2023年06月12日
電気料金のしくみとは?構成や計算方法、節約できるポイントを解説
電気料金の仕組みについてご存じでしょうか?電気代が高くなっているのは電気料金の「しくみ」が大きく影響しています。電気料金を構成する内容を詳しく見てみることで、節約できるポイントや料金の変動に関係する項目を知ることができます。この記事では電気料金の構成や電気代が高くなっている「しくみ」について、また世帯人数ごとの平均的な電気料金などをご紹介いたします。
目次
電気料金のしくみ
電気料金は「基本料金」「電力量料金」「燃料費調整額」「再エネ賦課金」の4つの構成にわけることができます。ここからは電気料金の4つの構成についてと、電気料金に欠かせない単位「kWh」についてご説明します。
単位|kWhとは?
「kWh」とは、電気の使用量を表す単位で、「キロワットアワー」と読みます。
1キロワットの電力を1時間消費したときの電力量を表しています。
<kWhの計算方法>
kW(電力)×時間(使用した時間)=kWh(電力量) ※1kW=1,000W
例えば、電球が60W(ワット)の場合、その電球を1時間つけっぱなしにすると、「60W × 1時間 = 60kWh」の電力を使います。
ただし、1kWhは1,000Wなので、60kWhを1,000で割ると0.06kWhになります。
- コラム
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kWhが使われるシーンとは①家電製品の消費電力
家庭で使う電化製品の消費電力は通常ワット(W)で表示されます。例えば、電子レンジが1,000W(1kW)であるとします。この電子レンジを1時間使うと、1kWhの電力を消費します。
②電気自動車の走行距離
電気自動車(EV)のバッテリー容量は通常kWhで表示されます。例えば、バッテリー容量が60kWhのEVがあるとします。この車が1kWhあたり5km走行できるとすると、フル充電で300km(60kWh × 5km/kWh)走行できます。
③電気料金
電気会社は消費した電力量に基づいて料金を請求します。この電力量はkWhで計測されます。例えば、電気料金が1kWhあたり22円で、ある月に家庭で200kWh使ったとすると、その月の電気料金は4,400円(200kWh × 22円/kWh)になります。
基本料金
基本料金とは、契約プランごとに設定された固定料金のことです。この料金は、電力をまったく使わなかったとしても発生し、契約者は支払う必要があります。
基本料金は「アンペア制」と「最低料金制」の2つに大きく分類されます。
アンペア制
アンペア制度では、契約者が利用できる最大電力容量(アンペア数)に応じて料金が決定されます。契約アンペア数ごとに異なる基本料金が設定されています。
世帯人数が多いご家庭などでは、同時にたくさんの電化製品を利用することが多いため、契約アンペア数を高くしておく必要があります。契約アンペア数が大きいほど基本料金も高くなります。
最低料金制
電力会社が提供する電気料金プランの一つで、電気の使用があってもなくても支払う電気料金として「最低料金」が設定され、一定の使用電力量までは定額の料金が徴収されます。1契約ごとに最低料金が定められており、最低料金で定められた使用電力量を超えた分が電力量料金として計算されます。
「最低料金制」は、電力供給設備に関連する費用の回収を図るための制度です。電気の使用が少ない場合や全くない場合でも、電力会社は電力供給設備の維持管理に費用がかかるため、このような制度が設けられています。
電力量料金
電力量料金とは、電気消費量に応じてかかる料金です。具体的には、1ヶ月間に消費した電力量(kWh)に対する単価(円/kWh)をかけて計算されます。多くの方が電気代としてイメージをしているのが、この電力量料金なのではないでしょうか?
