を受けてしまいます。
例えば、台風の強風で物が飛んできて太陽光発電設備が破損したり、大雨で故障に繋がることもあります。台風や地震など日本の自然災害の発生件数と被害はこの数十年増加傾向にあるので心配ですね。
太陽光パネルの効率向上策
太陽光パネルの効率向上策
太陽光パネルの効率を向上させるためには、新しい材料の研究が必要です。現在、最も一般的に使用されている材料はシリコンですが、それに代わる新たな材料を開発することで、より高い効率を実現することができるでしょう。
ペロブスカイト太陽電池
今、注目されている次世代太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」はご存知でしょうか、「曲げられる(さまざまな形状で使用できる)」「軽い/薄い」「低コスト」という面から注目されています。
ペロブスカイト太陽電池は、ビルの壁面や耐荷重が小さい工場の屋根などにも設置が可能で、太陽光発電の導入量の増加が見込まれます。すでに開発に一定の進展が見られ、今後は量産化に向けた製造技術の開発を進めるとともに、サプライチェーン構築と初期需要創出がカギとなります。
さらに、ペロブスカイト太陽電池は100℃程度の低温プロセスを用いて作製でき、20％以上の発電効率が得られるという面でも期待されています。
改良された設計技術の導入
さらに、設計技術の改良も効果的です。例えば、パネルの表面に微細な凹凸を付けることで、光の反射を減らし、光の吸収率を高めることができます。
最適な配置と角度の計算
また、パネルの配置や角度の計算も重要です。太陽の動きに合わせて最適な角度に調整することで、より多くの太陽光を受けることができます。以上の取り組みにより、太陽光パネルの効率は向上します。
過去のブログでは地域別による、発電効率が上がる最適な角度などをご紹介していますのでぜひご参考にしてください。
蓄電技術の進化による解決策
蓄電技術は、エネルギーの効率的な利用や安定供給において重要な役割を果たしています。その進化により、私たちはさまざまな問題を解決することができるでしょう。
高性能なバッテリーの開発
近年、高性能なバッテリーの開発が進んでいます。これにより、電力を効率的に蓄えることができるため、再生可能エネルギーの有効活用や停電時の応急電源としての利用など、さまざまなニーズに応えることができます。
スマートグリッドの活用
スマートグリッドは、電力網の情報通信技術（ICT）を活用した次世代の電力供給システムです。電力需要と供給をリアルタイムに調整し、エネルギーの効率的な利用や再生可能エネルギーの活用を可能にします。これにより、電力の安定供給やピーク時の問題解決に役立つでしょう。
エネルギー管理システムの導入
エネルギー管理システムは、エネルギーの使用状況をリアルタイムにモニタリングし、効率的なエネルギー使用を支援するシステムです。これにより、節電の促進や効果的なエネルギー利用が可能となります。また、蓄電技術と連携させることで、電力の需給バランスを維持することもできます。
以上のように、蓄電技術の進化による解決策として、高性能なバッテリーの開発、スマートグリッドの活用、エネルギー管理システムの導入が考えられます。これらの取り組みによって、持続可能なエネルギー社会の実現に向けて大きな一歩を踏み出すことができるでしょう。
太陽光発電の廃棄物やリサイクル問題の解決策
廃棄物の最小化とリサイクル技術の開発
廃棄物の最小化とリサイクル技術の開発について説明します。廃棄物の量を減らし、リサイクル可能な素材や資源を有効活用することで、環境への負荷を軽減することができます。また、リサイクル技術の進化により、高効率で資源を再利用することが可能になっています。これにより、廃棄物処理にかかるコストも削減されるばかりでなく、環境への負荷も軽減されます。
- コラム
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太陽光パネルのリサイクル義務化へ…大量廃棄と環境破壊を防止、日本発の薄型電池の普及も後押し2010年代後半から増え始めた太陽光パネルの多くは大量廃棄されることが予想され、太陽光パネルのリサイクルを義務化する方針を固めました。企業などにリサイクルを義務付けて環境負荷の軽減を図っています。 現在、太陽光パネルはリサイクルが義務化されていないため、撤去後は大半が埋め立て処分されています。 https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240903-OYT1T50001/
