2023年06月20日
V2Hってなに?仕組みを図解で解説
V2Hって聞いたことありますでしょうか?電気自動車を購入・検討した方、太陽光発電の導入を検討した際に調べた事がある方もいらっしゃると思います。この記事ではV2Hが一体どんな機器なのか、ご紹介いたします。
目次
V2Hとは
V2Hとは「Vehicle to Home」の略で、直訳すると「車から家へ」となります。
「車から家へ」の通り、電気自動車のバッテリーに蓄えた電気を家に使い、有効活用するシステムです。
近年、電気自動車に搭載されるバッテリーは、長距離走行に対応できるほど大容量になっています。しかし、それだけの大容量バッテリーが走行していない時間帯には「置物」になってしまうという、もったいない事実もあります。
V2Hを使うと、電気自動車に蓄えられた電気を家で使えるようになるため、電気自動車に搭載されている「もったいない」を有効活用することができます。
EVを家庭用電源にする「V2H」とは? 仕組みやメリットをイラストで解説!
V2Hのしくみ
V2Hを使わなくても電気自動車のバッテリーに蓄えている電気をそのまま自宅で使えれば便利なのに、、と思った方もいるのではないでしょうか?
確かに、V2Hを購入して設置工事して、、という工程を踏まずにそのまま使えたら便利ですよね。
しかし、残念ながら電気自動車から直接ご自宅に繋いで電気を使用することはできません。
理由としては、互いに使用している電気の種類に違いがあるためです。
直流と交流
電気の流れ方に2種類ある、ということをご存じの方もいらっしゃると思います。
その2種類とは「直流」と「交流」です。
・直流:電気が電線の中を流れるとき、電流や電圧が変化しない電気の流れ方
例)乾電池
→懐中電灯など電池を使う電気製品は、決められた電池の向きで使用しなければいけない
・交流:電気の流れる向き、電流、電圧が周期的に変化している流れ方
例)家庭で利用する電気
→コンセントにさして使う電気製品は、プラグをどちらの向きにしても使える
電気自動車の場合、バッテリーに蓄えられた電気は乾電池と同じ「直流」という種類です。一方で、家庭用の電気は「交流」です。
電気の流れ方が違うため、そのまま双方をつないでも電気を使用することはできません。
そのため、V2H機器を使用して電気の流れを変換し、電気自動車のバッテリーにある電気を自宅で使用できるようにします。
V2Hのメリット
V2Hという機器が一体なんなのか、どういう仕組みなのかを説明いたしました。
ここからはV2Hを活用した際のメリットを3つ、ご紹介いたします。
メリット1:災害時の非常用電源として利用できる
地震や台風等で停電が発生したとき、非常用電源になります。
非常用電源として、家庭用の蓄電池も普及していますが、電気自動車のバッテリーははるかに大容量です。
例えば、日産のリーフ+は62kWhの電池容量で、約4日間の家中の家電の電力をまかなうことができます。
※一般家庭での一日あたりの使用電力量を約12kWh/日とした試算値。V2H等の変換効率は含みません。
※一般家庭での一日あたりの使用電力量=約12kWhは平成31年3月環境省「平成29年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査」地方別世帯あたり年間電気消費量から算出。(世帯あたり年間消費量全国平均4,322kWh÷365=11.8kWh)
日産:リーフ[LEAF]電気自動車(EV)|蓄電池として何日間?
メリット2:電気自動車への急速充電
V2Hは一般の充電設備より電気自動車へ急速充電できるのが特徴です。
機種にもよりますが、不通充電器と比較すると約2倍程度のスピードで充電を完了できます。
電気自動車をスピーディーに充電を行いたい方には、メリットのある設備です。
メリット3:電気代の削減
ご契約されている電気料金プランによっては、電気料金を削減できる場合があります。
電力会社によって、特定の時間帯のみ電力量料金の安いプランを提供しています。
そこで、夜間や早朝など電力量料金の安い時間帯に電気自動車へ充電し、通常料金の時間帯や消費電力量の多い時間帯にV2H経由で電気自動車の電気を自家消費すると、電気代の削減ができます。
また、電気自動車の充電を太陽光発電で行うことによって更なる電気代の削減が見込めます。
V2H導入の条件
V2Hのメリットを見ると、導入したいと思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、残念ながらすべての家庭で導入できるわけではありません。将来的な導入も含めて、V2Hを導入するための条件を今回は2つご紹介いたします。
条件1:自宅と駐車場が隣接していること
V2Hは電気自動車と家を有線でつなぐシステムです。そのため、大前提として電気自動車をご自宅のすぐそばに駐車させる必要があります。
自宅から離れた場所に駐車場を借りている人や、集合住宅に住んでいる人は、V2Hの導入が困難といえます。
これから家を建設する方は、将来的にV2Hを設置できるように検討する必要があるかもしれません。
条件2:V2Hに対応している電気自動車
現在、すべての電気自動車がV2Hに対応しているわけではありません。また、V2H機種の種類によって接続できる電気自動車の車種が異なります。
V2H導入を検討されている方は、購入する電気自動車選びも重要です。
まとめ
この記事ではV2Hがどんな役割で、どんな仕組みになっているのかをご紹介いたしました。
電気自動車を有効活用する、V2Hは2012年に開発された、歴史がまだまだ短い製品です。今後、電気自動車の普及に併せてV2Hの進化・開発に期待と関心が寄せられるでしょう。
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