2023年10月18日
太陽光発電に雪の影響はあるの?雪が多い地域での対策と意外なメリットを解説
太陽の光で発電する太陽光発電は、雪が多い地域では設置が出来ないと思われがちではないでしょうか?実は、雪の影響を防ぐ工夫や対策をすれば設置可能です。そこで、この記事では雪が多い地域で太陽光発電を導入するにあたってのメリットや、導入前の対策について具体的なアドバイスをご紹介いたします!
目次
雪が多い地域で太陽光発電に与える影響とは?
雪による発電量低下
雪の日は、晴れの日と比較して発電量の少ない状況になってしまいます。 太陽光パネルは、太陽から降り注がれる光を太陽電池で吸収し電気へ変換します。また、パワーコンディショナによって交流電気へ再変換されます。そのため、日照時間や日射量の減少は発電量の低下につながります。 冬場の発電量を伸ばしたい方にとって雪の影響は非常に大きく、注意しなければいけないポイントです。
雪の重みでパネルの変形や架台の破損
雪の降る地域の中でも1日や2日で1m以上の積雪量を記録している豪雪地帯は、太陽光パネルの破損といったリスクが存在します。 太陽光パネルの重さに架台の重さも上乗せされるため、架台と屋根を接続している金具が屋根にめりこんだりパネルの変形につながったり、屋根や架台の破損といったトラブルに発展する可能性もあります。
落雪による被害
太陽光パネルの表面はガラスで出来ています。そのため、スレートや瓦などの屋根材と比べて、太陽光パネルに積もった雪は滑り落ちやすくなります。 雪が多い地域で太陽光パネルを設置する場合は、パネルに落雪止めの対策を施すことが可能ですので、適切な対策を行いましょう。
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雪が多い地域でも安心して太陽光発電を導入できる対策方法
融雪装置があるものを選び、太陽光パネルの設置角度を高くする
融雪装置(ヒーター)を設置することでパネル自体を温めることができます。雪かきや除雪作業は、事故のリスクを高めてしまうため融雪装置が備わった太陽光パネルの導入をおすすめします。
さらに、雪の降る地域では太陽光パネルの傾斜角度を調整するなどの配慮が必要です。最低でも15度以上の角度があれば、パネルに積もった雪が自然に落下します。よりスムーズに雪を落としたい時は、30度程度の角度をつけておくのがおすすめです。 ただし太陽光パネルの設置角度を大きくすると、その分架台やパネル同士の間隔を広げなければいけないため、パネルの設置枚数が減少してしまう場合もあります。
雪の重みで変形や破損を防ぐために架台の強度を上げる
より強い架台を設置するのもひとつの手です。大雪などによって架台ごと倒壊した場合、破損した部品の撤去から設備の再設置、稼働まで数ヵ月程度かかります。また、そのための費用負担も発生することもあります。雪が多い地域の太陽光発電の導入は安く済ませようとせず、雪対策を考慮して選びましょう。
太陽光発電と雪の関係性は複雑であり、雪が発電効率に与える影響や対策方法は重要な課題です。今後も技術の進化や研究の進展によって、より効果的な雪対策や運営管理方法が開発されていくことでしょう。
雪が多い地域の太陽光発電の意外なメリット
夏が涼しい地域では発電量が多い
太陽光パネルは、高温時に表面温度が25度のとき最も発電効率が良いと言われています。近年、極端な猛暑が続きますが、夏の気温が比較的涼しい地域では夏の間の発電量が多く、発電量の損失を抑えることができます。
全国の平均的な年間発電量は約1,000kWhですので、雪国の発電量は極端に少ないわけではなく、むしろ多い地域もあるとわかります。
標高が高い地域では日射量が多い
冬は雪が多い地域の長野県は、九州や沖縄よりも緯度が高いにも関わらず日本で2番目に多くの発電量を得られる地域となっています。年間を通して降水量が少ないことや、夏場に気温が上がりにくく発電量の損失ロスが少ないこと、そして標高が比較的高い地域が多いことなどが発電量の多さに繋がっていると考えられます。
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- 長野県の白樺高原に設置した太陽光発電は稼働後の発電量は良好で、2月や3月といった積雪期でもフル出力の時間帯が多く続きました。太陽光パネルの角度を20度に傾けて、地面に設置する場合は架台を高くしたことでパネルに積雪した雪が早く溶けて発電量を上げられることが分かります。 日経クロステック
台風による影響が少なく、損傷の可能性が低い
雪が多い地域は他の地域と比較し、台風の発生件数が少ない傾向にあります。 台風の影響で太陽光発電設備が吹き飛んだり、飛来物で太陽光発電設備を破損してしまい、多額の修理費がかかるケースも少なくありません。ですが、雪が多い地域に接近する頃には台風の勢力が弱まっていることもあるので、より安全に使える可能性が高いでしょう。
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雪が多い地域での太陽光発電の成功事例
雪が多い地域での太陽光発電の取り組み
雪が多い地域での太陽光発電の成功事例として、北国の特殊な構造を持つ施設が挙げられます。この施設は、屋根部分に高さを持たせることで、雪の滑落を促進しています。また、雪が降る前に施工された施設では、日射量を最大限に受けるための傾斜角度を持つパネルを使用しています。しかし、垂直積雪量2m超の地域では、補強架台をつかっても対応不可となることもあるため、施工店や販売店に事前の確認が大切です。
雪の多い地域で太陽光発電を導入するための課題
一方で、雪が多い地域での太陽光発電の取り組みには、さまざまな課題も存在します。例えば、雪が降るとパネルが覆われ、発電効率が低下する可能性があります。また、太陽の光が弱まる季節には、十分な発電効率を維持するために、蓄電池が必要となる場合もあります。
雪の多い地域では、太陽光発電の設置にあたって適切な対策が必要です。例えば、落雪事故を防ぐために雪止めをはじめとする落雪防止設備を整えることも重要です。 施設の形状や機器の設置位置、防雪加工など、さまざまな工夫により、雪が多い地域でも太陽光発電が成功する事例が増えてきています。
地球温暖化の進行に伴い、再生可能エネルギーの需要はますます高まっています。雪が多い地域でも太陽光発電を活用することで、持続可能な社会の実現に貢献していきます
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太陽光発電の将来展望と雪への対策
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技術革新による雪への対策の進化
近年、雪の影響を受けにくい太陽光発電システムの開発が行われています。また、多雪地域でも適切な架台を使用し、頑丈に固定することでセル割れによる出力低下やパネル破損を最小限にすることもできます。
- 多雪地域向け脱着式補強架台「Q.ROBUST」
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垂直積雪量200cm以上の多雪地域でも、屋根に穴をあけずに太陽光発電システムの設置が可能です。屋根にかかる積雪荷重を掴み金具とQ.ROBUSTに分散し、屋根への負担を軽減します。
https://www.q-cells.jp/products/residential/bracket#qrobust
まとめ
この記事では雪が多い地域で太陽光発電を導入するにあたってのメリットや導入前の対策について具体的なアドバイスをご紹介いたしました。太陽光発電を導入したいけど、雪が降る地域だから…と諦めていた方もいらっしゃるのではないでしょうか?設置条件等はありますが、雪が多い地域でも太陽光発電を設置可能です!気になる方は、ぜひ一度専門家にご相談ください。
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