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会は、電力量料金の目安単価を「1kWhあたり31円/kWh(税込)」と定めています。
参照:公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会
https://www.eftc.or.jp/info/pdf/004_houkokusho_R0508.pdf
電力量料金の計算方法
<電気量料金の計算式>電力消費量(kWh)×電力量料金単価(円/kWh)=電力量料金
※電力量料金単価はご契約されている電力会社・プランにより異なります。
例えば、消費電力が60Wの電球を8時間使用した場合、電力量は60W × 8h = 480Whとなります。これをkWhに変換すると、480Wh ÷ 1,000 = 0.48kWhです。 そして、契約している電気料金単価が1kWhあたり22.0円だとすると、電力量料金は0.48kWh × 22.0円 = 10.56円となります。
- コラム
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電気料金の三段階料金電力量料金の三段階料金とは、電気を使用した量に応じて単価設定を三段階に分けたものです。電気使用量が一定量を超えると、電力量料金単価が切り替わります。三段階料金は旧一般電気事業者の従量電灯プランで採用されています。
https://www.tepco.co.jp/ep/private/plan/old01.html
三段階料金は電気を使う量が増えるほど単価が高くなる仕組みです。
燃料費調整額
燃料調整費とは、火力発電に必要な燃料(原油・石炭・液化天然ガス)の価格変動を、毎月の電気料金に反映させる仕組みです。再生可能エネルギー由来のエネルギーは燃料費がかからないため、燃料費調整額は発生しません。燃料調整費の価格は3か月の平均燃料価格によって算出され、2か月後の電気料金に反映されるようになっています。燃料調整費は各電力会社により異なります。
燃料費調整額のしくみ
燃料費調整額の具体的な仕組みは以下のとおりです。
①平均燃料価格の算定 |
---|
原油、LNG、石炭それぞれの3か月間の貿易統計価格に基づき、毎月平均燃料価格を算定します。 |
②基準燃料価格との比較 |
算定された平均燃料価格と、電力会社が設定した基準燃料価格とを比較します。 |
③燃料費調整単価の算定 |
平均燃料価格と基準燃料価格との差額に基づき、燃料費調整単価を算定し、電気料金に反映します。 |
この制度により、燃料価格が上がると電気料金が上がり、燃料価格が下がると電気料金が下がる仕組みとなっています。
燃料費調整額に上限はある?
燃料費調整額の上限について、2016年4月の電力自由化以前から提供されている「規制料金プラン」では平均燃料価格の上限が設けられています。 一方、電力自由化以降にスタートした「自由料金プラン」では各電力会社が独自に上限の設定が可能です。燃料価格の高騰を受け、新電力各社や大手電力では燃料費調整額の上限を撤廃する動きが活発化しています。
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再エネ賦課金
正式名称は「再生可能エネルギー発電促進割賦金」です。太陽光や風力といった再エネで発電した電気を買い取るためのお金です。再エネ賦課金は毎年度、経済産業大臣によって定められ毎年5月分から翌年の4月分の電気料金に適用されます。
- 速報
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2024年度の再エネ賦課金額は3.49円/1kWhです。
2023年度の賦課金は1.4円だったため大きな増加になります。
世帯あたりの再エネ賦課金の負担額
総務省が定義づける一般的な世帯の1ヶ月の電力使用量は、400kWhkWhです。2024年度の賦課金単価は1kWh当たり3.49円と決定されたため、世帯あたりの負荷額は、月額1,396円、年額16,752円となります。
参照:経済産業省
https://www.meti.go.jp/press/2023/03/20240319003/20240319003.html
再エネ賦課金の推移
2012年以降の再エネ賦課金の推移は以下のとおりです。
再エネによる発電量の増加にともない、賦課金も右肩上がりに増加しています。しかし、2023年度は電気の市場価格が高騰したことから一時的に単価が下がりましたが、2024年度はその流れが変わったことが分かります。 再エネ賦課金の値上がりは、今年5月の電気料金から反映されることになります。
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太陽光で発電した電気を使用した際に発生する電気料金は、
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燃料調整費や再エネ賦課金が発生しないため、電気量料金の単価が抑えることができます。また、契約満了後は太陽光で発電した電気を無料で使用することができます。 ※自家消費単価はご契約されているプランにより異なります。
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世帯人数ごとの電気料金とは
世帯人数が増えるごとに電気料金も増加する傾向にあります。総務省がまとめた、世帯人数別の1ヶ月あたりの電気代の平均は以下のとおりです。
世帯人数 | 1ヶ月あたりの電気代 |
---|---|
1人 | 6,808円 |
2人 | 11,307円 |
3人 | 13,157円 |
4人 | 13,948円 |
5人 | 15,474円 |
出典:総務省統計局
まとめ
電気料金は「基本料金」「電力量料金」「燃料調整費」「再エネ賦課金」の4つの項目から構成されています。 電気代の仕組みがわかると、昨今の電気代高騰の原因についてより理解が深まると思います。基本料金や電力量料金単価については、ご契約されている電力会社・プランによって異なります。これを機に、ご契約されているプランについて改めてご確認していただくのも良いかもしれません。
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