2023年12月15日
太陽光発電の発電効率って大切?変換効率との違いや最新技術をご紹介!
太陽光発電の「発電効率」についてご存知でしょうか。発電効率は太陽光発電システムにおける重要な要素のうちの一つです。発電効率によって、太陽光発電で発電できる電気の量や売電収入が変わってきます。
この記事では、太陽光発電システム導入時に知っておきたいキーワードである「発電効率」について解説します。また、太陽光発電の未来を拓く、発電効率向上の最新技術と取り組みにも迫ります。
目次
太陽光発電の発電効率とは
太陽光発電の発電効率とは、太陽光を電気に変換できる割合を意味しています。具体的には、太陽光パネルが受け取った太陽光から発電される電力の割合を示します。発電効率が高いほど、同じ条件下でより多くの電力を生成でき、エネルギーの有効活用が期待されます。太陽光発電の発電効率は、14〜20%程度が一般的だと言われています。
発電効率40%程度の火力発電に比べると、発電効率は太陽光発電が劣ります。しかし、発電に必要な資源に限りのある火力発電と再生可能エネルギーである太陽光を利用する太陽光発電では、発電効率のみで良い発電方法であると簡単に比較できるものではありません。
太陽光発電やその他の再生可能エネルギーによる発電方法は、地球保護や資源枯渇の問題解決方法の一つとして急速に拡大しています。
太陽光発電以外の再生可能エネルギーの発電効率
再生可能エネルギーとは、枯渇せずに利用できるエネルギーを指します。太陽光発電のほかに、水力、風力、地熱、バイオマスなどがあります。これらの再生可能エネルギーの発電効率はどのくらいでしょうか。
太陽光発電 | 約20% |
---|---|
水力発電 | 約80% |
風力発電 | 約30~40% |
地熱発電 | 約10~20% |
バイオマス発電 | 約20~30% |
再生可能エネルギーは枯渇しないだけでなく、発電時に温室効果ガスをほとんど排出しません。温室効果ガスは地球温暖化の原因として問題視されており、削減が世界中の課題となっています。発電時に温室効果ガスが大量発生する化石燃料を使用した火力発電から、再生可能エネルギーを使用した発電方法にシフトする動きが広まっています。
水力発電は変換効率80%と高い発電効率となっていますが、ダムの建設場所に制限があったり、高額な費用がかかるなど、容易に設置を拡大できない事情があります。
一方で太陽光発電は太陽光が当たる場所であれば、比較的広い範囲で太陽光パネルを設置することが可能です。また、他の再生可能エネルギーに比べて家庭用として取り入れやすいのも大きなポイントです。
発電効率向上のための技術と取り組み
太陽光発電の発電効率を高めるために、新しい太陽電池の素材や構造が研究され、光学技術も進化しています。これにより、太陽光をより効果的に取り込み、電力への変換効率が向上しています。また、劣化の防止やメンテナンスの改善を目指した新しい材料も導入され、システム全体の発電性能が向上しています。
太陽光発電システム導入時に知っておきたいキーワード
太陽光発電の変換効率とは
太陽光発電の変換効率は、太陽光パネルが太陽光エネルギーをどれだけ効率よく電気エネルギーに変換できるかを示します。変換効率が高いほど、同じ面積のパネルでより多くの電気を得ることができます。この変換効率は、「モジュール変換効率」と「セル変換効率」の2つで表すことが一般的で、それぞれ太陽電池モジュール全体とセル(太陽電池の最小単位)の変換効率を示しています。
発電効率と変換効率の違い
発電効率は「太陽光から電力に変換される割合」を示し、変換効率は「太陽光パネルが太陽光を電気エネルギーにどれくらい有効に変換できるか」を示します。変換効率が高いほど同じ面積でより多くの電力を得ることができ、また、発電効率が高いほど太陽光をより効果的に電力に変換することができます。どちらも最適な発電システムの構築において重要な指標です。
モジュール変換効率とセル変換効率の違いは
モジュール変換効率は太陽光パネル全体の1平方メートルあたりの変換効率を表し、具体的な発電能力を示します。一方、セル変換効率は太陽電池セル1枚の変換効率を示し、太陽光を直接電気に変換する単位の性能を表しています。
モジュール変換効率は全体の性能を示す一方、セル変換効率は個々のセルの性能を示すため、太陽光パネルの製品説明などにはモジュール変換効率が記載されていることが一般的です。太陽光パネルを比較検討する際の参考にしましょう。
- 【まとめ】発電効率と変換効率
-
発電効率
=太陽光から電力に変換される割合
変換効率 =太陽光パネルが太陽光を電気エネルギーにどれくらい有効に変換できるか
・モジュール変換効率=太陽光パネル全体の1平方メートルあたりの変換効率
・セル変換効率=太陽電池セル1枚の変換効率
太陽光発電の変換効率が左右される要因