パネルの廃棄物問題
次に、パネルの廃棄物処理の改善について説明します。パネルは様々な産業で使用されており、その廃棄物の処理は重要な課題です。 太陽光パネルは、25～30年で劣化し廃棄されます。2012年に導入された固定価格買取制度（FIT）が2032年には20年の期限を迎え、廃棄パネルが急増すると言われています。環境省リサイクル推進室の推計によれば、2015年の2,351トンから2040年は80万トンになると予測されています。
太陽光パネルの不法投棄問題
太陽光パネルを適切に処理するには大きな費用がかかります。一部の事業者は、太陽光パネル事業が終了した土地に放置したままだったり、不法投棄するなどしています。このようなことから、太陽光発電を導入する前に、パネル1枚あたりの処分費用を把握しておくことも重要です。
太陽光パネルの環境リスク
太陽光パネルは環境にやさしい側面とは裏腹に、パネルを処分するときに発生する有害物質が問題になるという側面もあります。太陽光パネルは、鉛、セレン、カドミウムといった有害物質を含んでいます。このことが廃棄物処理業者にきちんと伝わっていないと、パネルは適切に処分されず、有害物質が環境に漏れ出してしまう可能性があります。
2017年12月に太陽光発電協会が策定した「使用済太陽電池モジュールの適正処理に資する情報提供のガイドライン」にもとづき、積極的に情報提供をおこなっていくことが望まれます。現在、一部の事業者が対応していますが、今後はさらに多くの事業者の対応が必要です。
再生可能エネルギーへのシフトの重要性
最後に、再生可能エネルギーへのシフトの重要性について説明します。現在のエネルギーの主要な源は化石燃料であり、その使用に伴って温室効果ガスの排出が増加しています。これにより気候変動などの環境問題が深刻化しています。そのため、再生可能エネルギーへのシフトが求められています。再生可能エネルギーとは、風力や太陽光、水力などの自然のエネルギーを利用したエネルギーです。これにより、持続可能な社会の実現が可能となります。
以上が、廃棄物やリサイクル問題の解決策についての説明です。これらの取り組みは、私たちの地球環境を守るために欠かせないものです。私たちは今後も環境への負荷を減らすために、積極的に取り組んでいきます
太陽光発電の将来的な展望
環境への負荷を考慮した技術の発展
太陽光発電は、環境への負荷を考慮しながら技術の発展が進んでいます。低コスト化と効率化の進展により、太陽光発電はますます普及しています。その結果、社会へのインパクトも大きくなっています。
太陽光発電は、石油や石炭などの化石燃料を使用しないため、CO2排出量の削減につながります。また、再生可能エネルギーの一つであるため、持続可能なエネルギー供給を実現することができます。
低コスト化と効率化の進展
現在、太陽光発電の技術はさらに進化しています。太陽光パネルの効率が向上し、一つのパネルから得られる電力量が増えています。また、太陽光発電装置のコストも低下してきており、導入コストが抑えられるようになっています。
太陽光発電は、民間住宅から商業施設、大規模な発電所まで幅広い場所で利用されています。さらに普及が進むことで、電力供給の多様化が図られ、エネルギーの安定供給に寄与します。
将来的には、太陽光発電はより一層効果的に利用されることでしょう。研究開発の進展により、太陽光の収集効率が向上し、より効率的な発電が可能になると予想されます。また、蓄電池技術の向上により、夜間や天候の悪い日でも太陽光を利用することができるようになるでしょう。
太陽光発電の普及と社会へのインパクト
太陽光発電の将来的な展望は非常に明るいです。環境への負荷を考慮した技術の発展や低コスト化と効率化の進展により、太陽光発電はますます普及していきます。その結果、持続可能なエネルギー供給が実現し、社会へのインパクトも大きくなるでしょう。
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