気温や積雪が発電に与える影響
気温や雨、積雪などの天候状況は太陽光発電に影響を与える要因です。一般的に太陽光パネルは高温に弱く、気温が上昇すると発電効率が低下します。特に30度を超える真夏には30%も発電量が減少することがあります。
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また、雨や積もらない程度の雪であれば、発電は可能ですが、晴れの日に比べると発電効率は低下します。雪がパネルに積もると、晴れていても太陽光が遮られて発電できなくなります。降雪が多い地域に太陽光発電を設置する場合は、事前に対策が必要になります。
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経年劣化が変換効率に及ぼす影響
太陽光パネルは20〜30年以上もつものの、経年劣化により変換効率が年々低下します。年間では約0.27%ずつ変換効率が低下します。この劣化に対応するため、メーカーは「出力保証」を提供しています。突然大幅に発電量が減った場合は、太陽光パネルに破損などの異常が起こっている可能性があります。設置後も安定的な発電を維持するために、変換効率を定期的に確認することが重要です。
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太陽光発電の変換効率を上げるために必要な対策とは
太陽光パネルを最適な設置角度で設置する
太陽光パネルは「南向きの角度30度」で設置するのが理想的といわれています。 角度30度は一般的な目安で、実際には地域の経度に基づいて最適な角度が異なります。
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メンテナンスを定期的に行う
太陽光パネル上に汚れが付いていると発電効率が下がる可能性があります。また、パネルに傷や破損がある場合は発電効率だけでなく、太陽光発電システム全体に影響を及ぼすため、定期的にメンテナンスを行うことが大切です。屋根上にある太陽光パネルを個人で確認するのは危険が伴うため、専門家に依頼しましょう。
太陽光発電の未来の展望と効率向上の取り組み
NEDOのロードマップ「PV2030+」に見る変換効率の進化
日本の国立研究開発法人で、新エネルギー技術の研究・開発を担当している「NEDO(National Institute of Advanced Industrial Science and Technology)」が定めたロードマップ「PV2030+」によれば、2025年までに太陽光発電の変換効率向上を目指しています。現行の20%を超える変換効率を達成し、2050年までには40%と、さらなる進化を遂げることが期待されてます。産業界の研究と技術開発により、効率向上への取り組みが続き、太陽光発電の未来がより持続可能なものとなるでしょう。
参照:NEDO「太陽光発電ロードマップ(PV2030+)概要版 」https://www.nedo.go.jp/content/100080327.pdf
量子ドットを用いた太陽電池の技術開発
太陽光パネルに用いられている太陽電池の素材は、「化合物系」「有機系」「シリコン系」の大きく3つに分かれています。中でも「シリコン系」が最も一般的な素材です。
そのような中で、近年「量子ドット」を用いた太陽電池の開発が進められています。
量子ドットと呼ばれる微小な結晶を利用することで、従来の素材に比べて発電効率が大幅に上がることが期待されています。
タンデム型太陽電池とペロブスカイト太陽電池
従来の太陽電池は、太陽光の全ての波長を発電に活用できていないのが現状です。
現在開発が進んでいる「タンデム型」太陽電池は、太陽光の異なる波長に合わせた素材を組み合わせることで、全ての波長が最大限活用され、高い発電効率が実現可能です。
また、ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイトという鉱物の結晶構造を利用した太陽電池で、軽くて曲げやすいのが特徴です。
タンデム型のペロブスカイト太陽電池が一般的に使用できるようになれば、太陽光発電の更なる拡大が期待できます。
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まとめ
太陽光発電の発電効率は、太陽光発電システムにおいてとても重要なポイントです。発電効率が下がると、同じ太陽光パネルを設置していても、発電量が減ってしまいます。台風の影響や経年劣化など避けられないダメージは発生するものなので、発電効率の確認を定期的に行いましょう!また、これからの太陽電池の技術開発にも注目です。
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